【季節名】 -二十四節季/七十二候/雑節-
メモを書いたひと
日々の「食べ物の旬」や「料理」「行事」は、季節に基づいている。それは知っている。けれどそのベースとなる季節についてはあまり知らないなぁ…。じゃぁまとめてみよう!と。
季節の名前や意味とともに、その時期に味わいたい食べ物もどうぞ!
[ 毎日の決め方。]
むかしむかし、人びとは月の形から「日付」を、太陽の動きから「時間」と「季節」を知っていました。
月が見えなくなる新月の日が、毎月1日。そこから満月を経て、再び見えなくなるまでの期間が「1ヶ月」。
地球が、太陽の周りを回って一周するまでの期間が「1年」。
この考え方は、「旧暦」(太陰太陽暦)と呼ばれています。
現在の新暦(太陽暦)は、1年を365日(たまに366日)にすると決まっているので、1ヶ月の数え方が少し違います。
[ 弱点を克服。]
ところが困ったことに、月の満ち欠け周期は約29日です。旧暦の数え方だと、毎年日付と季節がずれてしまいます。(1年で11日ほどずれる。)
日付を頼りにしていると、昨年とは違う季節で誕生日が来てしまうようなイメージですね。
農作業をするうえでは、とても困ります。
そこで人びとは、1年(太陽と地球の動き)を区切って名前を付けることで、季節を正確に知ろうと考えました。それが【二十四節気】です。
太陽の高さが高くなる「夏至」と、低くなる「冬至」、その間となる「春分」「秋分」を中心に、24分割されています。
〈 二十四節気の名前 〉
【春】
立春/雨水/啓蟄/春分/晴明/穀雨
【夏】
立夏/小満/芒種/夏至/小暑/大暑
【秋】
立秋/処暑/白露/秋分/寒露/霜降
【冬】
立冬/小雪/大雪/冬至/小寒/大寒
また、より身近な自然の変化を具体的に表すため、二十四節気をさらに区切った【七十二候】もつくられました。
七十二候では、だいたい5日ごと季節が巡っていきます。
〈 七十二候の名前 〉
【春】
東風解凍(氷)/黄鶯睍睆/魚上氷
土脉潤起/霞始靆/草木萌動
蟄虫啓戸/桃始笑/菜虫化蝶
雀始巣/桜始開/雷乃発声
玄鳥至/鴻雁北/虹始見
葭始生/霜止出苗/牡丹華
【夏】
蛙始鳴/蚯蚓出/竹笋生
蚕起食桑/紅花栄/麦秋至
蟷螂生/腐草為蛍/梅子黄
乃東枯/菖蒲華/半夏生
温風至/蓮始開/鷹乃学習
桐始結花/土潤溽暑/大雨時行
【秋】
涼風至/寒蝉鳴/蒙霧升降
綿柎開/天地始粛/禾乃登
草露白/鶺鴒鳴/玄鳥去
雷乃収声/蟄虫坏戸/水始涸
鴻雁来/菊花開/蟋蟀在戸
霜始降/霎時施/楓蔦黄
【冬】
山茶始開/地始凍/金盞香
虹蔵(蟄)不見/朔風払葉/橘始黄
閉塞成冬/熊蟄穴/鱖魚群
乃東生/麋角解/雪下出麦
芹乃栄/水泉動/雉始雊
款冬華/水澤腹堅/鶏始乳
[ オリジナルに。]
七十二候は、旧暦や二十四節気と同様に、中国で考えられたものが日本に伝わって来ました。(6世紀半ばごろ)
そのため、登場する植物や動物の名前や時期が、どうしても少し違っています。
そこで江戸時代には日本独自のものが作られ、何度かの改暦を経て、現在のものができあがりました。
最新のものは、明治時代の略本暦(暦の原本の小型版)に載っているものです。
〈 古代の七十二候には、フィクションも。〉
[鷹化して鳩と為る]
春が訪れて、鷹が鳩に変身するころ。
[雀大水に入り蛤と為る]
雀が海に入って蛤になるころ。
[豺乃獣を祭る]
オオカミが捕まえた獣を並べ、天に祭るころ。
時代や環境に合わせて変わってきたものなので、現代に合わせて調節したり、新しく作ったりするのも楽しそうです。むしろ、変化していくことが自然とも考えられるので、気軽にいきましょう。
【雑節】
二十四節季とは別に、季節をより的確につかむための節目の日。これは日本独自のものです。
