Q4.ヒトはちくわ?

糖質は、二糖類として吸収される。(○or×)

(管理栄養士国家試験23回77番)

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ざんねん!
糖質は、最小単位である「単糖類」まで分解されて、吸収されます。

正解!
糖質は、最小単位である「単糖類」まで分解されて、吸収されます。

1ページめのテキスト

まずは前回までのおさらいです。

私たちが生きるために必要とする栄養素は、主に5種類ありました。

この中の炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせた呼び方です。

また、炭水化物は「いくつの糖からできているか」という視点で分類すると、単糖類、少糖類、多糖類の3つに分かれていました。

・単糖類が、糖としての最小単位
・少糖類は、単糖類がいくつか結合したもの
・多糖類は、単糖類がたくさん結合したもの

例えば、
ごはんに含まれている「でんぷん」は多糖類。
砂糖の成分である「スクロース(ショ糖)」は、二糖類に所属しています。


今回は、食べ物に入っているこれらの成分が、食べた後どんなカタチで吸収されるのか?という内容です。

先に答えを見てしまうと、糖は「単糖類」まで分解されて吸収されます。

つまり多糖類はもちろんのこと、二糖類であってもそのままのカタチでは吸収されず、単糖類まで分解されることでやっと、体内に入ることができます。

たんぱく質系や脂質系の栄養素は、最小単位にならなくても吸収されるので、これが糖(炭水化物)の大きな特徴です。


さて、いま「単糖類まで分解されて、やっと体内に入る」と言いましたが、ここでの「体内」とは、小腸から吸収されて血液中に入ることを指しています。

どういうことでしょうか?

私たちは普段、ごはんを食べたら体内に入ったと感じていますが、実はカラダの構造的に見ると、まだそれは体外と捉えられます。

流れを辿ってみましょう。

口から入ったごはんの通り道は、
口→食道→胃→小腸→大腸→肛門
という順番です。

曲がりくねっていますが、ムリヤリ真っ直ぐにすれば、一本の管(消化管)と考えることができます。

「ちくわ」でいう真ん中の穴です。
そう、ヒトはちくわだったんです。

ということは、この管を辿るだけでは再び外に出てしまいます。

ほんとうに「体内」に入れようと思うと、どこかのタイミングで管の壁中に栄養素を取り込む必要があります。

これを担当をしているのが「小腸」という場所です。

小腸にやってきた栄養素は、小腸の壁を通り抜け、血液中に入ります。

これが、栄養学的にみた「吸収」です。

※小腸以外から入る物質もありますが、今回は小腸を基本として考えています。


話を糖に戻しましょう。

口に入る段階で多糖類や二糖類だったものは、消化管を通る途中で分解され、単糖類になります。

そして単糖類になると、小腸の壁を通り血液中に入り「吸収」が完了します。

よって今回の問題、「糖質は、二糖類として吸収される?」の答えは ×

糖質は分解されて、「単糖類」として吸収されるが正解でした。


いかがだったでしょう、これまでの問題を通して、

・糖の分類
・食べるときの糖のカタチ
・吸収の意味
・糖が吸収されるときのカタチ

この全体がイメージできれば、炭水化物(糖質)とは、もう友達です。出会ったときは、ぜひ声をかけてあげてください。


今回のまとめ

・糖質は、単糖類・少糖類・多糖類に分類される
・吸収とは、栄養素が小腸から血液中に入ることをいう
・糖質は、単糖類まで分解されて吸収される

・ヒトはちくわである


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