[2級過去問解説]は、土壌医検定2級の過去問(2018-2020年度)を解説しています。本来の問題は4択ですが、1問ずつバラして書いています。
1.土壌・施肥管理
答え
× 土壌のA層は、B層と比べて腐植は多いが、粘土含量は少ない。
土壌は、母岩とその崩壊物、粘土、鉄化合物、腐植などからできている。この生成は、岩石(母岩)の風化から始まり、母材の移動・蓄積(岩石から砂へ)→ 土壌化の開始(粘土鉱物の生成、植物遺体の分解・腐植化)→ 土壌化の進行(団粒構造の形成)・土壌層の分化と進む。
最終的にできる土壌層は、大きく3つに分類され、地表面からA層・B層・C層と呼ぶ。A層は腐植、B層は粘土や鉄化合物、C層は母岩や母岩の崩壊物が多く含まれる。
答え
〇 日本の農耕地土壌で、分布割合が最も大きいのは、灰色低地土である。
土壌は、母材・体積様式・性状などによって、さまざまな群に分類される。
・分布場所からの視点(高地から)
『山地』褐色森林土
『低山・丘陵地・台地』赤色土、黄色土、黒ボク土
『低地』褐色低地土、灰色低地土、グライ土
『その他』泥炭土
・分布割合からの視点(多いものから)
1.灰色低地土
2.黒ボク土
3.グライ土
4.褐色森林土
5.褐色低地土
6.黄色土
(7.多湿黒ボク土)
灰色低地土は平野部に多く分布し、水田として利用されることが多い。
答え
〇 褐色低地土.灰色低地土.グライ土の中で、最も地下水位が高いのはグライ土である。
地下水位とは、地下水(地層の中を流れる水)までの深さを表す。
地下水位は場所によって違い、水位が高いとより地表面に違いところが水で満たされる。また、地層が水で満たされると、酸素が不足して還元状態となる。(グライ化作用)
すると土壌の褐色は、青灰色〜緑灰色に変化する。(グライ層という)(褐色の素である酸化鉄が、還元鉄に変わるため。)
褐色低地土.灰色低地土.グライ土は、いずれも低地に分布する土壌であるが、それぞれ地下水位が異なる。
(↑高い)
グライ土
灰色低地土
褐色低地土
(↓低い)
・グライ層をもつグライ土が最も高い(より水びたし)
・褐色低地土は、水位が低くて還元状態になっていないから褐色のまま
とイメージできる。
答え
〇 黒ボク土は、関東以北や九州の、台地や丘陵地に多く分布する。
黒ボク土は、火山灰土であり、表層の腐植含量が高い・土層が深くやわらかい・地下水位が低いという特徴がある。
分布場所としては台地や丘陵地に多く、とくに北海道・東北・関東・九州に多い。(比較的、西日本には少ない)
答え
× 黒ボク土は、関東以北や九州の台地や丘陵地に多く分布する。(特に、火山の東側にある台地の緩傾斜地)
黒ボク土の分布は、北海道・東北・関東・九州に多い。(比較的、西日本には少ない)
また、火山灰土であり、表層の腐植含量が高い・土層が深くやわらかい・地下水位が低いという特徴がある。(物理性に優れている)
ただし、リン酸を強く固定する力(リン酸吸収係数)が強く、作物はリン酸欠乏に陥りやすい。
答え
〇 赤色土や黄色土は、西南日本の低山〜段丘にかけて分布する。カリウムやカルシウムなどが溶脱し酸性化しているので、作物栽培に適したpHに改善することが必要である。
赤色土や黄色土(赤黄色土)は、主に西南日本の低山〜段丘や、南西諸島一帯にかけて分布する。
*段丘 — 川.湖.海などに面している、表面が平らで急崖をもつ階段状の地形
一般的な特徴として、有機物含量が低い・粘土含量が高い・ち密で透水性が悪い・保水力が低く多雨時に湿害、乾燥時に干害を受けやすい、などが挙げられる。
化学性で見ると、塩基溶脱作用を受けているため、交換性塩基に乏い。(塩基飽和度が低い)
*溶脱 — 土壌に含まれる成分が、降水や灌漑の水に伴って下方に移動すること。
そのため、pHは4.5~5.5(強酸性)を示す。有機物の補給、pHの改善、排水対策などが必要となる。
答え
× 褐色低地土は、低地の土壌の中では地下水位が低く、野菜畑や果樹園として利用されている。
褐色低地土は、主に河川周辺に分布する土壌であり、なかでも排水が良好な場所に出現する。水位が低く、酸化状態である(還元状態になっていない)ため、褐色を示す。
地下水位とは、地下水(地層の中を流れる水)までの深さを表す。
地下水位は場所によって違い、水位が高いとより地表面に違いところが水で満たされる。また、地層が水で満たされると、酸素が不足して還元状態となる。すると土壌の褐色は、青灰色〜緑灰色に変化する。(褐色の素である酸化鉄が、還元鉄に変わるため。)
低地に分布する土壌には、褐色低地土.灰色低地土.グライ土などがあり、それぞれ地下水位が異なる。
(↑高い)
グライ土
灰色低地土
褐色低地土
(↓低い)
地下水位が低い褐色低地土は、野菜畑や果樹園として利用され、
地下水位が高いグライ土や灰色低地土は、水田としての利用が多い。
答え
× 灰色低地土は、排水がやや不良な扇状地や平野部に分布する土壌である。水田利用が多く、全国の水田土壌面積割合では、グライ土よりも高い。
灰色低地土は、扇状地や平野部に分布する。排水はやや不良であり、多くが水田として利用される。畑として利用するためには排水対策が必要となる。
比較的、地下水位が高く(グライ土よりは低く、褐色低地土よりは高い)、還元状態となり灰色になっている。
わが国の水田は、灰色低地土(約37%)が最も多く、次いでグライ土(約31%)となっている。
答え
× 畑土壌中の交換性マグネシウムは、全国で8割程度が不足となっている。
普通畑の現状として、次のような特徴が挙げられる。
・堆肥などの有機物施肥量は、減少傾向(1.6t/10a)
・有効態リン酸は、蓄積傾向(75mg/100gを超えている)
・交換性カルシウムは、6割の圃場で過剰
・交換性マグネシウムは、8割の圃場で不足
カルシウムの過剰とマグネシウムの不足は、水田・普通畑で共通の傾向である。
答え
× 水田に投入される堆肥は、減少傾向にある。
水田における堆肥施用量は、農業労働力の減少・高齢化、堆肥のコスト増加・確保困難などの理由から減少している。
目安:100kg/10a(0.1t/10a)
答え
〇 水田における稲わら鋤き込み量は、横ばい傾向にある。また、堆肥の施用量は、減少傾向にある。
収穫後の水田に稲わら残渣を鋤き込む量は、増加傾向のあと、現在横ばい状態にある。
目安:350kg/10a
また、堆肥施用量は、農業労働力の減少・高齢化、堆肥のコスト増加・確保困難などの理由から減少している。
目安:100kg/10a(0.1t/10a)
答え
× 果樹園は、草生栽培が普及していることで、指針の有機物含量の目標を超えている。
草生栽培とは、樹園地の土壌に草を生やして覆い、それを利用しながら生産を行なう管理法である。(これに対して、草を生やさない栽培法を清耕栽培(裸地栽培)という)
生やした草が腐敗分解することで、土壌有機物の供給源となる。
答え
交換性マグネシウム
水田では約7割、普通畑では約8割、果樹園では約7割の圃場で不足とされている。
答え
〇 露地野菜の栽培土壌(非黒ボク土)の有効態リン酸含量は、地方増進基本指針の上限値(75mg/100g)を超えている場合が多い。
畑土壌の有効態リン酸は、蓄積傾向にある。とくに、施設栽培圃場において多くなっている。
答え
× 畑土壌中の交換性マグネシウム含量は、全国で8割程度が不足となっている。(6割程度の過剰は、カルシウム。)
普通畑の現状として、次のような特徴が挙げられる。
・堆肥などの有機物施肥量は、減少傾向(1.6t/10a)
・有効態リン酸は、蓄積傾向(75mg/100gを超えている)
・交換性カルシウムは、6割の圃場で過剰
・交換性マグネシウムは、8割の圃場で不足
カルシウムの過剰とマグネシウムの不足は、水田・普通畑で共通の傾向である。
答え
× 露地野菜の栽培土壌は、交換性カルシウム含量が過剰な場合が多い。
普通畑の現状として、次のような特徴が挙げられる。
・堆肥などの有機物施肥量は、減少傾向(1.6t/10a)
・有効態リン酸は、蓄積傾向(75mg/100gを超えている)
・交換性カルシウムは、6割の圃場で過剰
・交換性マグネシウムは、8割の圃場で不足
カルシウムの過剰とマグネシウムの不足は、水田・普通畑で共通の傾向である。
答え
× リン酸を吸着しやすい黒ボク土の施設栽培土壌では、有効態リン酸含量が過剰な場合が多い。
黒ボク土は火山灰土であり、表層の腐植含量が高い・土層が深くやわらかい・地下水位が低いという特徴がある。リン酸吸収係数は他の土壌より高く、リン酸を固定しやすい。
また、畑土壌の有効態リン酸含量は、全体として蓄積傾向にある。とくに、施設栽培の圃場において蓄積している。
答え
× 土壌診断に必要な土壌診断基準は、都道府県が設定している。
土壌診断基準は、作物の種類や土壌条件を考慮して、土壌分析結果(化学性や物理性)を評価するための基準である。
これは、国の地力増進基本指針を基にして、各都道府県が作成している。
答え
× 土壌診断点数は微増、土壌診断に基づく処方箋作成件数は減少している。
土壌診断の現状(農林水産省)
・土壌診断点数は微増
・土壌診断に基づく処方箋作成件数は減少
・処方箋作成における、農業改良普及センターや試験場の比率は減少
答え
× 土壌診断に基づく処方箋作成は、都道府県の公的機関の比重が低下している。
土壌診断の現状(農林水産省)
・土壌診断点数は微増
・土壌診断に基づく処方箋作成件数は減少
・処方箋作成における、農業改良普及センターや試験場の比率は減少
答え
〇 土壌診断基準策定のよりどころは、国の地力増進基本指針である。
土壌診断基準は、作物の種類や土壌条件を考慮して、土壌分析結果(化学性や物理性)を評価するための基準である。
これは、国の地力増進基本指針を基にして、各都道府県が作成している。
答え
× 水田の作土深が浅くなると、水稲の品質や収量の低下、高温障害の発生に関係する。
ここでの作土深とは、水田の地表面からすき床(耕盤)までの深さのこと。水稲の根が広がるためには一定の広さが必要であり、一般的には15~20cm必要とされる。これが浅いと、根の張りも浅くなり、地温上昇による高温障害を受けやすいとされる。
高温障害によって、白未熟粒・胴割れ米の発生が多くなり、品質低下につながっている。
答え
〇 作物生育を阻害する土壌環境の問題点を明確にする土壌診断には、化学性・物理性・生物性に関するものがある。
土壌診断には、化学性診断(pH・養分など)、物理性診断(土の硬さ・孔隙率など)、生物性診断(糸状菌の密度・B/F値など)の3つがある。
また、診断の目的は、「予防診断」(生育障害を未然に防止するリスク回避)と、「対策診断」(生育障害の発生要因を特定して対策する)がある。
答え
× 土壌のち密化、排水不良等の悪化は、作物生育の阻害や、土壌病原微生物蔓延の要因となる。
土壌の生物性には、化学性や物理性も関わる。
物理性が関連する例として、ち密化・排水不良により、「多湿を好む病原菌の増殖」がある。野菜の疫病や苗立枯病、青枯病などは、糸状菌や最近が水中を動き回ることで感染が広がる。
答え
× 養分バランスの崩れなどが問題となっていることから、化学性診断が最も広く実施されている。
土壌診断には、化学性診断(pH・養分など)、物理性診断(土の硬さ・孔隙率など)、生物性診断(糸状菌の密度・B/F値など)の3つがある。
また、診断の目的は、「予防診断」(生育障害を未然に防止するリスク回避)と、「対策診断」(生育障害の発生要因を特定して対策する)がある。
現在は、養分バランスの崩れなどが問題となっていることから、化学性診断が最も広く実施されている。(そしてこの多くは、予防診断である。)
また、生物性診断では、微生物相のバランスを見る「予防診断」と、病害やセンチュウ害の特定を行う「対策診断」が両方行われることが多い。
2.化学性診断-1
答え
〇 酸素は、植物体内のデンプン、脂肪、タンパク質、線維などを構成する主要元素である。また、水や炭酸ガスの構成要素でもある。
植物の生育に必要な元素のうち、比較的多量に必要とするものを多量必要元素(主要元素)と呼ぶ。
9種類のうち、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)は、大気中の酸素(O2)・二酸化炭素(CO2)、土壌中の水(H2O)から供給される。そのため、一般的に肥料養分としては考えない。
また、作物体内では、有機化合物である炭水化物(デンプン・食物繊維)、たんぱく質、脂質などの構成成分として働く。
答え
× 硫黄は、タンパク質・アミノ酸などの生理上重要な化合物の構成元素である(炭水化物や脂質の構成元素ではない)。植物体内の酸化還元、および生長の調節などの生理作用に関与している。
硫黄(S)は、多量必要元素の1つである。タンパク質・アミノ酸、一部のビタミンなどの生理上重要な化合物の構成元素であるが、炭水化物や脂質の構成元素ではない。(ただし、炭水化物代謝や葉緑素の生成には間接的に関与する)
植物体内では、酸化還元反応や、生長の調節などの生理作用に関与している。また、タマネギやニンニクの香り成分にも含まれる。
答え
× マグネシウムは、葉緑体の形成に関与する。また、酵素の構成元素であり、炭水化物代謝やリン酸代謝に関係する多くの酵素を活性化する。
マグネシウムは、多量必要元素の1つである。
【マグネシウムの特徴】
・葉緑体(クロロフィル)の構成要素で、光合成に関与する。
・酵素の構成元素であり、炭水化物代謝やリン酸代謝に関係する。
対してカルシウムは、細胞膜の生成や強化に関係している。
答え
× リンは、植物の生長、分げつ、根の伸長、開花および結実に関与している。ただし、作物の生育および収量に最も大きな影響を与える元素は、窒素である。
リンは、多量必要元素の1つである。
【リンの特徴】
・核酸やリン脂質の構成元素
・植物の生長、分げつ、根の伸長、開花、結実に関与
・成長部位での要求が大きく、植物体内を移行しやすい
・過剰症は比較的少ない
窒素は、主にたんぱく質の構成成分として働き、作物の生育・収量に最も影響する。
答え
〇 CECや保水力は、土壌の化学的緩衝能に大きく影響を及ぼす。
緩衝能とは、土壌がもつ環境変化を和らげるための能力である。
物理的・化学的・生物的の3つがあり、「化学的緩衝能」は、養分量やpHなどの急激な変化を抑える性質である。
CEC(陽イオン交換容量)は、土壌粒子が陽イオンを吸着できる最大量を指す。CECが高ければ、それだけたくさんの養分を保持できることを表す。
また、保水力は、土壌が水分を保持する力のことである。小さいと、土壌が乾燥しやすくなる。
つまり、CEC(養分を受け入れる器の大きさ)や保水力(土壌に蓄えられる水分の量)は、土壌の養分濃度や、pH(土壌水分の酸性・アルカリ性の性質)の変化を和らげるクッションとして働く。
答え
× CECが大きい土壌は、土壌の酸性改良のために多くの資材が必要となる。
CEC(陽イオン交換容量)は、土壌粒子が陽イオンを吸着できる最大量を指す。CECが高ければ、それだけたくさんの養分を保持できることを表す。
また、土壌の酸性化(pHの低下)は、土壌溶液中の水素イオン濃度が高くなった状態である。作物にとって適正な範囲を外れると、作物の育成や養分の吸収、微生物の活性に影響がでる。
土壌のpHが低い場合は、石灰質肥料を施用して改善する。(生石灰・消石灰・苦土石灰・炭酸石灰など)
このときの必要量は、土壌の種類や腐植量によって異なる。CECが大きい場合は、土壌が吸着する養分が多い(緩衝能が高い)ので、たくさんの石灰質資材が必要となる。
(つまり、CECが大きい土壌の酸性改良は「容易」とはいえない。)
答え
〇 CECは、保肥力の目安となる指標で、施肥量や施肥方法などを判断する上で重要である。
陽イオン交換容量(CEC/(Cation Exchange Capacity/カチオン エクスチェンジ キャパシティ)とは、土壌粒子が陽イオンを吸着できる最大量を指す。
土壌粒子(粘土鉱物や腐植)は、通常マイナスの電気を帯びている。そのため、陽イオン(プラスの電気)を引きつける力がある。土壌に必要な養分の中で、アンモニア(窒素)・カリウム・カルシウム・マグネシウムは陽イオンになるため、マイナスの電気を帯びた土に吸着される。
よって、CECが高ければ、それだけたくさんの養分を保持できることを表す。
また、土壌のCECの大きさによって、根の濃度障害のリスクが変わるため、「一回の施肥量を少なくして追肥を行う」「緩効性肥料を用いる」などを選択する。
答え
〇 CECが小さい土壌に化成肥料を施肥する場合、一回の施肥量を少なくし、追肥で補給する。
CECは、土壌の保肥力の目安となる指標であり、大きさによって、根の濃度障害のリスクが変わる。CECが小さい場合は、土壌の養分保持力が少ないため、根が濃度障害を受けやすい。よって、一回の施肥量を少なくし、追肥で補給するようにする。
答え
× CECの大きさには、腐植含量や粘土含量が影響する。
陽イオン交換容量(CEC)は、土壌粒子が陽イオンを吸着できる最大量を指す。
土壌粒子(粘土鉱物や腐植)は、通常マイナスの電気を帯びている。そのため、陽イオン(プラスの電気)を引きつける力がある。
粘土鉱物は、粘土を構成する微細な粒子のことである。(砂や火山灰から流れ出た無機物から生成される)
対して腐植(腐植物質)は、動植物の遺体を微生物が分解する事でできる、黒色の土壌有機物である。腐植は陽イオン(カルシウム・マグネシウム・カリウム)を維持する力が強く、保肥力を高める。
よってCECには、両方ともが影響する。
答え
〇 CECが大きいと、肥料成分をコントロールすることがむずかしい。
CECが大きいということは、土壌粒子が吸着できる陽イオン(養分)が多い。そのため、急激な土壌溶液濃度の上昇が起こりにくく、根の濃度障害が起こりにくい。
ただし、水稲などで「収穫期に養分が切れるようにしたい」などの場合は、保肥力が大きい分、コントロールがむずかしい。
答え
× CECが大きい土壌では、根が濃度障害を受けにくい。
CECは、土壌の保肥力の目安となる指標であり、大きさによって、根の濃度障害のリスクが変わる。
