

(何事もなかった話です)
昼ごろ、非常ベルが鳴り始めた。明らかにウチのマンションのベルであり、大音量で響いている。このとき部屋には僕一人。うわぁと驚き、窓から外を確認するが、明らかな煙や異臭はしない。そして確か以前にも誤作動で鳴ったことがあったなと思い出す。その時は1〜2分で鳴り止んだはず。そう思いながらも、一応外に出られる服に着替える。が、鳴り止まない。さすがにこれは誤作動であっても、消防か管理会社に連絡しないといけないだろうと思い、とりあえず外に出ることに。スマホと財布を持ち、トートバッグに日傘と雨傘を入れて外に出た瞬間、消防車が来た。隊員がわらわらと中に入っていく。
僕は敷地内の駐車場で日傘をさしながら待機する。マンションの周りに集まって様子を伺っている人もいる。マンションの上の階には、部屋の中から外の様子を伺っている人もいる(あ、逃げないんだ、と思った。もしかしたらすぐ外に出られない理由があるのかもしれないが)。
外から見る限り、煙が出ている様子はない。おそらく誤作動だろうと思いながらも、さすがに戻るわけにはいかない。が、おそらく誤作動だと判断して戻っていく人もいて驚く(どうしても持ち出したい何かがあったのかもしれないが)。
いつ戻れるかわからないし、ずっとここにいるのも熱中症が怖いので、近くのコンビニに行ってお茶を買うことに。ベルはずっと大音量で鳴っている。
コンビニから出た後もまだ鳴っているので、お茶を飲みながら日陰で待機する。しばらくすると、消火活動をしやすい位置に停められていた消防車が移動し、マンションの中から隊員の方達が戻ってくる。誤作動だと判断されたよう。(隊員の方が、おそらくドアのチェーンを切るための大きなチェンソーを持っていて驚く。当たり前だが、この人たちは初めから誤作動だとは決めつけていない。)
鳴り始めてから30分くらいして、ベルは鳴り止んだ。マンションの入り口のところで消防隊員の方と管理会社の人が話しているのを確認したので、部屋に戻ることに。やっぱり誤作動だったようで、点検をしてから設備を新しくしないといけないか確認するそう。何事もなくてよかった。
部屋に戻ったあと、そういえば運転免許の講習で、制動距離という話を聞いたなと思い出した。これは、ブレーキをかけてから車が実際に停止するまでに進んでしまう距離のこと。調べ直すと、制動距離の手前には、自分が危ないと認識してブレーキを踏むまでに進んでしまう空走距離というものもあった。車を停止させようと思っても、空走距離と制動距離の分は進んでしまうわけだ。
今回の避難も、これと似ているところがあった。ベルがなっても、すぐ外に出られるわけではない。ベルが鳴っているから避難しようと決断するまでの空走時間があり、そして実際に避難するための制動時間が必要になる。
思えば避難訓練で訓練できるのは、建物から避難する制動時間の部分だ。訓練とわかっている以上、逃げ始めるところからがスタートになる。
でも実際は、ベルが鳴り始めても「これは本当に逃げるべきか」と判断するための空走時間がある。僕が外に出たときにまだ部屋にいた人は、空走時間が長かったとも判断できる。僕だって、今振り返れば空走時間が長すぎるだろうとも指摘できる。そしてこれは、訓練では訓練できない部分だろうなと思った。
幸いなことに何事もなかったのだが、結果的にはリアルな避難訓練となり、避難にも空走時間みたいなタイムラグがあるのだなと学んだ日になった。

今日もお越しいただき、ありがとうございます。スマホと財布以外は持たなくていいからすぐ非難するという判断も、思っている以上にエネルギーが必要になる。
| 記念日 | 刺身の日 |
| 元号 | 令和8 |
| 和風月名 | 葉月 |
| 二十四節季 | 立秋 |
| 七十二候 | 寒蝉鳴 |
| 六曜 | 先負 |
| 旧暦 | 7月3日 |