節分(せつぶん)
各季節が始まる前日。1年に4回ある
土用(どよう)
各季節が始まる前の18日間。季節の変わり目。最終日が節分
彼岸 (ひがん)
春分・秋分と前後の3日を合わせた計7日間。仏事を行う
八十八夜 (はちじゅうはちや)
立春から88日目。夏の準備を始める日
入梅 (にゅうばい)
梅雨の始まりを告げる日。(現在の実際の梅雨入りとは異なる)
半夏生 (はんげしょう)
夏至から11日目。この日までに畑仕事を終える
二百十日 (にひゃくとおか)
立春から210日目。台風などを警戒する農家的な厄日
二百二十日 (にひゃくはつか)
立春から220日目。 同じく、警戒すべき厄日
社日 (しゃにち)
生まれた土地の神様を祀る日。春と秋の2回
【五節句】
季節の食べ物を神様にお供えし、人々と分かち合う年中行事。もとは神様への供え物「節供(せっく)」だったものが、節目という意味を取り入れて「節句」へと変化した。江戸時代に公的な行事と定められた5つが残っています。
1月7日[人日の節句](じんじつ)
3月3日[上巳の節句](じょうし)
5月5日[端午の節句](たんご)
7月7日[七夕の節句](たなばた/しちせき)
9月9日[重陽の節句](ちょうよう)
*節句は中国の陰陽五行説に由来し、奇数が重なる日に設定されています。
【季節の定義】
分類 | 春 | 夏 | 秋 | 冬 |
---|---|---|---|---|
気象学的季節 | 3月~5月 | 6月~8月 | 9月~11月 | 12月~2月 |
天文学的季節 | 春分~夏至 | 夏至~秋分 | 秋分~冬至 | 冬至~春分 |
伝統的季節(暦月) | 正月~三月 | 四月~六月 | 七月~九月 | 十月~十二月 |
伝統的季節(節月) | 立春~立夏 | 立夏~立秋 | 立秋~立冬 | 立冬~立春 |
【時代の変化】
旧暦は明治5年(1872年)に改暦され、翌年から新暦へと移行されました。
政府
「来年からは新暦にします」(旧暦11月に公布)
みんな
「ということは今年は12月2日で最後じゃん。」
「旧12月3日の日が、新1月1日になるの!?」
「いそいで正月準備だー!」
このような背景があるため、旧暦のタイミングで行われていた行事が、そのまま新暦の月日で行われるようになり、内容と季節感がずれることがあります。また、そのまま旧暦の月日で行ったり、月遅れで実施する場合もあります。
参考
「日本の七十二候を楽しむ-旧暦のある暮らし-」白井明大・有賀一広(角川書店)
「絵で楽しむ日本人として知っておきたい二十四節気と七十二候」水野久美・森松輝夫(KADOKAWA)
「日本の365日を愛おしむ-毎日が輝く生活暦-」本間美加子(東邦出版)
「日本人のしきたり」飯倉晴武(青春出版社)
「ほぼ日手帳2021original」糸井重里(ほぼ日)
*注意点
二十四節季・七十二候・雑節などは、毎年月日が少し変動します。
春
暦の上で春がはじまる日。寒さがピークに達することで、これからは暖かさへと転じていくという考えから。
1.東風解凍(はるかぜ こおりをとく)
2/4~2/8頃
春風が吹いて、川や湖の氷が解け始めるころ。
春一番の山菜「ふきのとう」・ちりめんのもと「しらうお」
2.黄鶯睍睆(うぐいす なく)
2/9~2/13頃
春の到来を告げるウグイスが、鳴き始めるころ。
青大豆のきなこでつくる「うぐいす餅」・春告魚「にしん」
3.魚上氷(うお こおりをいずる)
2/14~2/18頃
川や湖の氷が解け 、魚が跳ね上がるころ。
今日摘んでも明日伸びてくる「明日葉」
<行事> 針供養(地域によって12月)、バレンタインデー
降っていた雪が雨に変わり、積もっていた雪や氷が解けはじめるころ。農耕準備をはじめる目安。