CECが小さい場合は、土壌の養分保持力が少ないため、根が濃度障害を受けやすい。よって、一回の施肥量を少なくし、追肥で補給するようにする。
対して大きい場合は、たくさんの養分を保持できるので、塩類濃度の急激な上昇を予防でき、根は濃度障害を受けにくいといえる。
答え
× 褐色低地土のリン酸吸収係数の平均値は、700以下である。
土壌に含まれるアルミニウムや鉄が、リン酸と結合すると、作物はリン酸を吸収できなくなる。(リン酸が固定される)
この程度は、腐植の割合やpHによって変動するが、土壌の種類も影響する。そしてこのチカラを、「リン酸吸収係数」として表す。
リン酸吸収係数は、土壌がリン酸を吸着・固定する能力であり、乾土100gが吸収固定するリン酸の量(mg)で表される。(通常は単位をつけないことが多い)
目安は「1200」で、火山灰土は1,500以上、非火山灰土は500~1,000程度であることが多い。1,000以下の土壌では、あまり問題にならないが、1,500以上だと土壌改良が必要となる。
非火山灰土の褐色低地土・砂丘未熟土は「700以下」。灰色低地土・黄色土・グライ土は「700~900」。火山灰土の黒ボク土は「1,500以上」ある。
答え
× 土壌のリン酸吸収係数に影響を与える要因で大きいものは、pHと土壌腐植である。
施肥されたリン酸の多くは、土壌中のアルミニウムや鉄などと結合する。(結合すると難溶性のリン酸となり、作物に吸収されにくくなる)
pHが低いと、土壌中の活性アルミニウムの溶出が多くなる。そのため、リン酸の固定力が強くなる。
また、腐植はその表面にある鉄やアルミニウムが、リン酸を吸着する。(変異荷電によってもたらされ、特異吸着と呼ばれる)よって腐植が多いと、リン酸の固定力が強くなる。
答え
〇 土壌のリン酸吸収係数は、土壌によるリン酸の固定割合を示す指標であり、リン酸の肥効や施肥設計の目安に用いられる。
リン酸吸収係数は、土壌がリン酸を吸着・固定する能力である。
(土壌に含まれるアルミニウムや鉄が、リン酸と結合すると、作物はリン酸を吸収できなくなる。)
この程度は、土壌の種類によって大きく異なる。そのため、その土壌でのリン酸の肥効や施肥設計を決める上で、重要な指標となる。
答え
× 土壌の種類別リン酸吸収係数の平均値は、同じ土壌の場合、水田も畑もだいたい同じである。
リン酸吸収係数は、土壌の種類によって大きく異なる。ただし、同じ土壌であれば、畑であっても水田であっても、あまり変わらない。
【主な土壌のリン酸吸収係数(目安)】
・黒ボク土 (畑.1589/水田.1531)
・黄色土 (畑.770/水田.786)
・褐色低地土(畑.679/水田.714)
答え
〇 リン酸吸収係数は、土壌100gが吸着固定するリン酸の量をmgで表したものである。通常、表示する際にmgの単位はつけない。
リン酸吸収係数は、土壌がリン酸を吸着・固定する能力であり、乾土100gが吸収固定するリン酸の量(mg)で表される。
目安は「1200」で、火山灰土は1,500以上、非火山灰土は500~1,000程度であることが多い。1,000以下の土壌では、あまり問題にならないが、1,500以上だと土壌改良が必要となる。
一般的には、1桁目を四捨五入した値で表し、単位をつけないことが多い。
答え
〇 灰色低地土、黄色土、グライ土などのリン酸吸収係数は、700~900程度である。
【リン酸吸収係数の目安】
「700以下」褐色低地土・砂丘未熟土
「700~900」灰色低地土・黄色土・グライ土
「1,500以上」黒ボク土
答え
× 黒ボク土は、アロフェンと呼ばれる粘土鉱物で構成されている。また、リン酸吸収係数は1,500以上である。
黒ボク土は、火山灰土であり、表層の腐植含量が高い・土層が深くやわらかい・地下水位が低いという特徴がある。
アロフェンは、非常に小さな粘土鉱物(直径4〜5nm/中空状の構造)であり、火山灰の風化によって生成される。物理性(保水性や排水性)に優れており、黒ボク土の主要粘土鉱物とされる。(アロフェンを含まない黒ボク土も存在する)
また、アロフェンはリン酸などを吸着するチカラが強いため、黒ボク土のリン酸吸収係数は、他の土壌より高い。(1,500以上)
答え
× 多腐植質黒ボク土の腐植含量は、10%以上と定義されている。また、淡色黒ボク土は、5%以下と定義されている。
黒ボク土は、表層の腐植集積程度によって、いくつかに分類される。
【黒ボク土の腐植分類】
・多腐植質
腐植層の腐植含量が10%以上
・腐植質
腐植層の腐植含量が5~10%
・淡色
腐植層の腐植含量が5%未満、もしくは腐植層がほとんど無い
答え
〇 土壌の腐植含量は、有機態炭素含量に係数1.72を乗じて算出される。
腐植は、土壌中に存在する有機物のうち、無定形の褐色または黒色の有機物をいう。(明確な形が残る新鮮な動植物遺体(粗大有機物)を除く)
腐植の含量は、土壌有機物含量とほぼ比例する。そしてこの推定には、[有機態炭素含量×1.72]が用いられる。
答え
〇 腐植は、土壌中に存在する有機物のうち、無定形の褐色または黒色の有機物をいう。(明確な形が残る新鮮な動植物遺体(粗大有機物)を除く)
腐植は、動植物の遺体を微生物が分解する事でできる。黒色や褐色の土壌有機物であり、土壌中では、単独で存在するものもあるが、多くは粘土粒子などと有機・無機複合体を形成している。
腐植には、作物に供給する養分の貯蔵庫・団粒構造の形成・陽イオン交換容量(CEC)の上昇による保肥力の増加などの役割がある。
答え
〇 土壌の腐植含量は、土壌の種類によって異なる。畑土壌の場合、黄色土より褐色森林土の方が多い。
腐植を多く含む土壌は、比重が軽い・膨軟・色が黒いなどの特徴がある。
土壌の種類でみると、黒ボク土や褐色森林土に多く、黄色土や赤色土は少ない。
答え
× ジャガイモは、土壌病害の抑制のため、土壌pH5.0程度に設定している産地が多い。
ジャガイモで問題となる病害に、そうか病(瘡痂病)がある。これは表皮にかさぶたのような病斑がみられる病気であり、細菌(ストレプトマイセス属菌)が原因となる。
pHが6.5以上の中性~アルカリ性に傾いていると、発生しやすい。そのため、酸性域(pH5.0前後)にして発生を減らす、という対策がとられている。
*そうか病は、病変部分を除けば食べられるが、見た目が悪くなるので、市場価値が下がる。
答え
〇 ジャガイモやサツマイモは、加里(カリウム)質肥料を一定以上に増加させると、デンプン含量が低下する傾向にある。そのため、カリウム過剰とならないような目標値が定められている。
カリウムは、光合成を促進し、デンプンの蓄積を増加させる働きや、ショ糖の転流を促進する働きがある。そのため、ジャガイモやサツマイモに対する肥大効果が大きい。
ジャガイモでは、土壌中の交換性カリウムが10~20mg/100g
サツマイもでは、土壌中の交換性カリウムが37~50mg/100g
が適当とされる。
しかしこれを超えると、逆にデンプン含量が低下する傾向になる。
答え
〇 塩安(塩化アンモニウム)などの塩素系の肥料は、ジャガイモのデンプン転流を抑制することから、デンプン価が低下する。
カリウム施肥量が同じであっても、硫酸加里と塩化加里では、塩化加里の方が収量とデンプン価が低下することが確認されている。これは、塩素系の肥料が、ジャガイモのデンプン転流を抑制するためである。
よって塩安(塩化アンモニウム)の場合も、デンプン価が低下すると考えられる。
答え
〇 ジャガイモは、窒素が多いとデンプン価が低下し、うまみ成分が低下する。また、変形イモが増加する傾向がある。
【じゃがいもと窒素の関係】
・窒素肥料が多くなると、収量は増加するがデンプン価は低下する
・さらに窒素肥料が過剰になると、収量や品質も低下する
(変形イモも増加する)
・窒素肥料が多くなると、グルタミン酸(うま味成分)が減少する
このような特徴があるため、窒素の施肥量は、デンプン価と収量が最大となる点に合わせることが望ましい。
答え
× バレイショの好適なpHは、弱酸性(5.5前後)であり、中性からアルカリ性になると、そうか病の発生が著しくなる。
バレイショ(ジャガイモ)で問題となる病害に、そうか病(瘡痂病)がある。これは表皮にかさぶたのような病斑がみられる病気であり、細菌(ストレプトマイセス属菌)が原因となる。
pHが6.5以上の中性~アルカリ性に傾いていると、発生しやすい。そのため、酸性域(pH5.0前後)にして発生を減らす、という対策がとられている。
*そうか病は、病変部分を除けば食べられるが、見た目が悪くなるので、市場価値が下がる。
答え
〇 果樹や花きの多くは、pHが6.0~6.5の範囲を好適とするものが多く、pH5.5以下の酸性域を好適とするものは少ない。
pHの適正値は、作物の種類によって異なる。
果樹・花きの場合、多くはpH6.0~6.5を好む。pH5.5以下の酸性域を好適とするものは少ないが、例外的にブルーベリー・茶・ラン・ツツジなどがある。
【花き】
観賞の用に供される植物。切り花、鉢もの、花木類、球根類など。
答え
× 主要な果菜類や豆類の好適土壌は、ほとんどがpH6.0以上に集中している。pH5.0前後を好適とする果菜類はない。
pHの適正値は、作物の種類によって異なる。
【主な果菜類・豆類の好適pH】
・6.0~7.0 エンドウ
・6.0~6.5 カボチャ、キュウリ、ナス、トマト、インゲン、エダマメ、アズキ等
・5.5~7.0 スイカ
・5.5~6.5 イチゴ
答え
× サツマイモ・ソバは、強~中酸性域を、ハクサイは、微酸性域を好適とする。
pHの適正値は、作物の種類によって異なる。
【好適pH】
・5.0~6.0 サツマイモ
・5.5~6.0 ソバ
・6.5程度 ハクサイ
*ここでの言葉の分類
「微酸性」pH 6.5~7.0
「弱酸性」pH 6.0~6.5
「中酸性」pH 5.5~6.0
「強酸性」pH 5.5未満
答え
× 窒素質肥料では、硫酸アンモニウムより塩化アンモニウムの方が、ECを高めやすい。
EC(電気伝導度)は、使用する肥料によって影響の受けやすさが異なる。
・有機質肥料より、無機質肥料の方が、ECを高めやすい
・硫酸塩よりも、塩化物の方が、ECを高めやすい
例えば窒素肥料では、硫酸アンモニウム(硫安)よりも、塩化アンモニウム(塩安)の方が、ECを高めやすい。これは、塩化物イオンが、他よりも水に溶けやすい性質による。
答え
〇 砂質土壌は、腐植質黒ボク土と比較すると、ECを高めやすい。
ECが高くなる濃度障害は、保肥力が低い土壌で起こりやすい、保肥力が高い土壌で起こりにくい、という特徴がある。
砂質土壌は保肥力が低いため、ECを高めやすく濃度障害を受けやすい。
腐植質黒ボク土は、腐植層の腐植含量が5~10%の土壌であり、保肥力が高い。そのため、ECは高くなりにくく濃度障害を受けにくい。
答え
× 堆肥や有機質肥料は、濃度障害を起こすリスクが低い。ただし、ECが高い圃場では、濃度障害を起こすことがある。
ECの高まりやすさは、肥料の種類によって異なる。同じ施用量であれば、堆肥や有機質肥料よりも、無機質肥料の方が高めやすい。また、無機質肥料の中でも、種類によって異なる。
対して堆肥や有機質肥料は、ECを高めにくいが、もともとECが高い圃場では、濃度障害を起こすことがある。
答え
× トマトは、耐塩性が強く、ECが高くても濃度障害が起こりにくい。対して、イチゴは耐塩性が弱く、ECが高いと濃度障害が起こりやすい作物とされている。
耐塩性の強さ(濃度障害の受けにくさ)は、作物によって差がある。
弱いもの(濃度障害を受けやすいもの)として、インゲンやイチゴ、強いもの(受けにくいもの)として、トマトやハクサイなどがある。
・耐塩性強い/EC1.5以上
トマト・ハクサイ・ダイコン・アスパラガス
・耐塩性弱い/EC0.4以下
イチゴ・インゲン・スイカ・ソラマメ
答え
× インゲンに比べてコムギは、塩類濃度障害を受けにくい。
耐塩性の強さ(濃度障害の受けにくさ)は、作物によって差がある。
弱いもの(濃度障害を受けやすいもの)として、インゲンやイチゴ、強いもの(受けにくいもの)として、トマトやハクサイなどがある。
・耐塩性強い/EC1.5以上
トマト・ハクサイ・ダイコン・アスパラガス
・耐塩性弱い/EC0.4以下
イチゴ・インゲン・スイカ・ソラマメ
イネやコムギの影響の受けやすさは、中程度(上記の間)とされる。
答え
× 窒素の施用量が同じ場合、塩化アンモニウムより硫酸アンモニウムの方が、ECを高めにくい。
EC(電気伝導度)は、使用する肥料によって影響の受けやすさが異なる。
・有機質肥料より、無機質肥料の方が、ECを高めやすい
・硫酸塩よりも、塩化物の方が、ECを高めやすい
例えば窒素肥料では、硫酸アンモニウム(硫安)よりも、塩化アンモニウム(塩安)の方が、ECを高めやすい。これは、塩化物イオンが、他よりも水に溶けやすい性質による。。
答え
〇 ECが高いと、硝酸化成菌の活性が下がり、アンモニア態窒素が蓄積して作物に生育障害を起こすことがある。
土壌中の窒素は、有機態窒素と無機態窒素に大別される。
また、無機態窒素には、アンモニア態窒素と硝酸態窒素がある。
畑土壌では、有機物が分解されてアンモニア態窒素ができる。そしてアンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、硝酸態窒素へと変わる。(畑土壌で育つ多くの作物は、硝酸態窒素を好む)
EC(塩類濃度)が高いと、硝酸化成菌の活性が低下する。(硝酸化成菌は、比較的低い塩類濃度を好む)
すると硝酸態窒素への変換が阻害され、アンモニア態窒素が蓄積し、作物に生育障害を起こすことがある。
答え
× ECは、硝酸イオンとの関係が深いので、土壌中の硝酸態窒素含量の推定に用いられることがある。
ECは、硝酸イオンとの関係が深く、硝酸イオンが高くなると、ECも高くなる傾向にある。そのため、硝酸態窒素含量の推定に用いられることがある。これは、硝酸イオン(NO₃⁻)がイオン化しやすく、土壌水溶液中での移動性が高いためと考えられる。
ただし、ハウス栽培で「硫酸イオン」を含む肥料を多く施用している場合は、こちらとの関係性が強く評価される場合があるので注意する。
答え
× 水稲は、タマネギやレタスに比べて耐塩性が強く、ECの適正範囲は0.8~1.5mS/cmである。
耐塩性の強さ(濃度障害の受けにくさ)は、作物によって差がある。
弱いもの(濃度障害を受けやすいもの)として、インゲンやイチゴ、
強いもの(濃度障害を受けにくいもの)として、トマトやハクサイなどがある。
・耐塩性強い/EC1.5以上
トマト・ハクサイ・ダイコン・アスパラガス
・耐塩性弱い/EC0.4以下
イチゴ・インゲン・スイカ・ソラマメ
イネやコムギの影響の受けやすさは、中程度(上記の間)とされ、ECの適正範囲は0.8~1.5mS/cm程度である。
答え
× モモは、ブドウに比べて耐塩性が弱く、ECの適正範囲は0.4~0.8mS/cmである。
果樹は、耐塩性が中程度のものと、やや弱いものの2つに大別される。
・中程度(適正0.8~1.5mS/cm)
ブドウ、イチジク、ザクロ、オリーブ
・やや弱い(適正0.4~0.8mS/cm)
モモ、りんご、ナシ、オレンジ、レモン、アンズ、プラム
モモは、ブドウよりも耐塩性が弱い。
答え
〇 イチゴは、耐塩性が弱く、ECの適正範囲は0.3~0.5mS/cmである。
耐塩性の強さ(濃度障害の受けにくさ)は、作物によって差がある。
弱いもの(濃度障害を受けやすいもの)として、インゲンやイチゴ、強いもの(受けにくいもの)として、トマトやハクサイなどがある。
・耐塩性強い/EC1.5以上
トマト・ハクサイ・ダイコン・アスパラガス
・耐塩性弱い/EC0.4以下
イチゴ・インゲン・スイカ・ソラマメ
答え
× キュウリは、ECが概ね1.0mS/cm以上で生育に影響が出るため、0.5~1.0mS/cm程度でコントロールするのが適当である。
キュウリは、(砂土を除いて)ECが1.0mS/cm以上で生育に影響が出る。
耐塩性は中程度であり、0.5~1.0mS/cmでコントロールする。
答え
〇 畑土壌のアンモニア態窒素含量は、一般に25mg/100g以上は過剰とされている。
土壌中の窒素は、有機態窒素と無機態窒素に大別される。
また、無機態窒素には、アンモニア態窒素と硝酸態窒素がある。
畑土壌では、有機物が分解されてアンモニア態窒素ができる。そしてアンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、硝酸態窒素へと変わる。
畑土壌で育つ多くの作物は、硝酸態窒素を好み、アンモニア態窒素が多くなると生育障害を起こす可能性がある。
そのため、生育障害を把握する項目として活用される。一般的には、25mg/100g以上が過剰とされている。
答え
〇 ホウレンソウの上物を得るには、収穫時の残存無機態窒素含量が、最低約5mg/100g必要である。
ホウレンソウは、生育途中で葉を収穫する。また、ホウレンソウの収量・品質に最も影響を与える養分は窒素である。
そのため、収穫時に葉の活性を維持させるためには、土壌に一定以上の窒素が残るようにする必要がある。具体的には、土壌中無機態窒素含量が(硝酸態窒素で)5~10mg/100g前後必要とされ、これを下回ると、葉の退色・黄化、生育の停滞が起こる。
答え
× 葉菜類では、窒素の過剰吸収に伴うカルシウム含有率の低下により、ハクサイ・セルリーの芯腐れ症、キャベツの縁腐れ症が起こる場合がある。
【窒素過剰症の特徴】
・アンモニア態窒素が過剰になると、養分吸収において拮抗作用が起こる
・アブラナ科は、カルシウム欠乏が発生しやすい
・ナス科は、カルシウム欠乏、マグネシウム欠乏が発生しやすい
・果菜類の過剰症として、トマトやナスの落蕾.落果、トマトの乱形果.茎の穴あき.スイカのつるぼけ.イチゴの花芽分化遅延
・葉菜類の過剰症として、カルシウム欠乏によるハクサイやセルリーの芯腐れ症、キャベツの縁腐れ症
・ハクサイの過剰症として、ごま症
*芯腐れ症
カルシウム欠乏によって、部分的な壊死が生じる
*縁腐れ症(チップバーン)
葉の縁や萼片(がくへん)の先端が、焼けたように褐変枯死する
カルシウム欠乏がいちばんの原因
答え
