3.毒が含まれる場所
marcy
では次は、そんな毒が
どこに含まれているのか?の話です。
これは、はじめに話していた通りで
僕らがすでに注意している
「芽と皮」に含まれます。

pino
うんうん。
marcy
いちばん多いのは、
芽がでたじゃがいもの「芽」の部分と
緑色に変色した「皮」の部分。
こんなに変色するのかと
びっくりしたんですけど(笑)

tomo
こんなに変わるんですね。
完全に「茎」やってことを
思い出してる感じですね(笑)
pino marcy
(笑)
marcy
僕らがお店で買うときは
芽と緑の皮を見ればいいんですけど、
植物全体で考えると、
葉っぱとか、地上に出ている茎とか花とか、
そいう部分にも含まれています。
tomo
あ、そうなんですね!
知らなかったです。
marcy
なので、じゃがいもを育てても、
その葉っぱや花を食べるのはNG。
観賞用だったらアリです。
よって、育てる人からすると、
花や葉っぱも、毒の有無を
知っておいた方がいいなと思います。
tomo
なるほど。
marcy
栄養士とかは、
食べる話がスタートになるので
こういう話は知らなかったなって。
pino
うん。
もともと花や葉って考えないよね。
tomo
とくに、さつまいもとは全然違いますね。
さつまいもは茎とか食べるので、
同じいもでも違うなって。
marcy
ああ~そっか。さつまいもは
芽や茎も食べますものね。
だから似ているイモでも、
その辺りの事情が変わるという。
そして、そんな毒成分が含まれている
量の参考があったので見ておきます。
『じゃがいも(植物)の各部位における
グリコアルカロイドの濃度』
(mg/100 g 湿重量)
通常の塊茎(全体) — 4.3~9.7
表皮部分(全体の2~3%)— 30~60
皮部分(全体の10~15%)— 15~30
苦みのある塊茎 — 25~80
芽 — 200~730
葉 — 23~100
茎 — 2.3~3.3
花 — 215~500
果実 — 18~135
根 — 18~85
出典「JECFA Monographs. 764.のTable 1とSmith DB,et al.1996.のTable 1とCressey P & Thomson B. 2007. のTable 1を農林水産省で改変」を改変 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/ganyuu/ganyu.html
tomo
やっぱ、ダントツは芽なんですね。
marcy
すごいですね(笑)
あと、花もけっこう多いです。
こんな感じで、
一応、全体に含まれているよ
という情報です。
tomo
そういえば、じゃがいもの種って
あんまり見ないですよね…
僕もあまりよく知らないんです。
じゃがいもって
種芋から作ると思うんですけど、
花が咲くってことは
種もできるってことですよね。
pino
たしかに。
marcy
えーっとね、
たしかじゃがいもは違うんですよ。
じゃがいもは、いもが増殖するんですよ。
tomo
そうなんですね。
pino
種できないの?
marcy
できることはできるみたいだけど、
その種から育てても、他の作物みたいに
うまくは育たないらしいよ。
tomo
なんか今の毒の量の情報だと、
芽はこれから成長していくから
食べてほしくないと。だから毒素が多い。
で、花も同じくらい多いのは、
これから種を作るから
そういうことかなと思って。
marcy
確かにそうですね。
また後で話すと思うけど、
じゃがいもって種芋で増殖するから、
ヨーロッパ人が最初びっくりしたって
話があって。
pino
へぇ。
marcy
いも類って、もともとヨーロッパになくて。
新大陸、アメリカ大陸から
入ってきたときに、はじめは
キノコの一種だと思ったりしていて。
tomo
なるほど(笑)
marcy
増え方も他のものと違うから、
「え、なにこれ」みたいに、
ずっと警戒していたって話があります(笑)
pino
おもしろいね(笑)
tomo
ヨーロッパの食文化を考えたら、
じゃがいも絶対外せないですよね…。
marcy
そうなんですよ、
それも調べたらおもしろかったんですよ!
それもまた、
次回以降のシリーズで話します(笑)
tomo
はい(笑)
*参考文献を基にしておりますが、厳密な考証は行っておりません。あくまで「趣味のおしゃべり」として、楽しんでいただけると幸いです。
参考文献
ジャガイモのきた道/山本紀夫/岩波新書/2008
ジャガイモの世界史/伊藤章冶/中公新書/2008
ジャガイモの歴史/アンドルー・F・スミス/原書房/2014
へんな毒 すごい毒/田中真知/ちくま文庫/2016
世界史を大きく動かした植物/稲垣栄洋/PHP/2018
海が運んだジャガイモの歴史/田口一夫/梓書房/2016
食中毒統計資料令和4~元年/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報/農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/
有毒植物による食中毒に注意しましょう/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html