4.土脉潤起(つちのしょう うるおいおこる)
2/19~2/23頃
春の雨が降り、大地が潤い目覚めるころ。
葉がやわらかい「春キャベツ」・別名は春とび「とびうお」
5.霞始靆(かすみ はじめてたなびく)
2/24~2/28頃
山野に霞がたなびくころ。
和からしの素「からし菜」
6.草木萌動(そうもく めばえいずる)
2/29~3/4頃
草木が芽吹きはじめるころ。
アブラナ科の総称「菜の花」・殻が合うのは対のものだけ「はまぐり」
【五節句】3/3 上巳の節句
<行事> ひな祭り
土の中の虫たちが、活動をはじめるころ。「啓」は開く、「蟄」は冬眠している虫のこと。
7.蟄虫啓戸(すごもりむし とをひらく)
3/5~3/9頃
冬ごもりしていた虫たちが姿を現すころ。
山菜といえば「わらび」「ぜんまい」・関西では春の魚「さわら」
8.桃始笑(もも はじめてさく)
3/10~3/14頃
桃の花が咲き始めるころ。
生でもおいしい「新たまねぎ」・下あごに注意「さより」
9.菜虫化蝶(なむし ちょうとなる)
3/15~3/19頃
青虫のさなぎが羽化し蝶になるころ。
葉っぱもおいしい「葉わさび/花わさび」・田の神様へ「十六団子」
【雑節】 春の彼岸、社日(春)
太陽が真東から登って真西に沈み、昼と夜の長さが同じになる日。最も極楽浄土に近づけるとされ、仏事が行われる。
10.雀始巣(すずめ はじめてすくう)
3/20~3/24頃
スズメが巣を作りはじめるころ。
日本原産の「ふき」・殻が開く姿がまさに「ホタテ貝」
11.桜始開(さくら はじめてひらく)
3/25~3/29頃
桜の花が咲き始めるころ。
歴史が長い「アスパラガス」・関西は道明寺粉で「さくら餅」・今食べたい「さくらえび」
12.雷乃発生(かみなり すなわちこえをはっす)
3/30~4/3頃
春の訪れを告げる雷が鳴り始めるころ。
山に自生する「うど」・お祝い事に「たい」
<行事> エイプリルフール 、お花見
春の日差しを受け、すべてのものが清らかに輝くころ。清浄明潔の略。
13.玄鳥至(つばめ きたる)
4/4~4/8頃
海を渡ってツバメがやってくるころ。
修行のお供に「行者にんにく」・たたきで食べたい「初がつお」
14.鴻雁北(こうがん かえる)
4/9~4/13頃
ガンが北へと帰っていくころ。
待ってました「タラの芽」・自分で光る「ほたるいか」
15.虹始見(にじ はじめてあらわる)
4/14~4/18頃
空にはじめて虹がかかるころ。
日本の香り「みつば」・かつては庶民の味方「めばる」
【雑節】土用(春)
<行事> 灌仏会(花祭り)
穀物に実りをもたらす春の雨が降るころ。しとしと降り続く長雨。
16.葭始生(あし はじめてしょうず)
4/19~4/24頃
水辺の葦(葭)が芽を出すころ。
もとは薬草「新ごぼう」・旧暦の三月が旬だから[参]の字を使う「あじ(鯵)」
17.霜止出苗(しも やんでなえいずる)
4/25~4/29頃
霜がやんで、苗が育つころ。
炊き込みご飯もおいしい「よもぎ」・よもぎから作る「草餅」
18.牡丹華(ぼたん はなさく)
4/30~5/4頃
牡丹の花が咲くころ。
山の幸「こごみ」・茶摘みの季節「新茶」
【雑節】 八十八夜
<行事> 節分(春→夏)
夏
暦の上で夏がはじまる日。五月晴れの季節。
19.蛙始鳴(かわず はじめてなく)
5/5~5/9頃
蛙が鳴きはじめるころ。
表情豊かな「きんめだい」・日本の文化「かしわ餅」・中国の文化「ちまき」
20.蚯蚓出(みみず いずる)
5/10~5/14頃
冬眠していたみみずが、地上に出てくるころ。
ビタミンCが多い「いちご」・初夏の魚「いさき」
21.竹笋生(たけのこ しょうず)
5/15~5/19頃