〇 ハクサイのゴマ症は、窒素過剰によって起こる場合がある。
ごま症は、結球葉の葉脈上に、ゴマ状の小斑点が生じるものである。主にハクサイに発生し、生育上の問題にはならないが、品質が低下する。結球期の気温が高く、降水量が多いときに発生しやすい。これは、窒素の過剰が発生を助長するとされる。
【窒素過剰症の特徴】
・アンモニア態窒素が過剰になると、養分吸収において拮抗作用が起こる
・アブラナ科は、カルシウム欠乏が発生しやすい
・ナス科は、カルシウム欠乏、マグネシウム欠乏が発生しやすい
・果菜類の過剰症として、トマトやナスの落蕾.落果、トマトの乱形果.茎の穴あき.スイカのつるぼけ.イチゴの花芽分化遅延
・葉菜類の過剰症として、カルシウム欠乏によるハクサイやセルリーの芯腐れ症、キャベツの縁腐れ症
・ハクサイの過剰症として、ごま症
答え
× 土壌中の窒素の大部分は、作物残渣や堆肥などの有機物に含まれる有機態窒素である。無機態窒素の量は少ない。
土壌中の窒素は、「有機態窒素」と「無機態窒素」に大別される。
無機態窒素には、「アンモニア態窒素」と「硝酸態窒素」がある。
畑土壌では、有機物が分解されてアンモニア態窒素ができる。そしてアンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、硝酸態窒素へと変わる。
ただし、無機態窒素の割合は少なく、ほとんどが有機態窒素である。(作物残渣・堆肥・有機肥料に含まれている)
また、有機態窒素の多くは難分解性であるが、一部の易分解性のものが微生物によって分解され、作物に利用されるようになる。
答え
〇 露地畑圃場における有機質肥料や尿素は、アンモニア態窒素に分解された後、速やかに硝酸態窒素になる。一般的には、アンモニア態窒素のままで土壌に留まることはない。
畑圃場における窒素源に、有機質肥料や尿素がある。
有機質肥料は、有機態窒素を経てアンモニア態窒素になり、尿素は尿素態窒素を経てアンモニア態窒素になる。
そして、アンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、硝酸態窒素へと変わる。
露地畑圃場では、この変化が速やかに進み、アンモニア態窒素のままで土壌に留まることはない。
ただし、施設栽培圃場では、アンモニア態窒素を含む肥料の多用により、アンモニア態窒素が蓄積することがある。(アンモニア態窒素が蓄積すると、亜硝酸ガスが発生し、作物に障害を与える)
答え
× 有機態窒素の多くは難分解性である。ただし、タンパク態窒素などは易分解性であり、土壌微生物によって分解され、無機態窒素に変化する。
土壌中の窒素は、「有機態窒素」と「無機態窒素」に大別される。
無機態窒素には、「アンモニア態窒素」と「硝酸態窒素」がある。
畑土壌では、有機物が分解されてアンモニア態窒素ができる。そしてアンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、硝酸態窒素へと変わる。
ただし、無機態窒素の割合は少なく、ほとんどが有機態窒素である。(作物残渣・堆肥・有機肥料に含まれている)
また、有機態窒素の多くは難分解性であるが、一部の易分解性のもの(タンパク態窒素など)が微生物によって分解され、作物に利用されるようになる。
答え
× 一部の易分解性の有機態窒素は、土壌中で速やかに無機化して有効化し、地力窒素として発現する。
土壌中の窒素は、「有機態窒素」と「無機態窒素」に大別される。
無機態窒素の割合は少なく、ほとんどが有機態窒素である。(作物残渣・堆肥・有機肥料に含まれている)
また、有機態窒素の多くは難分解性であるが、一部の易分解性のもの(タンパク態窒素など)が微生物によって分解され、作物に利用されるようになる。
答え
〇 畑作物は、土壌中にアンモニア態窒素が多いと、根の活性、光合成等が低下し、生育が阻害される。特にアブラナ科作物が、影響を受けやすい。
畑土壌で育つ多くの作物は、硝酸態窒素を好み、アンモニア態窒素が多くなると、根の活性、光合成等が低下するなどの生育障害を起こす可能性がある。
そのため、アンモニア態窒素は生育障害を把握する項目として活用される。(一般的には、25mg/100g以上が過剰とされる)
種類別の耐性としては、アブラナ科(ダイコン.キャベツ.ハクサイ.ブロッコリー)が最も影響を受けやすい。
次いで、ナス科(ナス.ピーマン.トマト.ジャガイモ)、ヒユ科(ホウレンソウ.フダンソウ)となっている。
答え
〇 畑作物の多くは、硝酸態窒素を好んで吸収する好硝酸性作物である。ただしレタスは、根におけるアンモニア態窒素の同化能力が高く、好アンモニア性作物である。
無機態窒素には、アンモニア態窒素と硝酸態窒素がある。
畑土壌では、有機物が分解されてアンモニア態窒素ができる。そしてアンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、硝酸態窒素へと変わる。
畑土壌で育つ多くの作物は、硝酸態窒素を好み、アンモニア態窒素が多くなると生育障害を起こす可能性がある。
ただしレタスは、根におけるアンモニア態窒素の同化能力が高く、好アンモニア性作物である。
答え
× ハクサイ、セルリーの芯腐れ症や、キャベツの縁腐れ症は、窒素の過剰吸収に伴うカルシウム含有率の低下で起こる。
窒素が多くなると、拮抗作用によりカルシウムやマグネシウムの吸収が低下する。
アブラナ科では、カルシウム欠乏症が起こりやすい。ナス科では、カルシウム欠乏症、マグネシウム欠症が起こりやすい。
また、葉菜類では、カルシウム欠乏によるハクサイやセルリーの芯腐れ症、キャベツの縁腐れ症が起こりやすい。
答え
〇 土壌中にアンモニア態窒素が過剰に存在すると、共存する他の塩基の吸収が抑制される。トマトでは、カルシウム欠乏が発生しやすい。
アンモニア態窒素は、プラスのイオンとなる物質である。そのため、過剰に存在すると、同じプラスイオンとなるカルシウムやマグネシウムと競合し、作物からの吸収が抑制される。
トマトでは、塩基類の中でカルシウムとの拮抗作用が最も大きく、カルシウム欠乏によって尻腐れ果が発生する。
答え
〇 黒ボク土は、リン酸を固定しやすいので、堆肥と一緒に施用するとよい。
黒ボク土は、最もリン酸を固定しやすい土壌である。(リン酸吸収係数1,500以上)
これは、活性アルミニウムを多く含んでいることによる。
答え
× 水田では、還元状態となるので、リン酸が可給態化する。
作物が利用可能な土壌中のリン酸を、有効態リン酸・可給態リン酸と呼ぶ。
一般的には、カルシウム型リン酸は作物に利用されやすいく、鉄型やアルミニウム型リン酸は利用されにくい。
水田では、水が溜まることにより土壌が還元状態となる。これにより、難溶性のリン酸第二鉄が、比較的溶出しやすいリン酸第一鉄に変化する。畑土壌と比べて、リン酸の含量が増えることになり、「水田ではリン酸が可給態化する」と言える。
答え
〇 作物の種類によって、生育に適した土壌中有効態リン酸含量が異なる。
作物の収量は、土壌中の有効態リン酸が10mg/100g以下で低くなる。リン酸が増加するにともなって、収量も増加する傾向にあるが、100mgを超えると、収量がやや低下する作物と、引き続き増加する作物とがある。また、300mgを超えると、過剰症が発生してくる。
適正な範囲は作物によって異なり、水稲であれば20mg程度までは収量が増加、タマネギやホウレンソウは80mg、レタスは100mgで収量が多い。また、ダイコンはリン酸量に影響を受けにくく、10~100mgの間ではあまり差がない。
答え
〇 リン酸は、窒素と比較して低温で根から吸収されにくい。
リン酸の吸収は、地温によって大きく左右されるという特徴がある。これは、吸収にはたくさんのエネルギーを使うが、土壌の温度が低いと根の活性が低下するためとされる。例えば、地温20℃から10℃に下がると、リン酸の吸収も1/10程度になる。
そのため、窒素やカリウム(他の肥料の三要素)と比較して、低温で吸収されにくいとされ、低温の地域や時期には、リン酸を多めに施用することが多い。
答え
× 土壌中のリン酸の多くは、交換態ではなく、カルシウム・アルミニウム・鉄と結合して保持される。
リン酸は、カリウムやカルシウムなどのような交換態ではなく、カルシウム・アルミニウム・鉄と結合した形態のものが多い。
また、作物が利用可能な土壌中のリン酸を、有効態リン酸・可給態リン酸と呼ぶ。
一般的には、カルシウム型リン酸は作物に利用されやすいく、鉄型やアルミニウム型リン酸は利用されにくい。
*交換態とは、イオンの状態で土壌に吸着されるなどして、容易に離れたり、他のイオンと交換されやすい(作物の根が吸収しやすい)状態を指す。
答え
× 土壌中のリン酸は、土壌pHが低い場合、鉄やアルミニウムと結合して難溶性となり、作物に吸収されにくい。
土壌中のリン酸は、カルシウム・アルミニウム・鉄と結合した形態のものが多い。
また、作物が利用可能な土壌中のリン酸を、有効態リン酸(可給態リン酸)と呼ぶ。
一般的に、カルシウム型リン酸は作物に利用されやすい有効態リン酸(可給態リン酸)である。
一方、鉄型やアルミニウム型リン酸は難溶性であり、作物に利用されにくい。
答え
〇 湛水下の水田では、還元状態になるため、畑地に比べて土壌中のリン酸は可給化されやすい。
作物が利用可能な土壌中のリン酸を、有効態リン酸(可給態リン酸)と呼ぶ。
一般的には、カルシウム型リン酸は作物に利用されやすいく、鉄型やアルミニウム型リン酸は利用されにくい。
水田では、水が溜まることにより土壌が還元状態となる。これにより、難溶性のリン酸第二鉄が、比較的溶出しやすいリン酸第一鉄に変化する。畑土壌と比べて、リン酸の含量が増えることになり、「水田ではリン酸が可給態化する」と言える。
答え
× 土壌中の有効態リン酸含量が高くなると、鉄の吸収が抑制される。
リンと鉄は、お互いに拮抗作用をもっている。そのため、片方が過剰になると、もう片方の吸収を妨げる。
答え
× カリウムは、作物体内で移動しやすい元素であるため、下位葉に欠乏症が現れる。
作物に含まれる元素には、作物体内を移動しやすいものと、移動しにくいものがある。(体内でどのように存在しているかで、特徴が異なる。)
移動しやすい元素としては、カリウムをはじめ、窒素、リン、マグネシウムなどがある。
移動しやすいということは、土壌からの供給が不足したとき、体内にあるものを新しい葉に供給できるので、欠乏症状は下葉(古い葉)に現れやすい。
答え
× カリウムは、過剰症が現れにくい。
カリウムは、必要量以上に吸収されるという特徴がある。(贅沢吸収と呼ぶ)
そのため、一般的には多く施肥しても、過剰症が起こりにくいとされる。ただし、マグネシウムとの拮抗作用によって、マグネシウム欠乏症であるクロロシスを誘発する場合がある。
また、「適正な濃度範囲が狭いため過剰症が現れやすく、施用量に注意が必要である」と説明されるのは、微量元素であるホウ素である。
答え
〇 サツマイモやジャガイモでは、カリウム過剰によって品質が低下することがあるので、施用量に注意が必要である。
・サツマイモの品質低下
カリウムは、サツマイモの肥大を促進する。ただし過剰になると、乾物率(乾燥させたときの重量)が低下する。また、生イモの交換性カリウム含量が高いと、デンプン含量が低下するという負の相関関係がある。また、形状不良のイモは、カリウムが過剰で地力が低い畑で多いとされる。
・ジャガイモの品質低下
カリウムが過剰になると、デンプン価が低下する。
答え
× 果樹や果菜類において、品質を高めるために、果実肥大期に加里施肥を行う。
カリウムは、果実の肥大に影響する。着果や果実肥大期に必要量(吸収量)が多くなるため、追肥が重要とされる。この時期に不足すると、障害果の発生が多くなる。
答え
× 水田土壌中の交換性カリウム含量が40mg/100g以上では、加里施肥施用による水稲の収量増加が期待できない。
水稲において、作付け前の土壌中交換性カリウム含量が低い場合、カリウム施肥によって収量が増加する。ただし、カリウム含量が高まるにつれて、収量増加指数の上昇は次第に小さくなる。40mg/100g以上の水田になると、収量の増加は期待できなくなる。
答え
〇 カリウム欠乏は、光合成能の低下として現れやすい。また、マメ類および果菜類は、カリウムの要求量が高いので、カリウム不足の影響を受けやすい。
カリウムは、光合成能を促進し、デンプンの蓄積を増加したり、ショ糖の転流を促進する。そのため、欠乏は光合成能の低下として現れやすい。
また、カリウム不足の影響は、野菜の種類によって異なる。一般的に果菜類・イモ類・マメ類は、要求量が高いため非常に影響を受けやすいとされる。(サツマイモ・ダイズ・インゲン・トマト・ナス・ジャガイモ)
反対に、葉菜類は要求量が低く、不足に耐えやすい。
答え
× カリウム欠乏は、トマトのすじ腐れ症などの発症を助長する。
トマトのすじ腐れ症は、維管束の周辺組織が褐変したり、果壁が硬化して白くなったりする。原因は、日照不足、窒素過剰、カリウム不足とされる。
トマトやピーマンの尻腐れ症は、カルシウム不足。ブロッコリーの花蕾黒変病は、カリウム過剰で発病が助長される。
答え
× カリウムは、体内で移動しやすく、欠乏症は旧葉(下位葉)に発生する。
作物に含まれる元素には、作物体内を移動しやすいものと、移動しにくいものがある。(体内でどのように存在しているかで、特徴が異なる。)
移動しやすい元素としては、カリウムをはじめ、窒素、リン、マグネシウムなどがある。
移動しやすいということは、土壌からの供給が不足したとき、体内にあるものを新しい葉に供給できるので、欠乏症状は下葉(古い葉)に現れやすい。
対して、移動しにくい元素として、カルシウムやマンガンがある。こちらは、欠乏した場合に生育の盛んな頂芽などに症状が出やすい。
答え
× 土壌中の交換性マグネシウムは、10mg/100g以下になると、多くの作物に欠乏症が発生する。
土壌中のマグネシウムは、土壌溶液に含まれる「水溶性マグネシウム」、粘土粒子などに保持されている「交換性マグネシウム(置換性マグネシウム)」、「有機物や鉱物に含まれるマグネシウム」に分類される。
植物が養分として使えるのは「水溶性マグネシウム」と「交換性マグネシウム」である。また、「水溶性マグネシウム」が減少すると、「交換性マグネシウム」が土壌溶液中に溶出する。
そんな「交換性マグネシウム」は、通常10mg/100g以下になると、作物に欠乏症が発生しやすいとされる。また、カリウムが多くても、拮抗作用によって欠乏が起こりやすい。
適切な量については、絶対量ではなく、相対的な塩基バランスで考えられる。とくにマグネシウム/カリウム比(mg当量)は、2~6が望ましい。
答え
〇 マグネシウムは、塩基バランスが崩れると欠乏症が出やすい。苦土/加里比は、2~6が適正とされている。
マグネシウムは、カリウムと拮抗作用をもっている。そのため、カリウムが過剰になると、マグネシウム欠乏が起こりやすい。適切な量については、絶対量ではなく、相対的な塩基バランスで考えられる。
マグネシウム/カリウム比(苦土/加里比)は、2~6が望ましい。
答え
〇 マグネシウム欠乏の症状では、葉の葉脈間の緑色が退色する、クロロシス症状を示す。
マグネシウムは、葉緑素の構成要素である。そのため欠乏すると、葉の葉脈間の緑色が退色する「クロロシス」が生じる。
クロロシスとは、「葉緑体含量の低下による葉の黄化現象」。マグネシウムや鉄の欠乏などで起こる。多くの場合は、光合成や生育作用の抑制につながる。
マグネシウムは体内で移動しやすいため、症状は下葉から発生しやすい。
答え
〇 マグネシウムの要求量は、ダイズなどの油脂作物、果実のなる果菜類、ブドウなどの果樹類で高い。
マグネシウムの要求量は、作物の種類によって異なる。
要求量が高い作物として、「油脂作物」(ダイズ・ナタネ)、「果菜類」(トマト・キュウリ・メロン)、「果樹類」(ブドウ)がある。
この理由としては、マグネシウムが葉緑素の構成要素であり、光合成能力に関係することが挙げられる。光合成によって炭水化物を生産し、果菜類や果樹類は、これを蓄える。また油脂の合成には大量のエネルギーが必要であり、この代謝にマグネシウムが必要とされる。
答え
〇 土壌中の交換性マグネシウムが、通常10mg/100g以下になると、多くの作物に欠乏症が発生しやすい。
土壌中のマグネシウムは、土壌溶液に含まれる「水溶性マグネシウム」、粘土粒子などに保持されている「交換性マグネシウム(置換性マグネシウム)」、「有機物や鉱物に含まれるマグネシウム」に分類される。
植物が養分として使えるのは「水溶性マグネシウム」と「交換性マグネシウム」である。また、「水溶性マグネシウム」が減少すると、「交換性マグネシウム」が土壌溶液中に溶出する。
そんな「交換性マグネシウム」は、通常10mg/100g以下になると、作物に欠乏症が発生しやすいとされる。また、カリウムが多くても、拮抗作用によって欠乏が起こりやすい。
適切な量については、絶対量ではなく、相対的な塩基バランスで考えられる。とくにマグネシウム/カリウム比(mg当量)は、2~6が望ましい。。
答え
〇 マグネシウムは、ダイズなど油脂作物や果菜類、ブドウなど果実類で要求度が高い。
マグネシウムの要求量は、作物の種類によって異なる。
要求量が高い作物として、「油脂作物」(ダイズ・ナタネ)、「果菜類」(トマト・キュウリ・メロン)、「果樹類」(ブドウ)がある。
この理由としては、マグネシウムが葉緑素の構成要素であり、光合成能力に関係することが挙げられる。光合成によって炭水化物を生産し、果菜類や果樹類は、これを蓄える。また油脂の合成には大量のエネルギーが必要であり、この代謝にマグネシウムが必要とされる。
答え
× マグネシウムは、作物体内を移動しやすいことから、一般に下位葉から欠乏症が現れる。
作物に含まれる元素には、作物体内を移動しやすいものと、移動しにくいものがある。(体内でどのように存在しているかで、特徴が異なる。)
移動しやすい元素としては、カリウム、窒素、リン、マグネシウムなどがある。
移動しやすいということは、土壌からの供給が不足したとき、体内にあるものを新しい葉に供給できるので、欠乏症状は下葉(古い葉)に現れやすい。
