第10話 リン2

メンバー

marcy
pino

リンの欠乏と過剰

marcy

 今回は、リンの欠乏症と過剰症。
 そして数字感覚を確認します。

pino

 はい!

marcy

 ざっと復習しておきます。
 リンの1回目で、
 リンの働きや、土の中での状態、
 吸収しやすさに影響を与えるもの
 などを見ました。

 リンの働きは、
 作物の成長に必要であり、
 核酸(DNAやRNA)の材料や
 エネルギー(ATP)の材料に
 なっていた。
 
 そんな元素なので、
 作物の生育に対して
 「窒素の次に影響を与える」と
 されていました。

pino

 「実肥」って言ってたよね。

marcy

 そうそう、言ってたね。

 あと、土壌中の状態として、
 「リン酸でいるよ」
 「交換態ではなく何かと結合しているよ」
 その種類に「カルシウム型、
 アルミニウム型、鉄型があるよ」と。

 さらに、それらが「可給態」と「不可給態」
 つまり、作物にとって
 吸収しやすいか・しにくいかで
 分類されていた、というお話でした。

【リン酸】
 ・有機態リン酸
 ・無機態リン酸
   カルシウム型(可給態)
   アルミニウム型(不可給態)
   鉄型(不可給態)

pino

 そう、種類がたくさんあった。

marcy

 そんな影響もあって、
 リンは作物への吸収率がとても低い。
 肥料として与えた量の
 10-20%しか使われなかった。
 窒素やカリウムと比べても、
 吸収率が低い元素でした。

pino

 でも、だいじ。

marcy

 うん。そしてリンの吸収に
 影響を与える要因として、
 pHや土の種類(黒ボク土)
 地温などがあった。

pino

 うんうん。

marcy

 では、これを踏まえて、
 欠乏症を見ていきます。

pino

 はい!

marcy

 リンは、新しい細胞で
 たくさん必要とされていました。
 窒素の次に、作物の成長に影響を与える元素。
 ということは、リンが欠乏すると
 どんなことが起こると思う?

pino

 実ができない。

marcy

 そうだね。
 もっと広く捉えると?

pino

 生長できない。

marcy

 そうそう、生育不良。
 具体的な例としては
 「下葉が赤紫色になる」と書いてあった。

pino

 へぇ。

marcy

 たぶん、
 葉緑体ができてないってことだよね。

pino

 あぁなるほどね。

marcy

 次は、過剰症。
 リンは、もともと吸収率が
 すごい低かったよね。
 施肥しても10-20%しか使われない。

pino

 うん。

marcy

 ということで、リンの過剰症は
 一般的に「発症しにくい」という
 認識がある。
 
 ただ、最近は報告もあるようで、
 「アブラナ科の根こぶ病の発病助長」
 「じゃがいものそうか病の発病助長」
 「春菊の芯枯病」
 「スイートピーの白化症状」
 「水稲苗の葉先の褐色斑や白化」
 などが言われています。

pino

 ふーん。

marcy

 なので、少ないとは言いつつ、
 まったく影響がないわけではない。

pino

 なるほどね。

marcy

 この、リンの過剰症が起こる
 要因には3つあって。
 1つは、リン自体の過剰で、
 影響を与えること。

pino

 うん。

marcy

 2つめは、
 リンが過剰になることで、
 相対的に、作物体内のカリウム・
 カルシウム・マグネシウム含量が
 低下すること。

pino

 へぇ。

marcy

 3つめが、
 リンの過剰によって、
 亜鉛や鉄の吸収阻害が起こるため。

pino

 拮抗作用ってこと?

marcy

 そうだね。
 なので、リンの過剰は、
 リン自体が悪影響を
 与えることもあるし、
 間接的に他の元素に
 影響を与える場合もある
 ということだね。

pino

 なるほど。

marcy

 これが、欠乏症と過剰症。
 テキストの内容的には、
 けっこうあっさり書いてある部分でした。


リンの数字感覚

marcy

 最後に、
 リン酸をどれくらい施肥するか
 という数字感覚の確認です。
 窒素のときのこと覚えてる?

pino

 (´・ω・)

marcy

 (笑)