たけのこが生えてくるころ。
日本原産の「たけのこ(真竹)」
【五節句】 5/5 端午の節句
<行事> こいのぼり、菖蒲湯、こどもの日
あらゆる生命が、天地に満ち始めるころ。名前は、麦の穂が実り始めて一安心(少し満足)から。
22.蚕起食桑(かいこ おきてくわをはむ)
5/20~5/25頃
カイコが桑の葉をいっぱい食べて育つころ。
桜が咲いた2か月後が食べごろ「そらまめ」・天ぷらでもにぎりでも「きす」
23.紅花栄(べにばな さかう)
5/26~5/30頃
紅花がいちめんに咲くころ。
平安時代から活躍「しそ」・江戸前天ぷらの主役「くるまえび」
24.麦秋至(むぎのとき いたる)
5/31~6/4頃
麦が成熟し、収穫するころ。
お茶にもなる「びわ」
田植えをはじめる目安。芒(のぎ)は、イネ科植物の穂先のこと。この芒がある穀類の種を蒔く時期。
25.螳螂生(かまきり しょうず)
6/5~6/9頃
昨年の秋に産みつけられた卵から、かまきりが生まれるころ。
甘酢で漬けたい「らっきょう」・殿さまの魚「あいなめ」
26.腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)
6/10~6/15頃
ホタルが明かりを灯して飛びかうころ。
夏に向けて「トマト」・日本海からやってくる「スルメイカ」
27.梅子黄(うめのみ きばむ)
6/16~6/20頃
しとしと降る雨を恵みに、梅の実が薄黄色に色づくころ。
素晴らしい香り「うめ」・夏の白身といえば「すずき」
【雑節】入梅
一年で最も昼間が長く、夜が短い日。日に日に暑さが増していくころ。
28.乃東枯(なつかれくさ かるる)
6/21~6/25頃
夏枯草が、枯れはじめるころ。
苦味もよい「夏みかん」・川によって味が違う「あゆ」
29.菖蒲華(あやめ はなさく)
6/26~6/30頃
あやめが花を咲かせるころ。
薬味にぴったり「みょうが」・6月の終わりに「水無月」
30.半夏生(はんげ しょうず)
7/1~7/6頃
半夏(カラスビシャク)が、生えはじめるころ。
炒めもおいしい「オクラ」・関西では半夏生に「たこ」・家でも食べたい「はも」
【雑節】半夏生
<行事> 夏越の祓、水無月
梅雨が明けて、本格的な夏へと向かうころ。暑中見舞いを送る時期。
31.温風至(あつかぜ いたる)
7/7~7/11頃
暖かい風が吹いてくるころ。
苦味を楽しむ「ゴーヤ」・七夕には「そうめん」
32.蓮始開(はす はじめてひらく)
7/12~716/頃
蓮の花が咲き始めるころ。
色も楽しめる「とうもろこし」・顔は右向き「かれい」
33.鷹乃学習(たか すなわちわざをならう)
7/17~7/21頃
タカの雛が、飛び方や狩りを覚えるころ。
栄養価が高め「モロヘイヤ」・大事にしたい「うなぎ」
【五節句】7/7 七夕の節句
【雑節】土用(夏)
〈行事〉笹飾り、短冊、里芋の葉、暑中見舞い、夏の土用
一年で最も暑さが厳しくなるころ。暑さを乗り切るための風習が残る。
34.桐始結花(きり はじめてはなをむすぶ)
7/22~7/26頃
桐が花を咲かせ、実をつけるころ。
ほとんど水分「きゅうり」
35.土潤溽暑(つちうるおうて むしあつし)
7/27~8/1頃
土が潤って、蒸し暑くなるころ。
種類はさまざま「えだまめ」・関西は焼で「あなご」
36.大雨時行(たいう ときどきにふる)
8/2~8/6頃
夏の大雨が降るころ。
野菜か果実か「スイカ」・刀のような「たちうお」
<行事> 節分(夏→秋)
秋
暦の上で秋がはじまる日。あいさつも、残暑見舞いに切り替わる。
37.涼風至(すずかぜ いたる)
8/7~8/11頃
朝晩の風が、ふと涼しく感じるころ。
白桃の日もある「もも」・夏にもおいしい「しじみ」