答え
〇 マグネシウムは、葉緑素の構成元素である。マグネシウムの不足は葉緑素の減少をもたらし、一般に葉の葉脈間の緑色が退色するクロロシスを生じる。
マグネシウムは、葉緑素の構成要素である。そのため欠乏すると、葉の葉脈間の緑色が退色する「クロロシス」が生じる。
クロロシスとは、「葉緑体含量の低下による葉の黄化現象」。マグネシウムや鉄の欠乏などで起こる。多くの場合は、光合成や生育作用の抑制につながる。
答え
× カルシウムは、土壌への吸着親和性が高く、土壌溶液濃度には反映されにくい。
土壌中のカルシウムは、土壌溶液に含まれる「水溶性カルシウム」、粘土粒子などに保持されている「交換性カルシウム(置換性カルシウム)」、炭酸カルシウムなど「難溶性塩としてのカルシウム」に分類される。
カルシウム資材は、土壌への吸着親和性が高いため、粘土粒子などに保持され交換性カルシウムが高まりやすい。そのため、土壌溶液濃度(水溶性カルシウム)には反映されにくい。
対してカリウムやマグネシウム資材は、土壌溶液濃度(水溶性カリウムやマグネシウム)に反映されやすいという特徴がある。
*カルシウム(イオン)の土壌吸着親和性が高い理由は、イオンサイズが大きいことや、電荷が高いことが影響する。
答え
× カルシウムが欠乏すると、生長の最も盛んな頂芽や根の生育が抑制されるため、農作物の生育や品質に大きな影響を与える。
カルシウムは、細胞内の膜構造体(細胞小器官であるミトコンドリアやゴルジ体など)や、核形成の構成材料となる。そのため、欠乏すると生長の最も盛んな頂芽や根の生育が抑制される。農作物の生育や品質に大きな影響を与える元素である。
カルシウムが過剰になると、拮抗作用により、カリウムやマグネシウムの吸収が抑制され、生育に影響がでる。
答え
〇 カルシウムの吸収阻害を起こす塩基類として、アンモニウムが最も阻害効果が大きい。
カルシウムは、他の塩基類によって吸収阻害が起こる。この阻害効果は、アンモニウム(イオン)が最も大きく、次いでマグネシウム、カリウムとなる。(トマトの尻腐れ発症試験による)
アンモニウム(イオン)の阻害効果が大きい理由として、カルシウムとの吸収経路が似ていることや、土壌中での溶解性が高いことが考えられる。
答え
× 土壌中のカルシウムの過剰は、土壌のpHを高くする。それによって、モリブデン以外の微量要素の溶解度が低下する。
カルシウムは、土壌の酸性矯正資材として利用される。(pHを上げる、アルカリ性にする作用がある。これは、化学反応によって水素イオン/H⁺の濃度を下げたり、活性を低下させる作用があるため。)
また、多くの微量要素は、pHが上昇する(アルカリ性になる)と、溶解度が低下して吸収されにくくなる。反対に、pHが低下する(酸性になる)と溶解性が上昇して過剰症が発生しやすくなる。
ただしモリブデンは例外的に、酸性で溶解度が低下し、アルカリ性で上昇するという逆の性質をもっている。
答え
〇 塩基飽和度が100%に近づくほど、土壌pHは中性となる。
塩基飽和度とは、陽イオン交換容量(CEC)に対して、どれだけ交換性塩基(カルシウム・マグネシウム・カリウム)が満たされているかの割合である。(土の胃袋の大きさであるCECに対して、今どれくらいの塩基を食べて満腹かの指標)
[交換性塩基総量/CEC×100]
塩基飽和度は土壌pHと関係があり、塩基飽和度が高くなれば、土壌pHも高くなる傾向にある。
通常、土壌のコロイド(粒)は、陽イオン(カルシウム・マグネシウム・カリウムなど)で満たされない部分に水素イオン(H⁺)を吸着していることで、酸性寄りになっている。(塩基飽和度が低い=カルシウムなどの陽イオンが少ない。空いている席に水素イオンが多く入り、酸性が強くなる)
一方、塩基飽和度が高くなると、相対的に水素イオンの割合が減るので、pHは上昇傾向になり、100%に近づくほど中性(pH7付近)となる。
答え
〇 陽イオン交換容量(CEC)の小さい土壌では、塩基飽和度が100%以上ないと、作物生育が劣る。
陽イオン交換容量(CEC/Cation Exchange Capacity)とは、土壌粒子が陽イオンを吸着できる最大量を指す。
土壌粒子(粘土鉱物や腐植)は、通常マイナスの電気を帯びている。そのため、陽イオン(プラスの電気)を引きつける力がある。土壌に必要な養分の中で、アンモニア(窒素)・カリウム・カルシウム・マグネシウムは陽イオンになるため、マイナスの電気を帯びた土に吸着される。よって、CECが高ければ、それだけたくさんの養分を保持できることを表す。
一方、塩基飽和度は、陽イオン交換容量(CEC)に対して、どれだけ交換性塩基(カルシウム・マグネシウム・カリウム)が満たされているかの割合である。
よって、CECが小さい土壌では、塩基飽和度が高くても、含まれる陽イオンの量は少なくなる。(作物が必要とする養分の絶対量が少ない状態)
具体的には、
CEC20(meq/100g)以上の土壌では、塩基飽和度75~80%で適切となるが、
CEC10以下の土壌では、塩基飽和度100~170%が適正範囲となる。
答え
〇 塩類の集積したハウス土壌では、塩基飽和度が高くても、土壌pHが低いという現象が見られる。
一般的に、塩基飽和度が高くなると、(相対的に水素イオンの割合が減るので)pHは上昇傾向になる。塩基飽和度が100%に近づくほど、中性(pH7付近)となる。
ただし、塩類の集積したハウス土壌では、流亡しにくい硝酸塩や硫酸塩が残っており、これらが酸性を示すので、土壌のpHも低いという現象が起こる。
答え
× コムギの生育に適した塩基飽和度の範囲は、60%程度である。
作物が正常に生育する塩基飽和度の適正範囲は、その土壌の陽イオン交換容量(CEC)や、作物の種類によって異なる。
例えば、コムギやコマツナは60%程度、ホウレンソウでは80~120%が適する。また、サツマイモ・サトイモ・ダイコンなどの根菜類は、適正範囲が低いとされている。
答え
× 土壌中のカリウム含量が高まると、カルシウムとの間に拮抗作用が見られる。
作物の養分吸収において、各塩基(カルシウム・マグネシウム・カリウムなど)には、拮抗作用がある。つまり、どれかの塩基が過剰になると、他の塩基の吸収が抑制される。そのため、土壌の塩基バランスが考慮される。
カリウムにおいても、カルシウム・マグネシウムに対して、拮抗作用を示す。
答え
× ホウレンソウ栽培において、塩基飽和度が高まると、苦土/加里比、石灰/苦土比の適正範囲は狭くなる。
ホウレンソウにおいて、塩基飽和度を3段階(70%.100%.150%)で比較した生育試験がある。
この試験によると、塩基飽和度が70%.100%では、生育良好な範囲は、苦土/加里比が0.5~6、石灰/苦土比が1~8であった。
一方、塩基飽和度150%の生育良好な範囲は、苦土/加里比が2~5、石灰/苦土比が4~6と、著しく狭くなっている。
このことから、塩基飽和度と塩基バランスには関連があることがわかる。
答え
〇 トマトの尻腐れの発症試験から、カルシウムの吸収阻害を起こす塩基類としては、アンモニウムが最も阻害効果が大きい。
カルシウムの吸収阻害要因として、
・土壌塩類濃度の上昇
・他の塩基類による阻害
・土壌消毒後
・土壌水分不足
などが挙げられる。
「他の塩基類による阻害」においては、最も阻害効果が大きのはアンモニウム、次いでマグネシウム、カリウムとされる。(拮抗作用が強い)
答え
× 塩基バランスとして石灰:苦土:加里のミリグラム当量比は、一般に5:2:1が適当とされている。
農業用語における塩基バランスとは、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウムなどの「交換性の陽イオン」の比率をいう。とくにカリウム(加里)、マグネシウム(苦土)、カルシウム(石灰)の3つが重要視される。
塩基バランスは作物の養分吸収や生育に影響しており、バランスが崩れると生理障害が発生しやすくなる。
一般なわかりやすい指針としては、石灰:苦土:加里=5:2:1(ミリグラム当量/meq)が知られている。
ちなみに、農林水産省の地力増進基本指針では、石灰:苦土:加里=65-75:20-25:2-10とされている。
答え
× 水稲は、一作で10a当たり100kg前後のケイ酸を吸収する。このとき、生育後期の吸収量が多く、特に幼穂形成期~成熟期の吸収量が多い。
水稲にとってケイ酸は、耐倒伏性の向上・受光態勢の向上・光合成の向上などの効果がある。(ケイ素はイネの有用元素)
水稲へのケイ酸供給は、土壌・灌漑水・ケイ酸質資材などによって行われる。
また、水稲は、一作で10a(1000㎡/1反)当たり100kg前後のケイ酸を吸収する。生育前期よりも、後期(特に幼穂形成期~成熟期)の吸収量が多い。
答え
× 土壌中の有効態ケイ酸含量が30mg/100gまで増加するに伴って、水稲の葉中のケイ酸含量も増加する。
水稲とケイ酸に関する値は次の通り。
・一般的な水田では、15~30mg/100gが適正とされる
・地力増進基本指針(農林水産省)の、水田改良目標値は、15mg/100g以上
・土壌中の有効態ケイ酸含量が30mg/100gまで増加するに伴って、水稲の葉中のケイ酸含量も増加する
・増収効果は、土壌中の有効態ケイ酸含量が13mg/100gまで高い
・一作で10a(1000㎡/1反)当たり、100kg前後のケイ酸を吸収する。
答え
〇 リン酸吸収係数の高い黒ボク土や、pHの高い水田では、ケイ酸が吸着されやすい。そのため、やや多めの施用が望ましい。
土壌からのケイ酸供給は、土壌の種類によって異なる。砂質土壌では低く、粘質土壌では高い。
また、ケイ酸の土壌吸着は、リン酸吸収係数やpHの影響を受ける。リン酸吸収係数が高いと吸着力が強く、pHが高いと吸着力が強い。そのため、このような土壌では、やや多めの施用が望ましい。
(ケイ酸の土壌吸着とリン酸吸収係数には正の相関がある。これには活性アルミニウムが関係していると考えられる。)
答え
× ケイ酸施用により、稲の光合成能が向上し、窒素吸収量当たりの炭水化物合成が増加する。このため、米粒中のタンパク質含量が低くなり、食味に影響を与える。
水稲にとってケイ酸は、耐倒伏性の向上・受光態勢の向上・光合成の向上などの効果がある。(ケイ素はイネの有用元素)
また、食味がよいとされる米は、米粒中のたんぱく質含量が少ない。ケイ酸は、葉身含有率が高くなると、収量が増加し、米粒中のたんぱく質含量が少なくなるという傾向がある。
これは、ケイ酸によって、吸収窒素当たりの炭水化物生産量が高くなることで、米粒中のたんぱく質含量が相対的に低下するため、と考えられている。
(ケイ酸の影響によって光合成が活発になると、光合成によって作られる炭水化物(でんぷん)が多くなる。すると相対的にたんぱく質の量が減る。)
答え
2.0%
還元状態の水田で起こる根腐れの原因に、稲わら施用後の分解で発生する有機酸も影響する。特に寒冷地などでは、鋤き込んだ稲わらの分解が遅くなるため、春先にガスや有害な有機酸が発生しやすい。(水稲の茎数減少・収量低下が起こる)
遊離酸化鉄には、この分解で生じる有機酸を減少させる効果がある。
農林水産省の地力増進基本指針によると、水田の改善目標として「遊離酸化鉄含量 0.8%以上」が掲げられている。一方、遊離酸化鉄含量と水稲収量の関係を見た試験によると、2.0%までは収量が上昇する。このため、寒冷地では、「遊離酸化鉄含量 2.0%以上」が望ましいとされている。
答え
× 老朽化水田では、鉄・マンガンともに下層に溶脱する。そのため、表層の遊離酸化鉄は少ない。
老朽化水田とは、作土から塩基類が下層に溶脱し、持続的な生産が維持できなくなった水田をいう。
砂質土壌の水田に多く、とくに鉄やマンガンが溶脱する。
また、遊離酸化鉄含量は、土性の影響を強く受ける。粗砂質土壌では少なく、細砂質土壌では多い傾向にある。
答え
× 水稲の収量との関係では、遊離酸化鉄含量が2.0%以上であることが望ましい。
(農林水産省の地力増進基本指針では、改善目標として0.8%以上となっている)
還元状態の水田で起こる根腐れの原因に、稲わら施用後の分解で発生する有機酸も影響する。特に寒冷地などでは、鋤き込んだ稲わらの分解が遅くなるため、春先にガスや有害な有機酸が発生しやすい。(水稲の茎数減少・収量低下が起こる)
遊離酸化鉄には、この分解で生じる有機酸を減少させる効果がある。
農林水産省の地力増進基本指針によると、水田の改善目標として「遊離酸化鉄含量 0.8%以上」が掲げられている。一方、遊離酸化鉄含量と水稲収量の関係を見た試験によると、2.0%までは収量が上昇する。このため、寒冷地では、「遊離酸化鉄含量 2.0%以上」が望ましいとされている。
答え
〇 一般に、遊離酸化鉄が溶脱された老朽化水田では、ケイ酸も溶脱されている場合が多い。
老朽化水田とは、作土から塩基類が下層に溶脱し、持続的な生産が維持できなくなった水田をいう。
砂質土壌の水田に多く、とくに鉄やマンガンが溶脱する。
また、水稲にとってケイ酸は、耐倒伏性の向上・受光態勢の向上・光合成の向上などの効果がある。(ケイ素はイネの有用元素)
遊離酸化鉄が溶脱されているような老朽化水田では、ケイ酸も溶脱されている場合が多い。そのため、ケイ酸の施用効果が高いと言える。
答え
× 粘質土壌でも、遊離酸化鉄は吸着されない。そのため還元状態でも、硫化水素や有機酸の発生を抑制することができる。
水田土壌に含まれる鉄は、有害成分である硫化水素を、無害な硫化鉄に変化させることで、根を守る働きがある。また、稲わらの鋤き込みなどによって、土壌が還元状態になると発生する有害な有機酸の生成を、抑制する働きもある。
鉄は、粘質土壌であっても、土壌に吸着されることはない。一方、砂質土壌では溶脱されることが多い。
答え
〇 砂質水田土壌では、作土層にマンガン欠乏が発生しやすい。
マンガンは、植物の微量必須元素である。中でも、欠乏症や過剰症の問題が多いとされている。
マンガンが欠乏しやすい条件
・土壌のアルカリ化(pH上昇)
・養分の溶脱しやすい圃場
マンガンの過剰症が発生しやすい条件
・土壌の酸性化(pH低下)
・土壌の排水不良
砂質水田土壌は、作土層のマンガンや鉄が失われやすい。これは、一般的に砂質土壌の養分保持力が小さいことによる。
答え
× 土壌の排水が悪くなると、マンガン過剰が発生しやすい。
マンガンの過剰症が発生しやすい条件として、「土壌の酸性化(pH低下)」「土壌の排水不良」がある。
これは、酸性になることでマンガンの溶解性が増加すること、排水性が低下することで還元状態になり、4価マンガンが2価マンガンに変化して溶解性が増加することが影響している。
答え
〇 火山灰土では、土壌中のマンガンが土壌有機物と結合し、不可給態化する。そのためマンガン欠乏が発生しやすい。
火山灰土で不可給態化する理由としては、酸性条件やアルミニウムの存在が関係する。(詳しい機序は不明)
答え
〇 石灰質資材を多量に連用していると、マンガン欠乏が発生しやすい。
マンガンが欠乏しやすい条件
・土壌のアルカリ化(pH上昇)
・養分の溶脱しやすい圃場
石灰質資材には、pHを上昇させる作用がある。そのため、多量に連用してpH6.5以上になると、2価マンガン(溶解性が高い)が、4価マンガン(溶解性が低い)に変化して、根から吸収されにくくなる。とくに、乾燥している土壌で起こりやすい。
答え
× ホウ素は、土壌が高温で乾燥の状態において欠乏症が発生しやすい。
ホウ素が欠乏しやすい条件
・土壌のアルカリ化(pH上昇)
・圃場の乾燥
・アブラナ科野菜の連作
ホウ素は、土壌吸着力が弱いため、砂質土壌や腐植の少ない圃場では不足しやすい。また、温度が高くなり乾燥状態になると、吸収されにくくなる。
答え
〇 ホウ素は、作物体内での再移動が困難なため、欠乏症は生長している部位に多くみられる。
作物に含まれる元素には、作物体内を移動しやすいものと、移動しにくいものがある。(体内でどのように存在しているかで、特徴が異なる。)
移動しにくい元素として、カルシウムやマンガン、ホウ素などがある。こちらは、欠乏した場合に生育の盛んな頂芽などに症状が出やすい。
対して移動しやすい元素としては、カリウム、窒素、リン、マグネシウムなどがある。
移動しやすいということは、土壌からの供給が不足したとき、体内にあるものを新しい葉に供給できるので、欠乏症状は下葉(古い葉)に現れやすい。
答え
× ホウ素は、土壌が還元状態になっても、過剰症は発生しにくい。
(理由不明)
答え
× ホウ素は、一般にイネ科作物で要求量が低く、アブラナ科作物で要求量が高い。
一般的にホウ素は、双子葉類(なかでもアブラナ科)で要求量が高く、イネ科で低いという特徴がある。そのため、アブラナ科作物では、ホウ素欠乏症の発生が多い。
3.化学性診断-2
答え
〇 アレニウス表は、pH6.5に矯正するのに必要な炭酸カルシウム量を求めることができる。
土壌のpHが低いとき、石灰質資材を用いて改善させることができる。(pHを上昇させることができる)
このときに必要な資材の量は、土壌の種類や腐植の量によって変わる。
矯正する土壌に対する量を正確に計算する場合は、その土壌を用いて石灰質資材との緩衝曲線を制作する。
ただし、この方法は手間がかかるため、一般的には、pH6.5に矯正するのに必要な炭酸カルシウム量が示されている「アレニウス表」が用いられる。
答え
× pHを上げるための資材には、熔性リン肥、炭酸石灰などがある。硫酸苦土や硫酸カルシウムは、pHを上昇させない。
pHを上げるための資材には、熔性リン肥、水酸化マグネシウム、炭酸石灰(炭カル)、生石灰、消石灰、苦土石灰などがある。
硫酸苦土や硫酸カルシウムは(硫酸があるものは)、酸性の性質をもっているため、pHは上昇させない。
答え
× pHを下げるための資材には、硫化華、硫酸第一鉄、ピートモスなどがある。水酸化マグネシウムは、pHを上昇させる。
pHを下げるための資材には、硫化華、硫酸第一鉄、ピートモスなどがある。硫化華や硫酸第一鉄は、施肥後の硫酸による効果、ピートモス(泥炭が材料)は、含まれるフミン酸(腐植酸の一種)の効果によって、pHを下げる。
答え