 えっと、
 窒素の最後で数字を見たよね。

pino

 (´・ω・)もう忘れました。

marcy

 忘れるよね(笑)
 振り返ると、窒素は
 100g当たり、5-15mgくらいが
 適正範囲だった。
 
 とくにアンモニア態窒素は、
 25mgを超えたら過剰の影響が出るよ
 という感覚だった。

pino

 25mg。そうでした。

marcy

 これと比べながら見ていこう。
 リン酸は、100g当たり10mgだと
 「少ない」という印象になります。

pino

 うん。

marcy

 これくらいだと、
 作物の収量が少なくなる。
 なので、ここから増やしていくと、
 それに伴って収量も増加するという
 実験結果もある。

pino

 へぇ。

marcy

 次の目安になるのが「100mg」
 これくらいになると、
 収量が頭打ちになるものが出てくる。
 
 まだ増加するものもあるけど、
 ざっくり捉えるなら
 「100mgまでは、
  リンが増えれば収量も増える」
 という感覚。

pino

 うん。

marcy

 そして「300mg」までいくと、
 過剰症が出てくるレベルになる。

pino

 300mgぐらいまでいけるんだ。

marcy

 うんうん。
 300mgくらい含まれる土壌だと、
 リンを無施肥にして栽培しても大丈夫
 という記載もありました。

pino

 なるほどね。
 10-300mgの範囲。
 問題としてはどこを問われるの?

marcy

 えっと、今見たのが、
 全体のざっくりした感覚ね。
 この次に、各作物での数字を見るけど、
 その中の水稲などが出題されているかな。

pino

 あぁ~OK。

marcy

 水稲は、20mg/100gまでは、
 収量が増加する。
 けれど30mg以上になると
 変わらなくなる。

pino

 頭打ちが早いね。

marcy

 そうそう。
 30mg以上だったら、
 無リン酸栽培でも影響しない
 というデータもあるよう。

pino

 なるほど。

marcy

 一方、他の野菜を見ておくと、
 タマネギは80-100mgがピーク
 ホウレンソウは80mgがピーク
 レタスは100mgがピーク
 ダイコンは100mgがピークに
 なっている。

pino

 細かい!(笑)

marcy

 確かに(笑)
 でもさっき見た通り、
 だいたい100mgで頭打ちになるんだなって
 感覚は持てるんじゃない?

pino

 まぁたしかに(笑)
 畑の方が影響するんだね。

marcy

 そうだね、
 反映されやすいってことだね。
 ちなみにダイコンは、
 10mgでも100mgでも大差がないそうです。

pino

 どんかん(笑)
 なんでだろうね。

marcy

 …あ、ダイコンって、
 リン1回目の「影響を受けやすい作物」に
 出てこなかったっけ…

・リン酸を吸収しやすい
(リン酸施用効果が低い)
  コマツナ・ダイコン
  サトイモ・サツマイモ
  スイカ

・リン酸を吸収しにくい
(リン酸施用効果が高い)
  タマネギ・インゲン
  レタス・ホウレンソウ
  ニンニク

marcy

そうだね、ダイコンはもともと
 「リンを吸収するチカラが強い作物」
 だから、施肥効果が低いってことだ!

pino

 あぁ~言ってたね。

marcy

 逆に、タマネギ、レタス
 ホウレンソウは、
 もともと吸収力が低いから
 肥料で与えると
 その分吸収してくれると。
 
 そういうことか~
 これは気づかなかった、ありがとう(笑)

pino

 ダイコンがリンにどんかんなのは、
 もともと、吸収する能力が高いから。

marcy

 つながるとおもしろいなぁ。
 ということで、リンは以上です。

pino

 ありがとうございました!


おまけトーク


今日ね、ドジョッチ復習してて、
不思議な気持ちになった。


ん?


なんか、昔の自分、
こんなちゃんとわかってる!って。


(笑)


これ、ほんとに自分?みたいな。
不思議な気持ちになったよ。


文字に起こすとき、
ウソは書いてないから(笑)
今忘れちゃってても、
ちゃんとわかってるんだよ。


そう、すぐに忘れるんだよ~。


いいじゃん忘れても(笑)
また思い出せばいいんだよ~

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