38.寒蝉鳴(ひぐらし なく)
8/12~8/16頃
ひぐらしが鳴き始めるころ。
食べてみたい「めごち」
39.蒙霧升降(ふかききり まとう)
8/17~8/22頃
深い霧が立ち込めるころ。
辛味がやさしい「新しょうが」・南方にいる「真だこ」
〈行事〉お盆(盂蘭盆会)、迎え火、送り火
暑さが少しやわらぐころ。「処」は、止まるという意味。
40.綿柎開(わたのはなしべ ひらく)
8/23~8/27頃
綿の実を包む萼(ガク)が開くころ。
ほどよい酸味「すだち」・骨まで使える「かさご」
41.天地始粛(てんちはじめて さむし)
8/28~9/1頃
暑さがおさまり、秋の冷たい空気が運ばれてくるころ。
ブドウ糖が多い「ぶどう」・かまぼこにもなる「ぐち」
42.禾乃登(こくもの すなわちみのる)
9/2~9/6頃
稲が実り、穂を垂らすころ。
実の中に花が咲く「いちじく」・脂がのった「いわし」
【雑節】二百十日
草花に露が結び、白く光って見えるころ。残暑が引いてくる。
43.草露白(くさのつゆ しろし)
9/7~9/11頃
草に降りた露が、白く光って見えるころ。
黄色の縦縞「しまあじ」
44.鶺鴒鳴(せきれい なく)
9/12~9/16頃
セキレイが鳴き始めるころ。
独特の食感「なし」・超ごちそう「あわび」
45.玄鳥去(つばめ さる)
9/17~9/21頃
ツバメが南に帰っていくころ。
皮ごと焼きたい「なす」・元はつぶあん「おはぎ」
【五節句】9/9 重陽の節句
【雑節】秋の彼岸、二百二十日
〈行事〉お月見、菊花酒、秋の七草
春分と同じく、昼と夜の長さが同じになる日。
46.雷乃収声(かみなり すなわちこえをおさむ)
9/22~9/27頃
雷が鳴り響かなくなるころ。
万葉集にも歌われる「まつたけ」
47.蟄虫坏戸(むしかくれて とをふさぐ)
9/28~10/2頃
虫が隠れて土の穴をふさぐころ。
稲作よりも古くからある「さといも」・秋の味覚「さんま」
48.水始涸(みずはじめて かるる)
10/3~10/7頃
田の水を抜いて、稲刈りを始めるころ。
イチョウの実「ぎんなん」・から揚げが好き「とらふぐ」
【雑節】社日(秋)
草木の露が冷たく感じるころ。この時期の寒さを「露寒(つゆさむ)」という。
49.鴻雁来(こうがん きたる)
10/8~10/12頃
ガンが北から渡ってくるころ。
名前によって種類が違う「しめじ」・柳の葉から生まれた「ししゃも」
50.菊花開(きくのはな ひらく)
10/13~10/17頃
菊の花が咲き始めるころ。
古くから食べられていた「くり」・しょっつるの材料「はたはた」
51.蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり)
10/18~10/22頃
キリギリスが戸口で鳴くころ。
色づくと医者が青くなる「かき」・国産は貴重「さば」
【雑節】土用(秋)
露に変わって、霜が降りるころ。秋も終盤。
52.霜始降(しも はじめてふる)
10/23~10/27頃
霜がはじめて降りるころ。
畑のキャビア「とんぶり」・春も秋もおいしい「ほっけ」
53.霎時施(こさめ ときどきふる)
10/28~11/1頃
すぐに止む小雨が降るようになるころ。
種類が多い「やまいも」・煮つけたい「きんき」
54.楓蔦黄(もみじつた きばむ)
11/2~11/6頃
モミジやツタが色づくころ。
煮ても焼いてもいい「さつまいも」・フグにも並ぶおいしさ「かわはぎ」
<行事> 節分(秋→冬) 、ハロウィン
冬
暦の上で冬がはじまる日。木枯らしが吹くころ。
55.山茶始開(つばき はじめてひらく)
11/7~11/11頃
サザンカの花が咲き始めるころ。