× pH矯正に必要な石灰量は、粘土含量と腐植含量が大きく影響する。
土壌のpHが低いとき、石灰質資材を用いて改善させることができる。(pHを上昇させることができる)
このときに必要な資材の量は、土壌の種類や腐植の量によって変わる。(これらによって、その土壌の緩衝能が変わるため)
そのためアレニウス表は、土性(粘土含量の多少)、腐植含量によって区別されている。
答え
× ゴボウの萎凋病は、低pH(酸性)で多発する。
ゴボウの萎凋病は、糸状菌であるFusarium oxysporum(フザリウム・オキシスポラム)が原因となる。
フザリウム菌は、典型的な土壌伝染性病害であり、酸性土壌で多発し、中性~アルカリ性で発病しにくい。
答え
〇 ジャガイモそうか病の発生は、pH5.0前後で抑制される。
ジャガイモそうか病は、放線菌であるStreptomyces scabies(ストレプトマイセス・スカビエス)などが原因となる。発病には土壌pHが大きく影響し、pH6.5以上で多発する。一方、低pHでは発病が抑制されるため、対策としてpH5.0前後にすることが推奨されている。
答え
× ダイコン萎黄病は、低pHで多発する。
ダイコンの萎黄病は、糸状菌であるフザリウム菌が原因となる。
フザリウム菌は、典型的な土壌伝染性病害であり、酸性土壌で多発し、中性~アルカリ性で発病しにくい。
・萎黄病(いおうびょう)
葉が黄化や萎凋を起こす。その後、維菅束が黒褐変して枯死する。
また、ホウ素の欠乏症は、アルカリ性(高pH)で発生しやすい。
そのため、ホウ素欠乏を避けるためには、高pHにしない方がよいが、低pHにすると萎黄病のリスクが高くなる。
答え
× サツマイモ立枯病は、土壌pHが6.0以上で発生が助長される。
サツマイモ立枯病は、放線菌が原因となる。葉が赤紫色を帯びて、下葉から黄化し、ツルは伸長せずに枯死する。
発病は、地温35℃程度、pH6.0以上で激しくなる。
答え
× ECが最も大きく低下するのは、ソルゴーである。
土壌中に蓄積した養分を持ち出し、塩類障害を軽減するための作物をクリーニングクロップと呼ぶ。(養分の吸収能力が高い作物を栽培し、収穫後に圃場外に持ち出す)
具体的には、トウモロコシ、ソルゴー、スーダングラスなどのイネ科作物がある。
クリーニングクロップを用いることで低下しやすいのは、EC、硝酸態窒素、カリウム。(リン酸やカルシウム、マグネシウムは低下しにくい)
トウモロコシ、ソルゴー、スーダングラスの3つを比べた実験によると、作付け前と比べて、ECや硝酸態窒素が最も大きく低下したのは、ソルゴーとされている。
答え
〇 クリーニングクロップによる養分吸収量の、最も大きいものは加里であり、次いで窒素である。
(土壌から減った割合ではなく、収穫したクリーニングクロップに含まれる量、吸収した量のこと)
トウモロコシ、ソルゴー、スーダングラスいずれにおいても、吸収量はカリウムが多く、次いで窒素の順になる。
対してリン酸、カルシウム、マグネシウムは、あまり吸収されない。
答え
× ソルゴーによる土壌のEC低下は、栽培3か月後で、対照区に比べて約50%の低下が認められる。
ある試験によると、ソルゴーを栽培して3か月後、土壌のECは対照区に対して約半分に低下する。
(作付け前のECはどちらも同じ。1か月後は10%の低下、2か月後は40%の低下と推移していく)
答え
× クリーニングクロップによる養分吸収は、石灰、苦土、リン酸に対しては効果が低い。
クリーニングクロップを用いることで十分な除塩効果が得られるのは、EC、硝酸態窒素、カリウムである。
リン酸、カルシウム、マグネシウムは低下しにくい。
答え
〇 リン酸吸収係数が1,500以上の土壌は、火山灰土壌であるの。1,500以下の土壌に比べてリン酸の施用量を多くする必要がある。
リン酸吸収係数が1,500以上の火山灰土壌を「黒ボク土」と呼ぶ。
黒ボク土は、火山灰土であり、表層の腐植含量が高い・土層が深くやわらかい・地下水位が低いという特徴があるが、アロフェンと呼ばれる粘土鉱物を含んでおり、リン酸などを吸着するチカラが強い。
そのため、他のリン酸吸収係数1,500以下の土壌に比べて、リン酸の施用量を多くする必要がある。
答え
× 湛水除塩で、リン酸はほとんど除去されない。
ハウス土壌では、湛水処理によって除塩や病害の防除が行われる。これにより、塩類の集積や土壌病害の発生を予防できる。ただし除塩の効果は、水に溶けやすい養分と、溶けにくい養分とで効果が異なる。とくにリン酸は溶けにくいため、除塩による効果が低い。
答え
〇 水稲の場合、土壌中の有効態リン酸がおおむね30mg/100g以上では、一般にリン酸を施用しても収量向上にはつながりにくい。
リン酸の施用量は、土壌の種類(リン酸吸収係数)や作物の種類によって異なる。
水稲の場合、土壌中の有効態リン酸が約30mg/100g以上のとき、それ以上リン酸を施用しても収量向上にはつながりにくいとされる。そのため、一作はリン酸無施肥でも栽培が可能である。
対して有効態リン酸が約6mg/100g未満の場合は、リン酸の施用による収量増加が顕著であるため、リン酸の施肥が重要となる。
答え
〇 野菜栽培の場合、多くの野菜で有効態リン酸がおおむね100mg/100g以上の土壌では、一般にリン酸を施用しても収量向上にはつながりにくいものが多い。
リン酸の施用量は、土壌の種類(リン酸吸収係数)や作物の種類によって異なる。
多くの野菜類の場合、土壌中の有効態リン酸が約100mg/100g以上のとき、それ以上リン酸を施用しても収量向上にはつながりにくいとされる。そのため、有効態リン酸が約100mg/100g以上のときは減肥が検討される。
答え
〇 堆肥中のリン酸と加里の肥効率は、堆肥の種類や成分含量に関わらず、リン酸8割、加里9割程度としている例が多い。
堆肥とは、家畜糞尿や稲わら、生ごみなどの有機物を、微生物の働きで分解させたものをいう。また、肥効率とは、家畜糞尿に含まれる肥料成分が、化学肥料と比べて、どのくらいの割合で効果があるかを表す指標である。(化学肥料の効果を100としたとき、堆肥の効果がどれくらいかを表す)
例えば、リン酸は8割(80%)、カリウムは9割(90%)の肥効率で考えられている。一方、窒素は種類によって異なるが、30~70%と低い。
答え
× 施用年の堆肥中の窒素の肥効率は、C/N比10以下で約30%以上、30以上で約0%となる。
堆肥に含まれる窒素成分は、有機物から分解される過程で、無機化されたものが肥料効果をあらわす。この無機化を表すのが炭素率(C/N比)である。
・炭素率(C/N比)
全炭素(C)と全窒素(N)の比。有機質資材の肥料効果を評価するための指標。炭素率が低いと、有機物から無機態窒素が速やかに放出され、作物に供給されることを示す。(肥料効果が高い)
炭素率(C/N比)は、おおむね「低い(10以下)」「中間(11~19)」「高い(20以上)」で区別される。比が小さい(窒素Nが多い)ということは、無機態窒素がすぐに放出されることを示す。
窒素の目安として、
・C/N比 10以下 (当年の無機化率)約30%以上
・C/N比 10-15 約20%
・C/N比 15-20 約10%
・C/N比 20以上 約0%
とされている。
答え
× 鶏ふん堆肥は、種類や発酵条件によって全窒素含有率のばらつきが大きく、窒素肥効率に影響する。
鶏ふん堆肥は、乾燥鶏ふんや発酵鶏ふんなど、種類や発酵条件によって全窒素含有率のばらつきが大きい。
また、窒素の肥効率は、全窒素含有率によって影響される。全窒素含有率が大きいほど、肥効率も高い傾向にある。
答え
× 牛ふん堆肥を連用する場合、年ごとの肥効率は増加する。そのため、減肥の割合も増やしていく。
堆肥を連用すると、毎年窒素の発現量が多くなっていく。例えば、牛ふん堆肥を用いた試験によると、1年目14%・3年目25%・6年目以降30%となっている。
そのため、他の肥料を入れる場合は、これに合わせた減肥が必要になる。
露地野菜と牛ふんを用いた試験によると、連用1年目で10-20%・4年目以降で60-70%(夏作)・30-40%(冬作)が適するという結果がある。
答え
× 土壌中の有機物が分解して発現してくる無機態窒素の発現量にもっとも影響するのは、地温である。
土壌中の有機物が、微生物の働きによって分解され発現する無機態窒素を、「地力窒素」と呼ぶ。地力窒素は、肥料以外で、作物の生育に大きく影響する。
地力窒素の発現には、土壌の種類・地温・水分・酸素・pH・腐植含量が影響する。この中で、最も影響するのが地温であり、次いで腐植含量となる。
地温は、15℃以上で発現が始まり、30℃まで急激に増加する。
答え
〇 水稲の基肥窒素利用率は、ほぼ30~40%の範囲である。また、生育に影響する窒素の大半は、地力窒素である。
水稲の窒素吸収は、肥料由来と土壌由来(地力窒素)に分類される。
ある試験によると、基肥から吸収される量は30~40%であり、残りの60~70%が土壌由来(地力窒素)とされる。大半が地力窒素に依存しており、こちらの管理が重要視される。
答え
〇 施肥した肥料の利用率は、リン酸が最も低い。
施肥した肥料の利用効率=
(目標とする収量を得るために必要な養分量ー土壌から供給される量)÷施肥量。
利用効率は、養分によって異なる。一般的には、窒素30-40%、リン酸10%、カリウム40-50%とされている。
とくにリン酸は、土壌に吸着されやすい。(鉄やアルミニウムと結合している)
なかでも火山灰土では吸着力が高く、5~10%程度とされる。
答え
〇 有機質肥料の窒素の無機化率は、化学肥料に比べて低い場合が多い。高いものでも、60%程度となっている。
有機質肥料の施肥効果は、微生物の分解によって発現する。そのため、化学肥料(無機質肥料)に比べて、効果の発現が遅い。
また、無機化率も化学肥料に比べて低く、高くても60%程度とされる。
そのため、有機質肥料を主体とする施肥体系では、化学肥料よりも多めに施肥する必要がある。
4.物理性診断-1
答え
〇 ハクサイの根こぶ病は、土壌水分が最大容水量の60%以上で発症しやすく、40%以下の乾燥条件では、発症しにくい。
アブラナ科に多い根こぶ病は、根にこぶができ、根の機能低下や地上部の黄化が起こる病害である。通気性が乏しい、排水不良の土壌で多く見られる。水分量でみると、最大容水量の60%以上で発症しやすく、40%以下の乾燥条件では、発症しにくい。
・最大容水量(飽和容水量)
土壌が保持できる最大の容水量。土壌から水を取り去るときに働くチカラが0の状態(pF0の状態)。
答え
× タマネギ乾腐病の発生は、土壌の物理性や、塩類集積等土壌の化学性と関係する。
乾腐病(かんぷびょう)は、糸状菌による土壌伝染性病害のひとつ。苗床では茎盤(根に近い茎の部分)が褐変し、本圃(ほんぽ)では、黄化・萎縮・腐敗・枯死などが起こる。
原因は病原菌の蔓延だが、発生には土壌の物理性が関連する。とくに容積比重(仮比重)と関連し、乾腐病の発生が多い圃場ほど、容積比重が高くなっている。(つまり、単位容積当たりの固相重量が多く、土が固い。)
また、腐植とも関連しており、腐植含量が多い圃場ほど、乾腐病の発生は少なくなっている。これは、腐植が少なくなることで、土壌の硬さが上昇することと関係していると考えられる。
塩類集積等土壌(高EC)でも発生が多くなるため、発症には化学性も関連する。
答え
〇 ナス青枯病は、水田転作の圃場で多発する。特に病原菌が水によって運ばれる多湿の土壌環境では、二次伝播を促進する。
青枯病は、細菌による土壌伝染性病害のひとつ。菌が根や茎で増殖し、導管部を閉塞して全体を萎凋させる。最終的には枯死する。
発生が増加する条件として、排水不良がある。そのため水田転作の圃場(とくに低湿地)での被害が多い。また、排水不良で多湿条件では、細菌の侵入が容易になることに加え、水によって移動しやすくなるため、被害が拡大する傾向にある。耕種的防除法として、排水対策が推奨される。
*耕種的防除法
発病に好適な環境条件を排除し、病害の発生を抑制する技術。栽培法・品種・圃場の環境条件などを、適切に選択すること。
答え
〇 土壌病害の発生は、土壌の圧密等による排水性と密接に関係する。そのため、土壌改良の他に畝の高さを高くするなど、耕種的防除対策がとられている。
耕種的防除法は、発病に好適な環境条件を排除し、病害の発生を抑制する技術。栽培法・品種・圃場の環境条件などを、適切に選択することである。
具体的な方法として、連作を避ける・完熟堆肥を利用する・排水対策(高畝栽培など)・田畑輪換がある。
答え
× 孔隙には、粗孔隙と毛細管隙の2種類がある。粗孔隙で、水が重力で抜き去られた状態の土壌水分を圃場容水量という。
土壌は、固体・液体(水)・気体(空気)で構成されている。それぞれを固相・液相・気相と呼び、この割合が作物の生育に影響を与える。中でも液相と気相は、固相(土壌粒子)の隙間にあるものなので、「孔隙(こうげき)」とも呼ばれる。
孔隙は、細孔隙(毛細管隙)と粗孔隙に分類される。(境界は直径30μm付近)
細孔隙は土壌の保水性、粗孔隙は土壌の排水性や通気性に関与している。
また、重力水(過剰水)とは、降雨後に土壌の粗孔隙に取り込まれていた水の中で、重力によって排除される水を指す。土壌の保水力を超えた、過剰な水分として扱われる。
そのため、重力水が抜けた後の水分量が、その土壌が重力に抗って保持できる最大の水分量であり、これを「圃場容水量」と呼ぶ。(pF1.5~1.8)
誤文の「易効性有効水」は、作物が正常に生育できる水分恒数である。具体的には【圃場容水量(pF1.5~1.8)】~【生長阻害水分点(pF2.7~3.0)】の範囲を指す。
答え
× 水が土壌に吸着保持される強さの程度を表す単位としてpF値がある。圃場容水量のpFは1.5~1.8であり、この範囲は、その土壌が重力に抗って保持できる最大の水分量である。「根に必要な養分と水の両方を与える水分状態」は、易効性有効水である。
水が土壌に吸着保持される強さの程度を表す単位としてpF値がある。(値が高いほど、土壌の吸着力が強く、作物は水分を吸収しにくい)
pFは1.5~1.8の範囲は、圃場容水量と呼ばれ、「その土壌が重力に抗って保持できる最大の水分量」を指す。
対して、「根に必要な養分と水の両方を与える水分状態(作物が正常に生育できる範囲)」は、易効性有効水と呼ばれる。具体的には【圃場容水量(pF1.5~1.8)】~【生長阻害水分点(pF2.7~3.0)】の範囲を指す。
答え
〇 水田は、作土の浅耕化と作土直下にち密な耕盤が形成されると、排水不良で異常還元が進み、生育障害が発生しやすい。水稲の生育に適する水田の減水深は、20-30mm/日である。
水田における異常還元とは、温度の上昇などが原因で有機物の分解が急激に進むことで、著しい還元状態になることをいう。異常還元が起こると、硫化水素などの生育阻害物質が生成される。
水田の排水性を判断するものに「減水深」がある。(水田の田面水の水位の減少速度)
適度な減水深があると、灌漑水によって酸素が供給されるので、有害物質(有機酸や硫化水素)が排除される。水稲の生育に適する水田の減水深は、20-30mm/日とされている。
答え
× トマトなどは、果実肥大期にpF2.0以上で栽培すると、糖度が上昇する。
節水栽培とは、作物の品質を上昇されるために灌水を控える栽培法のこと。
例えばトマトでは、pFを上昇させ、作物への水分供給を制限することで、果実の肥大が抑制され、糖度などが上昇する。(果実が小型化するので収穫量は減る)
答え
〇 山中式土壌硬度計の読みで25mm前後では、多くの野菜類の根の分布が極めて少ない。
土壌の硬さは、一般的に土壌を垂直に掘った断面に使用する「山中式土壌硬度計」が用いられる。(値が大きいほど、土が硬いことを表す)
根は、この値が20mm未満でよく発達する。また、20mm前後になると量が急激に減少し、25mm以上になると根の分布が困難になるとされる。
*一般の畑の硬度は、22mm以下が望ましい(細根が発達できる)とされている。
答え
× 透水性不良な圃場の改善には、ギニアグラス・ソルゴーなどの導入が効果的である。
緑肥作物は、土壌の物理性・化学性・生物性の改善や、雑草の抑制、景観美化など、様々な目的で利用される。(つまり育てる種類によって、効果が違う。)
主なもの
・物理性
ち密性.通気性・透水性の改善(ギニアグラス.ソルゴー.青刈りトウモロコシ)
・化学性
土壌の肥沃化(ヘアリーベッチ.レンゲ等)
・生物性
ネグサレセンチュウの抑制効果(マリーゴールド.クロタラリア.ギニアグラス)
答え
〇 土壌の下層がち密化し、耕盤層が形成された圃場では、プラソイラやサブソイラによる耕盤破砕が有効である。
土層の改善には、深さ・硬さ・通気性・透水性などの種類があり、それぞれ適した機械や有機物、緑肥作物などが利用される。
畑の部分的な深耕(25cm以上)の機械
・サブソイラー(心土破砕機)
耕盤や心土層(耕盤より下の硬い部分)を破壊し、透水性の改善に用いられる。下層土が表層に上がらない。
・プラソイラー
耕盤や心土破砕と、荒起こしが同時にできる。(下層土が表層に上がる)
答え
〇 パーライトは、保水性の改善に有効である。ただし、比重が小さいため、雨風による飛散に注意が必要である。
パーライトは、保水性改善に用いられる土壌改良資材である。
土壌改良資材とは、土壌の物理性、化学性、生物性などを改善し、地力や生産性を高める目的で施すもの。肥料効果を兼ねるものもあるが、区別して考えられることが多い。また、土壌改良資材の中には、地力増進法で規定されている「政令指定土壌改良資材(12種類)」がある。
【主な政令指定土壌改良資材】
「物理性の改善」
・透水性改善(バーミキュライト)
・保水性改善(パーライト、泥炭)
・団粒形成
・膨軟化(バーク堆肥)
・水田の漏水防止(ベントナイト)
「化学性の改善」
・保肥力改善(ゼオライト)
・リン酸供給能改善
パーライトは、火山岩の一種を砕いて焼成して膨張させたもの。多孔質で軽く、壊れにくい。孔隙に水分が保たれるため、保水性の改善に用いられる。(保肥力はほとんどない)
比重が小さいため、地表面に露出すると、雨風による飛散や流亡のおそれがある。そのため、土壌と混合するか、層状に施肥してから覆土する。
