第1話 土のできかた
メンバー
まずは名前について。
marcy
今回は、第1章の「土のでき方」について
見ていきたいと思います。
pino
はい!
marcy
まずは、名前について。
pino
名前?
marcy
うん、「土」って呼ぶ場合と、
「土壌」って呼ぶ場合があるよね。
例えば土壌医検定は、「土壌」って言っている。
これはどういう使い分けがされているか。
pino
考えたことなかった…
marcy
正直な感想(笑)
pino
なんか、
「体」と「身体」みたいな使い分けかなと。
marcy
そうそう!
あってるあってる(笑)
本で説明されていたのは、
「土」は一般名称、「土壌」は農業用語として
使われるものと。
そして土壌の「壌」には、
柔らかな土、肥えた土、
作物を育てる土、
という意味が含まれているそうです。
「土」 一般名称
「土壌」 農業用語
[壌] 柔らかな土・肥えた土・作物を育てる土の意
pino
へー、そうなんだ。
marcy
だから農業関係で登場するときは、
「土壌」と書いていることが多いかな。
言い換えると、「土」と「土壌」で
意味が大きく変わるわけではない
ということだね。
pino
なるほどね。
土はどうやってできる?
marcy
では次。
土壌は、どうやってできるでしょう?
ざっくり言っちゃうと。
pino
テキストで読んだよコレ(笑)
…母岩が風化されて…できる。
marcy
おぉ正解!
pino
イエーイ!
ちょっと不安だった。
marcy
土壌のでき方をざっくり言っちゃうと、
岩石が風化してできる。
テキストでは、この流れが
もう少し詳しく載っているので、
見ていきます。
pino
うんうん。
marcy
まずステップ1として、
ベースになる岩石の表面が
風化するということが始まる。
これは、熱とか、気温の変化とか、
雨とか風とかの影響。
これによって岩石が削られて、
小さな粒になっていく。
この小さな粒は、
壊れた場所で堆積する場合もあるし、
水や風によって離れた場所に
運ばれることもある。
日本とかだと、
火山の噴火によって噴出したものが
積もるという場合もある。
これも、土壌の素という扱い。
また、この粒の移動によって、
さらに小さな粒になることも起こる。
だからはじまりは、
大きい岩が小さくなることだね。
pino
うん。
marcy
そして、この母岩から
小さな粒(砂)ができるという流れを、
風化・堆積作用と呼ぶ。
pino
ふーん。
marcy
ステップ2はどうなると思う?
何が起こるでしょう?
pino
ん~風化して…
marcy
僕らは小さな粒だけを見ても、
土とは思わないじゃん?
粒になったあと、何が起こって土になるでしょう。
pino
分解されていく…?
marcy
そうそう。分解される。
少し言い方を変えると、
小さな粒(砂)から
無機物が水に溶けだしていく。
これが化学反応を起こして、
粘土鉱物というものができる。
pino
あー粘土ね。
marcy
僕らがイメージする「粘土」の主成分が、
粘土鉱物と言われる物質。
pino
砂から粘土になる。
marcy
砂は岩が細かくなっただけだけど、
そこに含まれる成分が
化学反応を起こしてできるのが粘土鉱物。
これに加えて、
この物質たちの上に何かが乗っかるんだけど。
pino
微生物?
marcy
そうそう。粘土鉱物ができて、
この上に微生物や植物が生息し始める。
するとこの生物たちの遺体が分解・変質して
「腐植」と呼ばれる「土壌有機物」が
溜まっていく。
このような流れで、
砂から粘土鉱物ができて、
土壌有機物がたまるのがステップ2。
これを「土壌化がはじまる」と呼んだりもする。
pino
うん。
marcy
ステップ3としては、
この反応がどんどん進んで、
土壌の層が分かれてくるということが起こる。
砂の粒子、粘土鉱物、溶けだした無機物、
土壌有機物(腐植)が増えて、
どんどん層に分かれてくる。
団粒構造もこの過程でてきてくる。
このように層に分かれたものが、
僕らが一般的に「土」と認識しているもの。
テキストでは、
この層を3つ(A層・B層・C層)に分類している。
pino
うんうん。
marcy
試験的には、
どの層にどんな物質が多いですか?という
問題が出ている。
A層がいちばん表面部分なんだけど、
ではA層には何が多いでしょう?
何が積もっているでしょう。
pino
有機物?
marcy
正解!有機物の集積層が、A層。
これがいわゆる「作土」と呼ばれる部分なので、
野菜などを植えるために掘る部分。
そしてこの下にあるのが、B層。
これはA層から溶け出した物質や、
粘土、鉄の化合物などが集積している。
pino
無機物が多いのね。
marcy
そうだね。
一般的には心土と呼ばれる部分で
ふつうの作物栽培では、
耕したりしない部分だね。
C層は、もとになる母岩や、
母岩が砕けたものがあるところ。
以上が、
土壌の構造として説明されている。
具体的な過去問としては、
「腐植と粘土は、それぞれ
どの層に多いでしょう?」
というのが出ていた。
pino
腐植はA層に多くて、
粘土はB層に多い。
marcy
そう、正解!
そんな問題が出題されています。
pino
なるほど。
marcy
土壌ができる流れは、こんな感じ。
つまり、材料になる母岩の種類や、
気温や雨の量、植物の種類が関係するので、
環境によって、さまざまな土壌の種類ができる。
なので次回は、
土壌の種類について見ていこうと思います。
pino
はい。たのしみ!
おまけトーク
ぴ
ちょっと話は変わるんだけど。
水とかって循環してるじゃん?
雨が降って海に流れて、蒸発して
また雨が降って。
でも土は減っていく一方というのを
読んだことがあって。
ま
そうか、風化してるってことは母岩が必要だし。
母岩って隆起とかで地上に出てきたものだから
たしかに、僕らが生きているスパンで考えると、
減る一方だね。頻繁に隆起して新しい山とかできないものね。
ぴ
おもしろいね。
ま
今ある土も、でき方は今日見た通りだけど、
できる年月を考えると、すごい長いよね。
母岩の風化から土ができるまでを、
一生じぁみれないよね。
ぴ
もう土として出来上がったものの
改良とかはできるけど、
土ができあがるところを見るって、ないね。
ま
すごいね。
だから僕らは土ってあるものと
思っているのかもね。
変化が見れないから。
もともとあるものという認識になる。
ぴ
見てみたくない?
これ、最近できた土だ!とか(笑)
ま
最近ってどの程度の最近よ(笑)
土の感覚で1000年前にできたとこだよ
って言われても
ぴ
ぜんぜん最近じゃない(笑)
それ見れたら面白いなって思うけど。
そんな変化が見れないくらい、
長い年月がかかっているんだね。
ま
その通りだと思う。
動かないものってイメージがあるけど、
ほんとは少しずつ変わってるんだよね。
ぴ
自然のチカラってすごいね。
ま
長い年月で考えるとおもしろいなぁ。