第3話 必要な元素

メンバー

marcy
pino

作物が生育するのに
必要な元素がある

marcy

 今回は、
 元素を見ていきたいと思います。

pino

 元素ね。

marcy

 作物が生育するのに、
 必要な元素がありました。
 これはけっこう内容が細かくなるので、
 いくつかに分けて見ようと思います。

pino

 はーい。

marcy

 まず、作物に必要な元素を、
 必須元素と呼びます。

pino

 はい。

marcy

 必須元素は、それが欠乏すると、
 その作物の生育が抑制・停止することが
 明らかなもの。
 また、その状態で元素を与えると、
 回復するものを指します。

pino

 はい。

marcy

 ではそんな植物の必須元素は、
 現在何種類あるでしょう?

pino

 9!

marcy

 おしい(笑)
 多量元素が9種類で、
 微量元素も含めると、現在17種類あります。

pino

 あ、必須元素は、
 多量も微量も含めた言い方ね。

marcy

 そうそう。
 全部で17種類ある必須元素を、
 植物が必要とする量から、
 多量元素と微量元素に分けている、
 という順番だね。

pino

 なるほどね。

marcy

 あともうひとつ、似た言葉として、
 有用元素という言葉もあります。
 有用元素とは?

pino

 特定の…作物に…必要な元素…。

marcy

 正解。

pino

 ほんとに?(笑)

marcy

 うん、必須元素ではないんだけど、
 特定の作物にとっては必要(有用)な元素のこと。
 これは必須元素と区別して、話を進めていきます。

【必須元素】– 17種類

  多量元素(多量要素)- 9種類

  微量元素(微量要素)- 8種類

【有用元素】

pino

 はーい。


多量元素

marcy

 ではまず、多量元素。
 植物の生育に必要な元素のうち、
 比較的多量に必要とされるもの。
 現在9種類。どんなものがあったでしょう?

pino

 ……(笑)

marcy

 (笑)

pino

 …窒素。

marcy

 うん。

pino

 リン。

marcy

 うん。

pino

 カリウム。

marcy

 うん。
 ちなみにそれらが、
 肥料の3要素と言われるものたち。
 残り6つ。

pino

 亜鉛。

marcy

 亜鉛はねぇ、微量元素だねぇ。

pino

 あ、酸素、水素、炭素!

marcy

 正解!
 この3つが、空気や水など、
 自然界から補えるやつね。
 肥料として入れなくてもいいやつ。
 あと3つ。

pino

 なんだっけ?ヒント。

marcy

 牛乳。

pino

 …牛乳?(笑)あ、カルシウム!
 カルシウム、マグネシウム、硫黄!

marcy

 正解!(笑)

 炭素(C)・水素(H)・酸素(O)
 窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)
 カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)
 イオウ(S)
 この9つが多量元素です。


微量元素

marcy

 ではつぎ、微量元素8種類。
 作物の生育に必要な元素のうち、
 必要量が比較的少ないもの。

pino

 鉄、銅、マンガン、亜鉛…ヒントください。

marcy

 水道水。

pino

 水道水??

marcy

 水道水やプールの消毒。

pino

 塩素!

marcy

 正解。

 あとは、モリブデン・ニッケル・ホウ素。
 ホウ素は、植物の細胞壁に必要な元素だったね。

 以上、
 鉄(Fe)・銅(Cu)・マンガン(Mn)
 亜鉛(Zn)・塩素(Cl)モリブデン(Mo)
 ニッケル(Ni)・ホウ素(B)
 が微量元素でした。

 意外と覚えていたね。

pino

 3級のときにゴロ合わせあったやん?
 あれを途中まで覚えてた。

 「鉄道マンガに会えん」(笑)
 (鉄.銅.マンガン.亜鉛)

marcy

 またゴロ合わせ考えようか。

pino

 募集中です(笑)

marcy

 そして最後、必須元素ではないけれど、
 特定の作物に有益な働きをする、有用元素。
 例えばどんなものがあったでしょう?

pino

 ケイ素!

marcy

 そうだね、イネにおけるケイ素がよく登場する

pino

 他にもあるの?

marcy

 調べたら、ナトリウム、コバルト、
 アルミニウムが出てきた。

pino

 ふーん。

marcy

 これらは補足程度で、
 試験的にはケイ素がメインだね。
 「ケイ素が必須元素ですか?」
 というのが出ていたし、

pino

 必須元素ではなく、有用元素。

marcy

 うん。
 あとは、「必須元素が全部で17種類」
 「多量が9種類・微量が8種類」
 というのも出ていたかな。

pino

 うんうん。

marcy

 全部を書く問題はないけれど、
 数は覚えておかないとね

 ということで、
 元素の全体像についてはこんな感じ。
 今回は、こういう名前が登場するよ、
 ということで。

pino

 はーい。


おまけトーク


ちょっと補足と言うか、話を展開すると、
これってヒトも同じ概念で考えられるよね。


栄養素のこと?


そうそう。
ヒトの場合は、
たんぱく質・脂質・炭水化物の
三大栄養素と、あとビタミンとミネラル。
このミネラル(無機質)も、
多量と微量で分かれてよね。

ヒトの場合は
多量がナトリウム・カルシウム・
カリウム・マグネシウム・リン、
微量が鉄・亜鉛・銅・マンガン・
ヨウ素・セレン・クロム・モリブデン。

かぶっている部分も
けっこうあるかなって感じ。
なんでかぶっているかを
広ーい目でみると、
土から元素を摂取して、
生命維持をしているのは、
ヒトも植物も変わらないから。


うん。


植物はそのまま根から取り入れているし、
ヒトや動物はそういう植物を食べているから、
間接的ではあるけれど、
土からのミネラルと取っているという点では一緒。

そしてヒトや動物と、
植物はカラダの構成が違うから、
必要な元素(ミネラル)の種類も少し違う、
という感じ。


うんうん。


そういう意味で、
ミネラルの種類は違うけれど、
ミネラルが必要だよ、というのは
同じという理解だね。


なるほどね~。
役割を覚えたら、もっと
イメージしやすくなるかもね。


うんうん。
次からは、そういう働きを見ていこうと思います。


ヒトも炭素・水素・酸素を
自然界から自動補給できる
カラダだったらよかったのにね。


あぁ、一応できるという理解ではあるのかな。
水(H₂O)は飲まないといけないけれど、
水と呼吸で、炭素・水素・酸素は取り入れられるので、
「わざわざ栄養素として意識して摂取しなくていい」
という扱いになっているね。


そうか。そこは一緒なんだね。

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