答え
× 普通畑で、耕耘を繰り返すと形成される耕盤のち密度は、黒ボク土より黄色土の方が高くなりやすい。
緻密度(土壌の硬さ)は、孔隙量・仮比重・含水状態・粒径組成などの要因が総合的に関わって決まる。
また、大型機械などで耕耘を繰り返すと、表層は柔らかくなるが、下層の緻密度は高まる。(踏圧により耕盤が形成される)
この耕盤の緻密度の高まりやすさは、以下のような影響を受ける。
・黒ボク土より、赤黄色土の方が高まりやすい(土壌の種類)
・湿った土より、乾燥状態の方が高まりやすい(水分状態)
・腐植が少ないと、高まりやすい(腐植含量)
・砂質より、粘土質方が高まりやすい(土性)
答え
× 耕盤が形成されると排水性が低下し、キャベツ収量へ大きく影響する。
耕盤形成が作物へ与える影響として、根の伸長を阻害する・通気性や透水性を悪化させる(湿害が発生する)などがある。
とくにキャベツは、野菜の中でも過湿に対して最も弱い部類に入る。(浅根性であることが関係している)
そのため、排水不良や、地下水位が高い圃場では、生育が悪く収量に影響する。
答え
× 水田の作土深は、近年浅くなる傾向にある。望ましい作土深は15-20cmである。
作土深は、水田の地表面からすき床(耕盤)までの深さのことをいう。水稲の根が広がるためには一定の広さが必要であり、一般的には15~20cm必要とされる。これが浅いと、根の張りも浅くなり、地温上昇による高温障害を受けやすいとされる。
*すき床(耕盤)
水田の作土真下にある、水を蓄えるためや農業機械の重荷に耐えるために作られた土層。
最近は、作土深が浅くなる傾向(10~12cm)にあり、高温障害を受けやすくなっている。
答え
〇 土壌の排水性が悪いと、一般に病原菌の密度が高まり、土壌病害が発生しやすくなる。
排水不良の圃場では、土壌中の酸素不足・湿害・病原菌密度の上昇、機械走行部の沈下や滑りなどが起こる。
排水不良が原因となる病害として、ハクサイ、カブ、キャベツの根こぶ病・キュウリの立枯病・ナスの青枯病などがある。
答え
× 多収穫水田の水稲根系は、15-20cm層で分枝根形成密度が他の水田の約2倍高い。また、根毛の発生密度も著しく高いという報告がある。
作物は、主根や側根を伸ばして根系(根群)をつくる。根系(根群)の分布は、作物の種類によって異なり、また良好な土壌では特徴的な分布を示す。
水稲では、多収穫水田の場合、15-20cm層で根系の分枝根形成密度が高い。(分枝根は、側根のこと)
また、根毛の発生密度も高い。(根毛は、主根や側根にみられる細くて短い毛状の突起物)
これは、水稲における作土深が15cm以上必要なことを示す。
答え
× 下層土が肥沃な泥炭土壌では、1/3程度が下層土からの窒素供給がある。また、火山灰土壌でも1/4程度が下層土から供給されている。
水田における養分吸収は、下層土からも行われる。
例えば窒素供給では、泥炭土壌は1/3程度、火山灰土壌でも1/4程度が下層土から供給されている。
よって、下層を含めた根域の拡大(作土深の確保)が、養分供給に大きな影響を与える。
答え
〇 水稲の収量や品質向上を図るためには、水田の作土深は深いほど良いというものではない。作土深を深くしても増収しない例もある。
水稲は、作土深が浅くなると高温障害を受けやすくなり、収量や品質に影響する。水稲の根が広がるためには一定の広さが必要であり、一般的には15~20cm必要とされる。
ただし、収量には、CEC(陽イオン交換容量)や透水性も影響する。そのため、作土深が深いほど良いというものではなく、作土深を深くしても増収しない例もある。
答え
× 水田において、耕盤層を破砕し、養水分の供給域を拡大することで増収効果が期待できる場合がある。
水田の作土層が浅い場合、耕盤層を破砕すると養水分の供給域が拡大する。(根系が発達する、下層土からの窒素供給が増える。)それによって作土層15cmを確保すれば、増収効果が期待できる。
答え
× 土層の途中に耕盤層が存在する有効土層は、作土層から硬度29mm未満の耕盤層までを含む。
有効土層とは、作物の根が貫入することが可能な範囲を指す。
これは作土層(一般的にヒトが耕した範囲)に加え、その下にある耕盤、その下にある緻密層(硬度29mm未満)が含まれる。
(イメージ)
土壌表面
↓作土層
↓耕盤層
↓緻密層
礫(れき)
答え
〇 有効土層は、土層の途中に耕盤層が存在しても、山中式硬度計の読みで29mm以上のち密層、あるいは極端な礫層があるところまでである。
有効土層には、耕盤層や、場合によって緻密層が含まれる。ただし、硬度29mm以上のち密層や、極端な礫層があるところは除く。(土壌硬度が29mmを超えると、根が十分に伸長できなくなる。)
(イメージ)
土壌表面
↓作土層
↓耕盤層
↓緻密層
礫(れき)
答え
× 水田では作土が浅くなっている例が多くなっているが、ある程度の保肥力をもつ土壌の場合、作土深20cm程度までは、水稲の収量が向上する。
作土深は、水田の地表面からすき床(耕盤)までの深さのことをいう。水稲の根が広がるためには一定の広さが必要であり、一般的には15~20cm必要とされる。最近は、作土深が浅くなる傾向(10~12cm)にあり、高温障害を受けやすくなっている。
保肥力との関係もあるため、作土が深ければよいというわけではないが、一般的に作土深が20cm程度までは、水稲の収量が向上する傾向にある。
答え
× アズキ、バレイショなどの畑作物では、作土深が25cm程度までは増収する。
ある試験によると、アズキ・バレイショ・エンバクなどは、作土が25cm程度までは収量が増加する傾向にある。それ以上深くした場合は、横ばいか低下する。
答え
〇 三相分布は、固相、液相および気相から構成さる。なかでも固相率は、地質や母材でほぼ一定の値となる。
土壌を構成する固体・液体・気体を、それぞれ固相・液相・気相と呼ぶ。また、それぞれの容積を百分率(%)で表したとき、固相率・液相率・気相率と呼び、これらを三相分布(三相組成)という。
3つのうち固相率は、地質や母材でほぼ一定の値となる。これは、土壌の固相(固体)が短期間ではほとんど変化を受けないためである。(一方、液相や気相は雨などの影響で変化しやすい)
一般的な固相率は、火山灰土で16-30%、非火山灰土で40-45%となっている。
答え
× 作土の固相率は、作物の栽培期間中で変化することがある。
固相率は、地質や母材でほぼ一定であるが、同じ土壌であれば栽培期間中で変化することがある。これは、植物の根による作用、小動物の活動などで容積が変化することによる。
答え
× 品質のよい野菜の生産される土壌の孔隙率は、20-30%である。
孔隙率は、気相と液相を合わせた割合をいう。液相と気相は、固相(土壌粒子)の隙間にあるものなので、「孔隙(こうげき)」とも呼ばれ、土壌全体に占める液相と気相の割合を、孔隙率と呼ぶ。
一般的に、品質のよい野菜が生産される土壌の孔隙率は、20-30%とされる。根の分布に必要なのは約17%以上、根の活動を盛んにするために必要なのは20%以上とされる。10%以下になると、生育に障害が生じる。
ちなみに、非火山灰土の三相分布は、固相が45~50%、液相・気相がそれぞれ20~30%が望ましい。
答え
× 土壌の孔隙率は、気相率と液相率を合わせた割合である。
土壌は、固体・液体(水)・気体(空気)で構成されている。それぞれを固相・液相・気相と呼び、この割合が作物の生育に影響を与える。
中でも液相と気相は、固相(土壌粒子)の隙間にあるものなので、「孔隙(こうげき)」とも呼ばれる。よって、土壌全体に占める液相と気相の割合を、孔隙率と呼ぶ。
答え
× ち密度の高い土壌は、固相率が高い。
ち密度は、一般的に山中式硬度計で計測された値(土壌硬度値)を表わす。
この硬度は、固相率と高い相関関係があり、固相率が硬度に反映される。
(固相率が高い=液相や気相が低い=硬度が高い)
そのため、土壌硬度から、固相率を推定することができる。
答え
〇 黒ボク土は、一般に灰色低地土に比べて孔隙率が高い。
孔隙率は、気相と液相を合わせた割合をいう。液相と気相は、固相(土壌粒子)の隙間にあるものなので、「孔隙(こうげき)」とも呼ばれ、土壌全体に占める液相と気相の割合を、孔隙率と呼ぶ。
黒ボク土(火山灰土)は、固相率が低いという特徴がある。
一般的に固相率は40~45%。火山灰土は例外的に16~30%と低くい。
*これは、火山ガラスなど、火山灰土に含まれる組織の特性によるもの。
そのため黒ボク土は、他の土壌より孔隙率が高くなる。
答え
× 品質の良い野菜が生産される土壌の孔隙率は、20-30%である。
孔隙率は、気相と液相を合わせた割合をいう。液相と気相は、固相(土壌粒子)の隙間にあるものなので、「孔隙(こうげき)」とも呼ばれ、土壌全体に占める液相と気相の割合を、孔隙率と呼ぶ。
一般的に、品質のよい野菜が生産される土壌の孔隙率は、20-30%とされる。根の分布に必要なのは約17%以上、根の活動を盛んにするために必要なのは20%以上とされる。10%以下になると、生育に障害が生じる。
ちなみに、非火山灰土の三相分布は、固相が45~50%、液相・気相がそれぞれ20~30%が望ましい。
答え
× 土壌の孔隙率は、気相率と液相率を合わせた割合である。
土壌は、固体・液体(水)・気体(空気)で構成されている。それぞれを固相・液相・気相と呼び、この割合が作物の生育に影響を与える。
中でも液相と気相は、固相(土壌粒子)の隙間にあるものなので、「孔隙(こうげき)」とも呼ばれる。よって、土壌全体に占める液相と気相の割合を、孔隙率と呼ぶ。
答え
× 作物が健全に生育できるのは、易効性有効水(生長有効水)の範囲であり、pF1.5-1.8~pF2.7-3.0に相当する。
pF値は、土壌水分のエネルギー状態を表す。(土壌に保持された水分を、作物が引き離すのに必要な力。土壌と水分が結びついている強さ。)水分の状態(つまり質)を表すのであって、量の指標ではないことに注意。
作物が健全に生育できるpFは、[1.5〜1.8]〜[2.7〜3.0]の範囲である。これを、易効性有効水(生長有効水)と呼ぶ。
pFが1.5を下回ると、重力によって土壌から水分が失われる。また、3.8を超えると作物が吸収できなくなって萎れる。
答え
〇 畑作物への灌水開始は、作物の種類や生育ステージなどによって異なる。一般には、地表面からの深さ10cmでpF2.5前後で行われることが多い。
作物が健全に生育できるpF(易効性有効水)は、[1.5〜1.8]〜[2.7〜3.0]の範囲である。このときの土壌は、手で握りしめたときに、うっすらと土が付着する程度。
また、畑作物の栽培では灌水のタイミングが重要になるが、一般には、地表面からの深さ10cmでpF2.5前後で行われることが多い。
答え
× 永久しおれ点はpF4.2に相当し、湿度100%の下においても作物のしおれが回復しない状態である。
pF値が高くなると、水分が存在していても作物が吸収できなくなり、萎れる。作物が枯れ始める「初期しおれ点(初期萎凋点)」はpF3.8、ほとんどの作物が枯死する「永久しおれ点(永久萎凋点)」はpF4.2である。永久しおれ点では、湿度100%の下においても作物のしおれが回復しない。
答え
× 温州ミカンでは、収量と糖度を向上させるため、果実成熟期にはpF3.0-3.8で管理することが望ましい。
温州ミカンでは、糖度を向上させる技術として、pF値による管理が行われる。果実肥大期(5-9月)にはpF2.0-2.7の範囲、果実成熟期(9-10月)にはpF3.0-3.8の範囲が推奨される。(ちなみにpF3.8は初期しおれ点)
答え
× 水田における日減水深は、圃場の水浸透量と蒸発散量の合計を表す。
日減水深(減水深)は、水田で消費される水分量の目安である。(1日当たりの表面の水深低下で測定する)
日減水深は、圃場の「水浸透量」と「蒸発散量」の合計で計算される。
また、「水浸透量」は、「畦への浸透量」と「土壌中への降下浸透量」であり、
「蒸発散量」は、「田面からの蒸発」と「葉面からの蒸散」である。
日減水深=水浸透量+蒸発散量
=(畦への浸透量+土壌中への降下浸透量)+(田面からの蒸発+葉面からの蒸散)
答え
〇 水稲栽培に適した日減水深は、おおむね20-30mm/日とされているが、地域による幅がある。
水稲は、日減水深が20〜30mm/日のときに最も収量が高い。
ただし、この値は地下水位が50cm以下の水田の値であり、地下水位がもっと低い場合や、透水性が大きい砂質土の場合は、50~70mmになることもある。(地域による幅がある)
答え
× 日減水深に最も影響する浸透水は、畦などの側面浸透である。
水浸透量(浸透水)は、畦への浸透量(側面浸透)と土壌中への降下浸透量(垂直浸透)がある。
このうち、影響が大きいのは「畦への浸透量(側面浸透)」である。
答え
× 日減水深が40mm以上となる漏水田では、ベントナイトの施用効果が確認されている。
日減水深が40mm以上となる漏水田の対策として、代掻き(水を張った田の土を砕く)、床締め、客土(土を運び入れる)、ベントナイト施用(土壌改良剤)などが行われる。
ポリエチレンイミン系資材は、「土壌の団粒形成促進」効果がある土壌改良資材である。
答え
〇 水田の作土深は、近年浅くなってきている。また、農業機械の大型化により下層土のち密化が進んでいる。
水田の作土深は、近年浅くなってきている。ある調査によると、作土深15cm未満の水田が、昭和49年以降、3割から6割に増えている。この要因として、労働力不足による土壌管理ができなくなっていること、農業機械の大型化や乾田化による下層(耕盤)が固くなっていることがある。
答え
× 作土深が深いほど、土性の違いにかかわらず、水稲の収量が向上するわけではない。作土深は、15~20cm程度が望ましい。
作土深は、水田の地表面からすき床(耕盤)までの深さのことをいう。水稲の根が広がるためには一定の広さが必要であり、一般的には15~20cm必要とされる。最近は、作土深が浅くなる傾向(10~12cm)にあり、高温障害を受けやすくなっている。
保肥力との関係もあるため、作土が深ければよいというわけではないが、一般的に作土深が20cm程度までは、水稲の収量が向上する傾向にある。
答え
〇 異常高温による乳白粒などの白未熟粒の発生を抑制するために、作土を深めて根の活性化を図る。
水稲は、高温条件下では葉の光合成機能が低下し、でんぷんの蓄積が不十分になる。すると、白未熟粒や胴割れ粒が発生する。
また、作土深の不足や土の硬さは、根の伸長を妨げて土壌養水分の供給に影響し、乳白粒の発生を増加させる。そのため、作土の深さは15cm以上が推奨される。
答え
〇 多収穫水田では、一般に、作土の下層から養分吸収量が全体の2-3割を占める。
水田における養分吸収は、下層土からも行われる。
とくに多収穫水田では根が発達しており、作土の下層から養分吸収量が全体の2-3割を占める。そのため、根が伸長できる土壌環境づくりが重要となる。
答え
× 果樹の生育と土性との関係について、ナシは壌土、モモとブドウは砂壌土が最も良い。
作物には、生育に適した土壌の種類や土性がある。
土性の区分は5つある。(日本農学会法/粘土含量の少ない順)
砂土(さど)
砂壌土
壌土
埴壌土
埴土(しょくど)
ナシは、壌土(粘土34%)が最も生育がよいとされる。
モモやブドウは、砂壌土(粘土17%)が最も生育がよいとされる。
答え
〇 施肥により、電気伝導度(EC)が高まりやすいのは砂土であり、埴壌土は高まりにくい。
EC(Electrical Conductivity/電気伝導度)は、土壌中の電気の伝わりやすさであり、塩類濃度の指標である。これは土壌中の養分量、特に硝酸態窒素と関連する。よって、窒素肥料の残存率を知る目安となる。単位は、mS/cm(ミリジーメンス パー センチメートル)
ECの高まりやすさは、土性の影響を受ける。水分や養分の少ない砂土の方が、高まりやすい。
答え
〇 土性は、礫を除いた細土部分の土壌粒子の組織で区分され、砂、シルト、粘土の重量比率によって決まる。
土壌は、礫(粒径2mm以上)と鉱物粒子(2mm以下)が集まってできている。
また鉱物粒子は、砂(2〜0.02mm)、微砂(シルト)(0.02〜0.002mm)・粘土(0.002mm以下)に分類される。土性とは、この鉱物粒子(砂・微砂・粘土)の割合によって土壌を分類したものである。よって礫は含まれない。
答え
〇 通気性や排水性が不良の土壌では、根こぶ病や立枯れ性疫病などの病害が発生しやすい。
通気や排水不良の圃場では、土壌中の酸素不足・湿害・病原菌密度の上昇、機械走行部の沈下や滑りなどが起こる。
排水不良が原因となる病害として、ハクサイ、カブ、キャベツの根こぶ病・キュウリの立枯病・ナスの青枯病などがある。
5.物理性診断-2
答え
× 緑肥作物は、種類によって、塩類集積土壌の改良効果や、排水性の改善効果がある。
緑肥作物は、土壌の物理性・化学性・生物性の改善や、雑草の抑制、景観美化など、様々な目的で利用される。(育てる種類によって、効果が違う。)
複数の効果をもっているものもあり、例えばソルゴー・青刈りトウモロコシ・ギニアグラスなどは、塩類集積土壌の改良効果(ECの低下)や、排水性の改善効果(クリーニングクロップ)がある。
答え
〇 弾丸暗渠は、耕盤の下に施工するため、排水不良の水田の改善に効果的である。
圃場の排水は、地表排水と地下排水がある。このうち地下排水は、暗渠排水と心土破砕に分けられる。
暗渠排水は、過剰な水分を土中に埋設した管に集め、排水路に排除する方法である。(弾丸暗渠はこの一種)
地下排水が高く、排水性が悪い圃場などでは、有機物による排水性改善ができないため、明渠による地表排水や、暗渠による地下排水の改善を行う。
弾丸暗渠は耕盤の下に施工するため、排水不良の水田の改善に効果的である。
答え
〇 水田の日減水深が大きいと、寒冷地等では、冷水害の問題が生じる恐れがある。
透水性が高すぎる水田(日減水深が大きい水田)では、多量の灌漑水が必要になる・肥料の損失が大きくなる・河川の水質汚染を招く、寒冷地や山間部での冷水害が生じるなどの影響がある。