蜜のように甘い柑橘「みかん」・左向きの「ひらめ」・亥の日に「亥の子餅」
56.地始凍(ち はじめてこおる)
11/12~11/16頃
大地が凍り始めるころ。
冬葉とも呼ばれる「ほうれんそう」・みそがおいしい「毛がに」・七五三には「千歳飴」
57.金盞香(きんせんかさく)
11/17~11/21頃
スイセンの花が咲き、香るころ。
歯ごたえがいい「れんこん」・貝殻がある「甲いか」
〈行事〉七五三、亥の子祝い
初雪の便りが届くころ。そんな時期に、ふいに訪れる暖かい日が「小春日和」。
58.虹蔵不見(にじ かくれてみえず)
11/22~11/26頃
虹を見かけなくなるころ。
医者いらずな「りんご」・高級魚「くえ」
59.朔風払葉(きたかぜ このはをはらう)
11/27~12/1頃
北風が、木の葉を払い落とすころ。
寒いのが好きな「はくさい」・ご飯がすすむ「かます」
60.橘始黄(たちばな はじめてきばむ)
12/2~12/6頃
橘の実が、黄色くなるころ。
オランダ三葉とも呼ばれる「セロリ」・めでたい魚「ぼら」
〈行事〉新嘗祭
本格的に雪が降りはじめるころ。年末年始の準備もはじまる。
61.閉塞成冬(そら さむくふゆとなる)
12/7~12/10頃
空が閉ざされて、真冬が訪れるころ。
寒いのが似合う「ぶり」
62.熊蟄穴(くま あなにこもる)
12/11~12/15頃
熊が穴に入って、冬ごもりするころ。
奈良時代からの付き合い「ねぎ」・他にはない味「かき」
63.鱖魚群(さけのうお むらがる)
12/16~12/20頃
サケが群れで川を遡るころ。
古事記にも登場する「にら」・同じ川に戻ってくる「さけ」
〈行事〉すす払い
一年で最も昼間が短く、夜が長い日。ここから日が長くなっていくので、古代では一年の始まりとされた。
64.乃東生(なつかれくさ しょうず)
12/21~12/25頃
うつぼ草の芽が出てくるころ。
鍋にもあう「ゆず」・縄文人も食べていた「まぐろ」
65.麋角解(さわしかのつの おつる)
12/26~12/31頃
大鹿の角がぬけ落ちて、生え変わるころ。
本来の旬は夏「かぼちゃ」・タイより格上の時代もあった「こい」・細く長く幸せに「年越しそば」
66.雪下出麦(ゆきくだりて むぎのびる)
1/1~1/4頃
雪の下で、麦が芽を出すころ。
食べる国は少ない「ゆりね」・THE海の幸「いせえび」・好きなもので作る「おせち料理」
〈行事〉ユズ湯、クリスマス
〈行事〉お正月、鏡餅、書初め
寒さが極まるやや手前のころ。寒中見舞いを送る時期。
67.芹乃栄(せり すなわちさかう)
1/5~1/9頃
セリが群れ生えるころ。
七草の1つ「せり」・鍋といえば「たら」・健康を願う「七草がゆ」
68.水泉動(しみず あたたかをふくむ)
1/10~1/14頃
地中の凍っていた水が、動き始めるころ。
キクナとも呼ぶ「しゅんぎく」
69.雉始雊(きじ はじめてなく)
1/15~1/19頃
キジが鳴き始めるころ。
すずなとも呼ぶ「かぶ」・捨てるところがない「あんこう」・割って食べる「鏡餅」
【五節句】1/7 人日の節句
【雑節】土用(冬)
〈行事〉鏡開き
一年でもっとも寒さが厳しいころ。 春に向かう時期でもある。
70.款冬華(ふきのはな さく)
1/20~1/24頃
ふきのとうが、蕾を出すころ。
寒さに強い「こまつな」・赤いほど高級「赤がい」
71.水沢腹堅(さわみず こおりつめる)
1/25~1/29頃
沢に氷が厚く張りつめるころ。
京菜とも呼ぶ「みずな」・釣ってみたい「わかさぎ」
72.鶏始乳(にわとり はじめてとやにつく)
1/30~2/3頃
鶏が卵を産み始めるころ。
皮ごと食べられる「きんかん」・7種類の具「太巻き(恵方巻)」
<行事> 節分(冬→春)、豆まき、初午