2.なぜ毒をもっているのか

marcy

 で、ここをもうちょっと見てみると、
 僕らが食べているじゃがいもは、
 地下の茎の部分が肥大した
 「塊茎(かいけい)」と呼ばれる部分です。
 この塊茎って、有毒物質を含む植物が多くて。

tomo

 あぁ、そうなんですね。

marcy

 これもなぜかを考えると、
 茎を肥大させているのは、
 自分が繁殖に使う栄養を

 蓄えているわけですよね。
 じゃがいもからすると。

 で、これを食べられたら困るわけで。
 だから塊茎に毒を入れておいて、
 動物から食べられないようにしていると。

pino

 へぇ~。

marcy

 後からも、ちょっと出てきますが、
 いも類って、もともとは

 基本的に毒を持っているそうです。

tomo

 あ、そうなんですね。

pino

 ふ~ん。

tomo

 そうか、おいしいし、
 栄養があるから

 狙われやすいんですね。

marcy

 うんうん。
 動物からすると

 自分のためにエネルギー源を
 確保しないといけない。
 それに対して、植物は毒をもっている。
 うまいことできているなぁと。

tomo

 そうですよね。

 これ、逆に考えると、
 毒を持っていなかったやつは、
 みんな食べられちゃったのかな。

marcy

 あぁなるほど。
 初期段階で負けている

 可能性もあるのか。

tomo

 毒を持てたやつが、
 進化の過程で

 残ってきたのかなって。

pino

 あぁ。

marcy

 確かに。おもしろいなぁ。

 こんな感じで、
 じゃがいもも塊茎を肥大させて、
 毒を持っていて、

 そこに含まれている約95%が、
 「ソラニン」や「チャコニン」と

 呼ばれる物質。

 これらが、
 じゃがいもの毒を

 化学的にみた概要です。

pino

 うんうん。

tomo

 なるほど。


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*参考文献を基にしておりますが、厳密な考証は行っておりません。あくまで「趣味のおしゃべり」として、楽しんでいただけると幸いです。

参考文献
ジャガイモのきた道/山本紀夫/岩波新書/2008
ジャガイモの世界史/伊藤章冶/中公新書/2008
ジャガイモの歴史/アンドルー・F・スミス/原書房/2014
へんな毒 すごい毒/田中真知/ちくま文庫/2016
世界史を大きく動かした植物/稲垣栄洋/PHP/2018
海が運んだジャガイモの歴史/田口一夫/梓書房/2016
食中毒統計資料令和4~元年/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報/農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/
有毒植物による食中毒に注意しましょう/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html