冷水害は、排水が多いことで田の水温が上昇しないことが原因となる。
答え
〇 トレンチャーによる深耕は、土層反転混層の効果は高いものの、作業時間が長いのが難点である。
トレンチャーは、深い溝を掘るための作業機械である。畑における部分耕深(25cm以上)で用いられる。トレンチャーで耕すと、固相の割合が低下して気相が増え、土が柔らかくなる。そのため、土層反転混層の効果は高い。ただし、部分耕深のため、広い面積で実施する場合には、作業時間が長い。
答え
× レンゲやクローバーは、主として土壌の化学性(肥沃度)を改善する作物として利用できる。
緑肥作物は、土壌の物理性・化学性・生物性の改善や、雑草の抑制、景観美化など、様々な目的で利用される。(つまり育てる種類によって、効果が違う。)
主なもの
・物理性
ち密性.通気性・透水性の改善(ギニアグラス.ギニアグラス.青刈りトウモロコシ)
・化学性
土壌の肥沃化(ヘアリーベッチ.レンゲ.クローバー等)
・生物性
ネグサレセンチュウの抑制効果(マリーゴールド.クロタラリア.ギニアグラス)
答え
〇 クロタラリアは、生物性改善策として、ネコブセンチュウとネグサレセンチュウの両方に効果がある。
生物性の改善に関わる緑肥作物には、ネコブセンチュウ対策と、ネグサレセンチュウ対策がある。
両方に効果がある作物として、クロタラリア・マリーゴールド・ギニアグラスなどがある。
答え
× 野菜畑においてヘアリーベッチは、雑草の発生を抑制するためや、土壌肥沃度の向上で利用される。
緑肥作物としてのヘアリーベッチは、化学性の改善(肥沃化)や、雑草抑制として利用される。
答え
× 土壌の電気伝導度(EC)の低下に用いられる緑肥作物には、ソルゴー、ギニアグラス、青刈りトウモロコシがある。
シロカラシやクリムソンクローバーは、景観美化のために利用される緑肥作物である。
答え
〇 土壌の下層がち密化し、耕盤層が形成された圃場では、プラソイラやサブソイラによる耕盤破砕が有効である。
土層の改善には、深さ・硬さ・通気性・透水性などの種類があり、それぞれ適した機械や有機物、緑肥作物などが利用される。
畑の部分的な深耕(25cm以上)の機械
・サブソイラー(心土破砕機)
耕盤や心土層(耕盤より下の硬い部分)を破壊し、透水性の改善に用いられる。下層土が表層に上がらない。
・プラソイラー
耕盤や心土破砕と、荒起こしが同時にできる。(下層土が表層に上がる)
答え
〇 作土層を深くするために、下層土の化学性を調査し、反転、混層などの方法を実施する必要がある。
トレンチャーなどで深耕を行うと、固相割合が低下、気相割合が増加して、土が柔らかくなる。同時に、深耕後の土壌の化学性は、耕した深さ・反転の程度・混層の状況などによって異なる。
・反転(天地返し)は、上層を下層に埋め、下層を上層に掘り上げる方法
・混層は、表層と下層土を同時に耕して混和する方法
答え
〇 作土層を深くするためには、深耕ロータリーやボトムプラウが用いられる。
土層の改善には、深さ・硬さ・通気性・透水性などの種類があり、それぞれ適した機械や有機物、緑肥作物などが利用される。
畑の深耕(25cm以上)で使われる機会には、
全面深耕を行う「深耕プラウ」「深耕ロータリー」「ボトムプラウ」
部分深耕を行う「サブソイラ」「プラソイラ」「トレンチャー」がある。
・深耕ロータリーは、作土層を深くするため(深耕)に用いられる。
ロータリーは、駆動式耕耘機の一種。耕耘爪を取り付け、軸を回転させることで土壌を攪拌する。耕起と砕土を同時に行える。
・ボトムプラウは、作土層を深くするため(深耕)に用いられる。
「プラウ」は、土を耕す機械。「ボトム(発土板)」は、土壌を破砕し反転するためのパーツ。(一般的にプラウといえば、ボトムプラウを指す。)
答え
× レンチャーによる深耕は、土層の反転混層の効果は高いが、大面積を実施する場合の作業効率は悪い。
畑の深耕(25cm以上)
全面深耕を行う「深耕プラウ」「深耕ロータリー」「ボトムプラウ」
部分深耕を行う「サブソイラ」「プラソイラ」「トレンチャー」
トレンチャーは、部分深耕を行う機械である。これを使うと固相割合が低下し、気相割合が増加して土が柔らかくなる。ただし、部分深耕用のため、大面積を実施する場合の作業効率は悪い。
答え
× 地下水位が高く、排水性が悪い圃場の改善には、有機物施用の効果はないため、明渠や暗渠を行う必要がある。
土壌の透水性(排水性)が悪い場合の対策として、堆肥などの有機物施用が効果的である。ただし、もともと地下水位が高い圃場の改善には、効果がない。その場合は、明渠や暗渠を実施する必要がある。
・明渠や暗渠は、排水を目的とした水路
(地表面に出ているのが明渠、地面に埋設されているのが暗渠)
答え
× 緑肥作物の土壌への鋤き込みは、排水性の改善には効果的であるが、塩類集積土壌の改良には効果がない。
緑肥作物は、収穫するのではなく、植物自体を肥料の一部として利用するものを言う。腐らせずに、土壌に鋤き込んで使う。また、育てる作物によって、土壌の物理性・化学性・生物性の改善や、雑草の抑制、景観美化など、様々な効果がある。
緑肥作物を土壌に鋤き込むと、土壌が柔らかくなり、通気性や排水性がよくなる。塩類集積土壌の改良(ECの低下)効果はない。
ただし、クリーニングクロップとしてソルゴーなどの緑肥作物を育て、その後圃場外に持ち出す場合は、塩類集積土壌の改良効果がある。
答え
〇 日減水深の大きな漏水田を改善するためには、客土やていねいな代かきで対応するのが良い。
日減水深(減水深)は、水田で消費される水分量の目安である。(1日当たりの表面の水深低下で測定する)
水稲栽培に適した日減水深は、おおむね20-30mm/日とされている。
日減水深が過剰な水田は、漏水田と呼ばれる。例えば、日減水深が40mm以上となる漏水田の対策としては、代掻き(水を張った田の土を砕く)、床締め、客土(土を運び入れる)、ベントナイト施用(土壌改良剤)などが行われる。
答え
× 日減水深の小さい水田を改善するためには、暗渠などを用いる。
日減水深の小さい水田は、排水性を改善する必要がある。その場合は、暗渠排水によって対応する。
腐植酸質資材や泥炭は、土壌改良資材として用いられる。腐植酸質資材は保肥力の改善、泥炭は保水性の向上などが、メインの効果である。
6.生物性診断
答え
△ 糸状菌の大部分は、菌糸・分生子柄・分生胞子からなる。
キノコ類に関しては、
旧テキストでは「キノコ類は担子菌類であり、糸状菌に含まれる」とされている。
新テキストでは「菌類には、糸状菌(カビ)や担子菌類(キノコ類)が含まれる」とされており、区別されている。(一般的には区別されている。以下別ものとして解説)
土壌微生物の種類は、細菌・放線菌・菌類・原生生物・藻類・センチュウ類などに分類される。
一般的に「菌類」には、糸状菌(カビ)、担子菌類(キノコ類)、酵母が含まれる。
糸状菌(カビ)は、菌糸・(菌糸からのびる)分生子柄・(先端にできる)分生胞子からできている。自然界において、有機物分解の中心的な役割を担っている。
答え
× マメ科植物と共生する根粒菌は、細菌である。
有機物をエネルギー源とする微生物には、他の生物体内に侵入せずに有機物を餌にする「腐生微生物」と、生きた他の生物体内に侵入して有機物をもらう「共生微生物・病原性微生物」がいる。
【有機物をエネルギー源とする微生物】
・腐生微生物
・共生微生物・病原性微生物
(→他の生物体内に侵入して有機物をもらう)
代表的な「共生微生物」として、ダイズなどの根に共生する根粒菌がいる。根粒菌は細菌であり、空気中の窒素を固定して、宿主に供給する。
答え
〇 放線菌は、広くは細菌の仲間で、偽菌糸を作るものが多い。
放線菌は、偽菌糸や胞子を作るものが多く、細菌と糸状菌の中間的な微生物と位置づけられるが、一般的には細菌の仲間とされる。抗生物質の生産や、土壌特有の臭いを出す。
答え
× 土壌病害を起こす菌として、細菌・放線菌・糸状菌・ウイルス・原生生物などがある。なかでも、糸状菌による病気が70~80%を占めている。
土壌病害は、糸状菌によるものが最も多く(70~80%)、次いで原生生物となっている。
答え
〇 根圏では、土壌微生物の棲息密度が高い。その範囲は、一般に根から数mm程度までとされている。
根圏(こんけん)とは、根の影響が及ぶ範囲を指す。ここでは、根による養分吸収や呼吸、根から分泌されるアミノ酸・糖・有機酸などの影響を受ける。そのため根圏土壌は、非根圏土壌に比べて微生物密度が高い(数倍~数百倍)。この範囲は、根と土壌の間の数mmであり、ここで生息している微生物を「根圏微生物」と呼ぶ。
答え
× 根圏では、根からの分泌物が土壌微生物のエサとなる。それにより、微生物の種類が多様となり、病原微生物の増殖が抑制される。
微生物の種類が多様になると、非病原性微生物と病原性微生物とのあいだで、棲み処やエサを巡って競争が起きる。この拮抗作用により、病原微生物の増殖は抑制される。
答え
× マメ科作物では、根粒菌が根粒を作って作物体内で窒素固定を行う。また、サトウキビやサツマイモ体内でも、窒素固定菌が生息している。
土壌微生物の一種である共生微生物には、マメ科植物と共生する根粒菌(細菌)がいる。根粒菌は、空気中の窒素を固定し、宿主に窒素を供給している。
また、共生微生物の中には、植物体内に存在するものもいる。そのようなものはエンドファイト(内生菌)と呼ばれ、植物の細胞間や導管周辺に生息し、養分をもらって増殖する。
エンドファイトの中には、窒素を固定する能力をもつものもいる。例えば、サトウキビやサツマイモに存在するエンドファイトは、作物体内で窒素固定を行っている。
*エンド(endo)は内部、ファイト(phyte)は植物という意味
答え
× 寄生性センチュウの増殖にも、根から分泌される餌を巡る競合が影響する。
センチュウとは、土壌生物の1つである。細菌や有機物を食べて生きる自活性センチュウや、動物や植物に寄生して生きる寄生性センチュウがいる。(主に寄生性センチュウが作物に被害を与える)
自活性センチュウが多い圃場では、寄生性センチュウの被害が少ないことが観察されている。
また、土壌微生物の中には、センチュウを捕捉するものや、センチュウの卵やシストに寄生する菌がいる。
これらが増えることで、寄生性センチュウの増殖が抑制されるため、根から分泌される餌を巡る競合が影響すると考えられる。
答え
× 米ぬかは、とくに糸状菌を増加させるため、フザリウム病を発生させやすい。
有機物を土壌に施肥した場合に増加する、微生物の数や種類は、有機物の種類や熟成度によって異なる。中でも有機質肥料として米ぬかを施用すると、すべての種類の菌が増加するが、とくに糸状菌の増加が大きく、糸状菌優先型の土壌になる。
フザリウムは、糸状菌の一種であり、野菜の萎凋病や萎黄病、つる割れ病、根腐病の原因菌である。そのためフザリウム病に対しては、米ぬかが病原菌を増加させる可能性がある。
対して、有機質肥料としてのカニ殻は、放線菌の増加が大きく、フザリウム病の対策としては効果的である。
答え
〇 カニがらは、放線菌を増殖させるため、フザリウム病を抑制する効果がある。
有機物を土壌に施肥した場合に増加する、微生物の数や種類は、有機物の種類や熟成度によって異なる。中でも有機質肥料としてカニ殻を施用すると、すべての種類の菌が増加するが、とくに放線菌と色素耐性菌の増加が大きい。そのため、糸状菌であるフザリウム病を抑制する効果がある。
答え
× 蒸製骨粉は、糸状菌、細菌、放線菌を比較的均等に増殖させるため、フザリウム病が発生しにくい。
有機質肥料として蒸製骨粉を施用すると、色素耐性菌の増加が大きいが、その他はすべての種類の菌が平均的に増加する。そのため、フザリウム病は発生しにくい。
答え
× 魚カスは、糸状菌を増殖させやすいため、フザリウム病を助長する。
有機質肥料としての、魚かす・蒸製毛粉・なたね油かす・米ぬか・もみ殻・コーヒーかすなどは、糸状菌を増加させやすい。
答え
× アブラナ科作物の圃場でみられる連作障害の多くは、土壌伝染性病害によるものがほとんどである。
連作障害とは、同じ種類の作物を、同じ圃場に連続で栽培したときに、その収量や品質が低下する現象である。
野菜類における連作障害の主な原因は、土壌伝染性病害(約60%)・空気伝染性病害(約11%)となっている。「微量要素の欠乏」は、挙げられていない。
野菜類の場合は、収穫から次の作付けまでの期間が短いため、病原菌や有害センチュウが集積しやすい。そのため、連作障害の主な原因は「病害」となる。
答え
× 連作障害の原因は、土壌病害によるものが最も多い。ただし、土壌化学性の悪化も、障害発生の誘因になっている。
連作障害の原因は、土壌病害の他にも、塩類の集積(化学性の悪化)や物理性の悪化が影響する。
具体的には、過剰な肥料による塩基バランスの崩れ、大型機械の踏圧による耕盤の形成などが挙げられる。
答え
〇 土壌病害による連作障害の多くは、土壌伝染性である。また、土壌物理性の悪化が、土壌病害の誘因にもなる。
野菜類における連作障害の主な原因は、土壌伝染性病害(約60%)・空気伝染性病害(約11%)となっている。
また土壌病害の他にも、塩類の集積(化学性の悪化)や物理性の悪化が影響する。
答え
× 細菌やウイルスなどによる感染は、主に水が媒介している。ただし、土壌からの伝搬も増加している。
排水性が悪い圃場では、水によって病原菌が媒介され、土壌病害が広まりやすい。また最近では、大型機械(トラクターなど)の導入によって、車輪に付いた土が病原菌の伝播を増加させているといわれる。
答え
〇 キュウリ疫病は、土壌pH5.0~6.0で多発し、アルカリ性域ではあまり発生しない。
土壌病害と化学性の関係においては、とくにpHとの関連が大きい。
一般的に、糸状菌によるものは、酸性で多発し、アルカリ性で抑制されることが多い。
例えば、キュウリ疫病は、糸状菌のPhytophthora melonis(フィトフィソラ メロニス)が原因であり、葉の萎凋や立枯症状が起こるが、土壌pH5.0~6.0で多発、アルカリ性域で少ないとされる。
答え
× ジャガイモ黒あざ病は、土壌が酸性域で多発し、硝酸態窒素の施用で発生が軽減される。
ジャガイモ黒あざ病は、糸状菌であるRhizoctonia solani(リゾクトニア・ソラニ)が原因であり、表面に不形成のあざが生じる。これは酸性土壌で多発する。
また、施用する窒素の種類によっても、病害の発生頻度が異なることがある。
黒あざ病や、萎凋病、萎黄病、根腐病、白絹病などは、硝酸態窒素の施用で軽減される。
一方、タバコ黒根病やじゃがいもそうか病は、アンモニア態窒素の施用で軽減される。
(これらは、pHの変化が影響していると考えられる。)
答え
× アブラナ科作物の根こぶ病は、土壌pHが6以下の酸性域で多発する。
アブラナ科作物の根こぶ病は、原生生物であるPlasmodiophora brassicae(プラスモディオフォラ ブラシカ)が原因となる。
この発生には土壌pHの影響が大きく、pH6以下で多発する。一方、pH7.2~7.4(中性~弱アルカリ性)にすると、微生物の遊走子である鞭毛が動けなくなり、感染が減少する。
答え
× ニンジン白絹病は、糸状菌によって発生し、硝酸態窒素の施用で発生が軽減する。
ニンジン白絹病は、糸状菌であるSclerotium rolfsii(スクレロティウム・ロルフシ)が原因となる。
病害の発生は、施用する窒素の種類によって頻度が異なることがある。
黒あざ病や、萎凋病、萎黄病、根腐病、白絹病などは、硝酸態窒素の施用で軽減される。
一方、タバコ黒根病やじゃがいもそうか病は、アンモニア態窒素の施用で軽減される。
(これらは、pHの変化が影響していると考えられる。)
答え
× キュウリつる割れ病は、糸状菌による導管病である。
土壌感染性障害は、症状の特徴によって3つに分類される。
・柔組織病
表皮など柔らかい細胞組織が壊死する。苗立枯病や根腐れ病が含まれる。
・導管病
菌が導管に侵入して、水の上昇を妨げる。地上部分が萎凋する。
・肥大病
細胞の異常分裂やこぶ状の肥大が起こる。導管が圧迫されて萎凋する。
※症状の特徴による分類なので、原因となる病原菌や具体的な病名には、いろいろな種類がある。
キュウリつる割れ病は、糸状菌(フザリウム菌)が原因となる導管病である。下葉から萎凋がはじまり、やがて全体が枯死する。
細菌が原因となる導管病には、青枯病がある。先端葉の急な萎れのあと、植物全体が急速に萎凋し、やがて枯死する。
答え
× イチゴ萎黄病は、親株からランナーの導管を経由して、子株に伝わる。
代表的なイチゴの土壌病害として、炭疽病と萎黄病がある。
萎黄病は、糸状菌であるフザリウムが原因となる導管病である。感染すると全体が萎黄状態となり、萎凋して枯死する。
ランナーとは、開花後に伸びる細い茎をいう。先端に芽があり、おもな機能は、親株から子株への養水分供給である。
萎黄病は、親株が感染すると、ランナーを経由して子株に伝わる。
答え
× ジャガイモそうか病対策としては、土壌pHを5.0程度にする必要がある。
ジャガイモそうか病は、放線菌であるStreptomyces scabies(ストレプトマイセス・スカビエス)などが原因となる柔組織病である。発病には土壌pHが大きく影響し、pH6.5以上で多発する。一方、低pHでは発病が抑制されるため、対策としてpH5.0前後にすることが推奨されている。
答え
〇 トマト萎凋病は、糸状菌による導管病である。
トマト萎凋病は、糸状菌のフザリウムが原因となる導管病である。下葉から黄化や萎凋が始まり、枯死に至る。高温時に発生しやすく、トマトの重要な病害である。萎凋した部分では、維管束の褐変が見られる。
答え
〇 細菌による青枯れ病は、導管病である。
土壌感染性障害は、症状の特徴によって3つに分類される。
・柔組織病
表皮など柔らかい細胞組織が壊死する。苗立枯病や根腐れ病が含まれる。
・導管病
菌が導管に侵入して、水の上昇を妨げる。地上部分が萎凋する。
・肥大病
細胞の異常分裂やこぶ状の肥大が起こる。導管が圧迫されて萎凋する。
※症状の特徴による分類なので、原因となる病原菌や具体的な病名には、いろいろな種類がある。
