4.毒の量
marcy
では、じゃがいもの毒が
「どの部分に含まれているか」の次に、
「どれくらい含まれているか」を
数字で見ようと思います。
よく出てくるデータとしては、
「じゃがいも100 gあたり
平均7.5 mgのソラニンや
チャコニンが含まれている」があります。

・100 gあたり平均7.5 mg(0.0075 g)
(うち3~8割が皮の周辺に)
marcy
100gだから、小さいの2個とか、
中くらいの1個分くらいかな。
これが光に当たって緑色になったら、
100gあたり100mgになるので、
だいぶ増えていますね。10倍以上かな。

・光に当たって緑色になった皮の部分は、
100 gあたり100 mg(0.1 g)以上
marcy
また、
市販品に含まれている量の目安もあります。
品種によってじゃっかん変わりますけど
全体的に入っており、皮に多く
実はそれほど多くない、という感じです。
そしてこれは、芽が出ていない前提ですね。
『市販じゃがいも中の
α-ソラニン及びα-チャコニンの濃度』
(mg/100 g湿重量)
・メークイン
皮層部
26~32(α-ソラニン)
50~69 (α-チャコニン)
髄質部
0.3~1.2
0.3~1.5
・男爵
皮層部
19~24
31~37
髄質部
0.6~3.1
0.5~2.4
・ワセシロ
皮層部
4.3~6.3
8.5~11
髄質部
<0.2
<0.2
・ジャガキッズレッド
皮層部
14~20
15~21
髄質部
<0.2
<0.2
・ジャガキッズパープル90
皮層部
8.4~13
13~16
髄質部
<0.2~0.2
<0.2
出典「新藤哲也ほか. 2004.のTable 1を農林水産省で改変の上、転載」を改変 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/ganyuu/ganyu.html
tomo
じゃがいもは、
皮をむきましょうってことですね(笑)
marcy
そうですね、
もちろん食べる量によりますけど
安全側をとるなら、
意識しておいてもいいですね。
tomo
なるほど。
pino
なんか男爵の方が多いイメージだったけど、
メークインの方が多いんだね。
男爵ってよく緑色になってるから(笑)
marcy
あぁたしかに(笑)
でもそれには、
生産地や出荷時期も関係してるかも。
pino
うんうん。
*参考文献を基にしておりますが、厳密な考証は行っておりません。あくまで「趣味のおしゃべり」として、楽しんでいただけると幸いです。
参考文献
ジャガイモのきた道/山本紀夫/岩波新書/2008
ジャガイモの世界史/伊藤章冶/中公新書/2008
ジャガイモの歴史/アンドルー・F・スミス/原書房/2014
へんな毒 すごい毒/田中真知/ちくま文庫/2016
世界史を大きく動かした植物/稲垣栄洋/PHP/2018
海が運んだジャガイモの歴史/田口一夫/梓書房/2016
食中毒統計資料令和4~元年/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報/農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/
有毒植物による食中毒に注意しましょう/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html