青枯病は、先端葉の急な萎れのあと、植物全体が急速に萎凋し、やがて枯死する。トマト、ナス、ピーマンなど、20科以上の作物で発生する。
答え
× イチゴ萎黄病は、フザリウム菌による導管病である。
萎黄病は、糸状菌であるフザリウムが原因となる導管病である。感染すると全体が萎黄状態となり、萎凋して枯死する。
答え
× ジャガイモそうか病は、放線菌による柔組織病である。
ジャガイモそうか病は、放線菌であるStreptomyces scabies(ストレプトマイセス・スカビエス)などが原因となる柔組織病である。感染すると、塊茎表皮のふくれ、くぼみ、褐変、コルク化などが起こる。病変部分を除けば食べられるが、見た目が悪くなるので、市場価値が下がる。
答え
× アブラナ科の根こぶ病は、原生生物による肥大病である。
アブラナ科作物の根こぶ病は、原生生物であるPlasmodiophora brassicae(プラスモディオフォラ ブラシカ)が原因となる。根にこぶができ、根の機能低下や地上部の黄化が起こる病害である。通気性が乏しい、排水不良の土壌で多く見られる。
答え
〇 発病ポテンシャルを評価する場合は、病原菌密度とともに前作の発病程度も考慮する。
土壌病害の発病ポテンシャル(発病のしやすさ)には、土壌中の病原菌密度が最も影響する。そのため、病原菌密度を把握し、土壌消毒などの対策を実施することが重要となる。
また、病原菌密度以外にも、菌の病原性・土壌条件・栽培作物・環境要因(日照・温度・水分)などが発病に関わる。そのため、発病ポテンシャルを評価する場合には、前作の発病程度や、pH、水分などを総合的に考慮することが望ましい。
答え
〇 根こぶ病の場合には、pHや土壌水分も発病ポテンシャルとして考慮する必要がある。
根こぶ病は、原生生物であるPlasmodiophora brassicae(プラスモディオフォラ ブラシカ)が原因となる。
この発生には土壌pHの影響が大きく、pH6以下で多発する。一方、pH7.2~7.4(中性~弱アルカリ性)にすると、微生物の遊走子である鞭毛が動けなくなり、感染が減少する。
また、通気性が乏しい、排水不良の土壌で多く見られる。水分量でみると、最大容水量の60%以上で発症しやすく、40%以下の乾燥条件では、発症しにくい。
そのため、根こぶ病の場合には、pHや土壌水分も発病ポテンシャルとして考慮する必要がある。
答え
〇 前作の発病程度が農薬使用等により不明の場合には、セルトレイ検定を行うとよい。
土壌病害の発病ポテンシャル(発病のしやすさ)には、土壌中の病原菌密度が最も影響する。また、発病ポテンシャルを評価する場合には、前作の発病程度や、pH、水分などを総合的に考慮することが望ましい。
ただし、前作の発病程度が農薬使用等により不明の場合には、セルトレイ検定を行う。セルトレイ検定は、セルトレイ(育苗のための小さな容器が連結したもの)に、栽培する土壌を入れ、ハクサイなどを播種して根こぶの発生程度を見る方法である。
答え
× おとり作物の葉ダイコンの根こぶ病抑制効果は、病原菌密度が10⁴個/g以下であれば抑制効果が高い。
おとり作物とは、病原菌や害虫を誘い出すために用いる作物をいう。
根こぶ病に対して、葉ダイコンをおとり作物に使う場合、病原菌密度が10⁴個/g以下であれば抑制効果が高い。これよりも密度が高くなると、効果はかなり低下する。(つまり、密度が低いときに用いるのが効果的。)
答え
× カブの根こぶ病は、土壌水分が過湿気味で、酸性土壌で発生しやすい。
根こぶ病は、原生生物であるPlasmodiophora brassicae(プラスモディオフォラ ブラシカ)が原因となる。
この発生には土壌pHの影響が大きく、pH6以下(酸性)で多発する。一方、pH7.2~7.4(中性~弱アルカリ性)にすると、微生物の遊走子である鞭毛が動けなくなり、感染が減少する。
また、通気性が乏しい、排水不良の土壌で多く見られる。水分量でみると、最大容水量の60%以上で発症しやすく、40%以下の乾燥条件では、発症しにくい。
答え
〇 ジャガイモそうか病は、リン酸過剰ではリン酸アルミニウムを形成して、発病しやすくなる。
ジャガイモそうか病は、放線菌であるStreptomyces scabies(ストレプトマイセス・スカビエス)などが原因となる柔組織病である。
そうか病は、土壌中のアルミニウムイオンが病原菌の発育を抑制するため、酸性土壌では発生しにくい。
ただし、リン酸が過剰になると、リン酸アルミニウムを形成して、阻害力が弱くなる。(発病しやすくなる)
答え
× サツマイモ立枯病などを引き起こす放線菌による病害は、輪作による発病軽減効果が現れにくい。
輪作とは、「地力維持を目的に、異なる種類の作物を、同一の耕地に一定の順序で繰り返して栽培すること」と定義される。輪作の実施は、土壌微生物フローラの単純化や、病原力の増加を防ぎ、病原菌密度を低下させる効果がある。
ただし、輪作の効果は病原菌によって異なり、ジャガイモのそうか病やサツマイモの立枯病を起こす放線菌や、ナスの半身萎凋病を起こす糸状菌には、効果が現れにくい。
答え
× キュウリつる割病菌の感染源は、厚膜胞子で土壌中で5〜15年生存する。
キュウリつる割れ病は、糸状菌(フザリウム菌)が原因となる導管病である。下葉から萎凋がはじまり、やがて全体が枯死する。
胞子とは糸状菌の生殖器官であり、無性胞子と有性胞子に分けられる。
・無性胞子(分生子、胞子のう胞子、遊走子、厚膜胞子、休眠胞子)
・有性胞子(卵胞子、接合胞子、子のう胞子、担子胞子)
厚膜胞子は、菌糸などの細胞壁が厚くなることでつくられる。
キュウリつる割れ病、野菜の萎凋病、萎黄病、根腐病などの一部は、糸状菌(フザリウム菌)が厚膜胞子の状態で生き残り、5~15年生存する。
答え
× 土壌病原菌による病害の発生は、連作下と輪作下で相違がある。
連作とは、同じ種類の作物を、同じ圃場に連続で栽培することである。
連作下では、連作障害(収量や品質が低下する現象)が起こりやすい。これは、特定の病原菌が増殖することや病原菌の発病力が強くなること、養分バランスが崩れることが要因である。
対して輪作とは、異なる種類の作物を、同一の耕地に一定の順序で繰り返して栽培することである。
輪作の実施は、土壌微生物フローラの単純化や、病原力の増加を防ぎ、病原菌密度を低下させる効果がある。
よって、連作下と輪作下では、土壌病原菌による病害の発生頻度が異なる。(連作下では少ない病原菌数で発病する)
答え
× 輪作による発病軽減効果は、一般に、病原菌密度の低い圃場で効果が現れやすい。
輪作とは、「地力維持を目的に、異なる種類の作物を、同一の耕地に一定の順序で繰り返して栽培すること」と定義される。輪作の実施は、土壌微生物フローラの単純化や、病原力の増加を防ぎ、病原菌密度を低下させる効果がある。
この効果は、病原菌密度の低い圃場で現れやすい。これは、輪作が病原菌を完全に除去する方法ではなく、低い密度を維持するための方法だからである。
答え
× 野菜の萎凋病などフザリウム菌による病害は、輪作の効果が現れにくい。
輪作とは、「地力維持を目的に、異なる種類の作物を、同一の耕地に一定の順序で繰り返して栽培すること」と定義される。輪作の実施は、土壌微生物フローラの単純化や、病原力の増加を防ぎ、病原菌密度を低下させる効果がある。
ただし、輪作の効果は病原菌によって異なる。
フザリウム菌(糸状菌)による野菜の萎凋病などは、菌が厚膜胞子の状態で生き残り、5~15年生存するため、輪作の効果が現れにくい。
答え
〇 ジャガイモそうか病やサツマイモ立枯病などは、輪作の効果が現れにくい。
輪作の効果が現れにくいものとして、以下のようなものがある。
・ジャガイモそうか病(放線菌)
・サツマイモの立枯病(放線菌)
・ナスの半身萎凋病(糸状菌)
・野菜の萎凋病(糸状菌)
いずれも病原菌の生存力が高い(長期間生存する)。
答え
× 土壌還元消毒法で特に効果が期待できる土壌病害虫には、イチゴ萎黄病、ナス半身萎凋病、野菜や花の苗立枯病、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウなどがある。
【熱による土壌消毒】
・太陽熱土壌消毒
・土壌還元消毒
・蒸気土壌消毒
・熱水土壌消毒
*熱による土壌消毒以外の方法として、「農薬による土壌消毒」がある
土壌還元消毒は、微生物に利用されやすい有機物(ふすま、米ぬか)を土壌に鋤き込み、太陽熱土壌消毒(太陽熱を利用し病原菌を死滅させる方法。ほとんどの病原菌は、地温45℃以上・7日間で死滅する)を行う方法である。有機物によって微生物の増殖を促進させ、酸素の消費量を多くする。すると、より強い還元状態になり、低温でも病原菌が死滅するようになる。
トマトに関して土壌還元消毒の「効果が高い」ものとしては、トマト褐色根腐病、トマトネコブセンチュウがある。
トマト青枯病は、「効果が不安定である」。トマトモザイク病は「効果がない」(原因がウイルスなので消毒が効かない)とされる。
答え
× 熱水土壌消毒では、土壌中のマンガンが交換態となり、過剰症が発生しやすい。
【熱による土壌消毒】
・太陽熱土壌消毒
・土壌還元消毒
・蒸気土壌消毒
・熱水土壌消毒
*熱による土壌消毒以外の方法として、「農薬による土壌消毒」がある。
熱水土壌消毒は、熱水によって病害虫を死滅させる方法である。土壌表面を被覆した状態で熱水を散布する。糸状菌、細菌、放線菌、センチュウなど、広範囲に効果がある。
ただし、熱水により、マンガンが作物に吸収されやすい交換態に変化して、過剰症が発生しやすくなる。(処理後40日程度で元に戻る)
答え
〇 太陽熱土壌消毒は、土壌病害虫の防除効果とともに、雑草防除の効果も高い。
太陽熱土壌消毒は、太陽熱を利用し、病原菌を死滅させる方法。ほとんどの病原菌は、地温45℃以上・7日間で死滅するという特性を利用している。
熱を使った土壌消毒は、農薬による消毒と比べて、再汚染防止効果が高い。また、土壌病害虫の防除効果とともに、雑草防除の効果も高い。
答え
× 低濃度エタノールを利用した土壌還元消毒で、ドブ臭は発生しない。
土壌還元消毒には、資材として低濃度エタノールを用いる方法がある。他の資材を使う方法と比較して、下層に生息する病害虫への効果が高い。
資材にフスマを使う場合はどぶ臭が発生するので、住宅に隣接する場所では注意が必要であるが、低濃度エタノール処理では発生しない。
答え
〇 アブラナ科作物の根こぶ病菌は、土壌pHを7.2~7.4に調整すると、遊走子の鞭毛が動きにくくなり、感染しにくくなる。
土壌病害の発生は、土壌の化学性とも関連する。
アブラナ科作物の根こぶ病は、原生生物であるPlasmodiophora brassicae(プラスモディオフォラ ブラシカ)が原因となる。
この発生には土壌pHの影響が大きく、pH6以下で多発する。一方、pH7.2~7.4(中性~弱アルカリ性)にすると、微生物の遊走子である鞭毛が動けなくなり、感染が減少する。
答え
〇 ジャガイモそうか病は、酸性土壌で活性化するアルミニウムイオンが、そうか病菌の発育を阻害するとされている。
土壌病害の発生は、土壌の化学性とも関連する。
ジャガイモそうか病は、放線菌であるStreptomyces scabies(ストレプトマイセス・スカビエス)などが原因となる柔組織病である。発病には土壌pHが大きく影響し、pH6.5以上で多発する。一方、低pHでは発病が抑制されるため、対策としてpH5.0前後にすることが推奨されている。
これは、酸性土壌で活性化するアルミニウムイオンが、そうか病菌の発育を阻害するためと考えられる。ただし、リン酸が過剰な土壌では、リン酸アルミニウムが形成されるため、阻害力が弱くなる。
答え
× 窒素過剰になると、病気に罹りやすくなる。また、施用する窒素の形態は、発病に影響を与える。
窒素が過剰になると、作物が軟弱になり、病気に罹りやすくなる。この影響は、施用する窒素の形態によっても異なる。(pHの変化が影響すると考えられる)
・硝酸態窒素で軽減
フザリウム・オキシスポラム(萎凋病、萎黄病など)
フザリウム・ソラニ(根腐病など)
スクレロティウム・ロルフシ(白絹病)
・アンモニア態窒素で軽減
チエラビオプシス・バシコラ(タバコ黒根病)
バーティシリウム・ダーリエ(半身萎凋病)
ストレプトマイセス・スカビエス(ジャガイモそうか病)
答え
〇 亜リン酸は、苗立枯病・疫病・根腐病などに、防除効果があると報告されている。
リン酸の中でも亜リン酸は、苗立枯病・疫病・根腐病などに、防除効果があると報告されている。これは、病原菌に対しての殺菌効果や、ファイトアレキシン(植物が持つ病害抵抗性)の誘導が関係すると考えられる。ただし、予防効果なので、発病前に施用する必要がある。
答え
〇 多量の米ぬかの施用は、糸状菌を増やす。トマト萎凋病など、フザリウム菌による被害が出ている圃場では控える。
有機物を土壌に施肥した場合に増加する、微生物の数や種類は、有機物の種類や熟成度によって異なる。中でも有機質肥料として米ぬかを施用すると、すべての種類の菌が増加するが、とくに糸状菌の増加が大きく、糸状菌優先型の土壌になる。
フザリウムは、糸状菌の一種であり、野菜の萎凋病や萎黄病、つる割れ病、根腐病の原因菌である。そのためフザリウム病に対しては、米ぬかが病原菌を増加させる可能性がある。
答え
× 土壌伝染性の青枯病や根こぶ病は、水分が多いと発病を助長するので、排水対策が重要である。一方でそうか病は、土壌が乾燥している場合に発病が助長される。
青枯病は、細菌による土壌伝染性病害のひとつ。菌が根や茎で増殖し、導管部を閉塞して全体を萎凋させる。最終的には枯死する。発生が増加する条件としては、排水不良がある。耕種的防除法として、排水対策が推奨される。
アブラナ科に多い根こぶ病は、根にこぶができ、根の機能低下や地上部の黄化が起こる病害である。通気性が乏しい、排水不良の土壌で多く見られる。水分量でみると、最大容水量の60%以上で発症しやすく、40%以下の乾燥条件では、発症しにくい。
ジャガイモに多いそうか病は、放線菌であるStreptomyces scabies(ストレプトマイセス・スカビエス)などが原因となる柔組織病である。発病には土壌pHが大きく影響し、pH6.5以上で多発する。また、一般的に乾燥土壌で多発する(詳しい理由は不明)。
答え
〇 ジャガイモ、コンニャクなどの塊茎類は、植付直前に有機物を多量施肥すると土壌病害の発生が多くなる。
有機物の施用も、土壌病害の発生に影響を与える。(作物の種類によって異なる)
例えば、ジャガイモ、コンニャクなどの塊茎類は、植付直前に有機物を多量施肥すると土壌病害の発生が多くなる。一方、塊茎の肥大は良好となる。
答え
〇 野菜の疫病や苗立枯病の病原菌は、遊走子を作り水中を動くことが可能である。感染抑制のためには、明渠などの排水対策が有効である。
テンサイ黒根病、野菜の疫病、苗立枯病、アブラナ科根こぶ病などの原因となる菌は、遊走子が第一感染源である。
【遊走子】無性生殖を行なう胞子(生殖細胞)の1つ。鞭毛があり、水中で遊泳運動をする。
そのため、排水不良の土壌では感染の可能性が高くなる。対策として、明渠や明渠の施工、高畝栽培などがある。
答え
〇 土壌還元消毒法で特に効果が期待できる土壌病害虫には、トマト褐色根腐病やトマトネコブセンチュウがある。
【熱による土壌消毒】
・太陽熱土壌消毒
・土壌還元消毒
・蒸気土壌消毒
・熱水土壌消毒
*熱による土壌消毒以外の方法として、「農薬による土壌消毒」がある
土壌還元消毒は、微生物に利用されやすい有機物(ふすま、米ぬか)を土壌に鋤き込み、太陽熱土壌消毒(太陽熱を利用し病原菌を死滅させる方法。ほとんどの病原菌は、地温45℃以上・7日間で死滅する)を行う方法である。有機物によって微生物の増殖を促進させ、酸素の消費量を多くする。すると、より強い還元状態になり、低温でも病原菌が死滅するようになる。
トマトに関して土壌還元消毒の「効果が高い」ものとしては、トマト褐色根腐病、トマトネコブセンチュウがある。
対して、トマト青枯病は「効果が不安定である」、トマトモザイク病は「効果がない」(原因がウイルスなので消毒が効かない)とされる。
答え
× 熱水土壌消毒法は、蒸気土壌消毒と同様、土壌中のマンガンが交換態となり、過剰症が発生しやすい。
【熱による土壌消毒】
・太陽熱土壌消毒
・土壌還元消毒
・蒸気土壌消毒
・熱水土壌消毒
*熱による土壌消毒以外の方法として、「農薬による土壌消毒」がある。
熱水土壌消毒は、熱水によって病害虫を死滅させる方法である。土壌表面を被覆した状態で熱水を散布する。糸状菌、細菌、放線菌、センチュウなど、広範囲に効果がある。
ただし、熱水により、マンガンが作物に吸収されやすい交換態に変化して、過剰症が発生しやすくなる。(処理後40日程度で元に戻る)
答え
× 太陽熱土壌消毒法は、土壌病害虫の防除効果に加えて、雑草防除の効果も高い。
太陽熱土壌消毒は、太陽熱を利用し、病原菌を死滅させる方法。ほとんどの病原菌は、地温45℃以上・7日間で死滅するという特性を利用している。
熱を使った土壌消毒は、農薬による消毒と比べて、再汚染防止効果が高い。また、土壌病害虫の防除効果とともに、雑草防除の効果も高い。
答え
× 低濃度エタノールを利用した土壌還元消毒法は、下層に生息する土壌病害虫の防除効果が高い。
土壌還元消毒には、資材として低濃度エタノールを用いる方法がある。他の資材を使う方法と比較して、下層に生息する病害虫への効果が高い。
資材にフスマを使う場合はどぶ臭が発生するので、住宅に隣接する場所では注意が必要であるが、低濃度エタノール処理では発生しない。
答え
× 窒素過剰になると、病気に罹りやすくなる。また、施用する窒素の形態は、発病に影響を与える。
窒素が過剰になると、作物が軟弱になり、病気に罹りやすくなる。この影響は、施用する窒素の形態によっても異なる。(pHの変化が影響すると考えられる)
・硝酸態窒素で軽減
フザリウム・オキシスポラム(萎凋病、萎黄病など)
フザリウム・ソラニ(根腐病など)
スクレロティウム・ロルフシ(白絹病)
・アンモニア態窒素で軽減
チエラビオプシス・バシコラ(タバコ黒根病)
バーティシリウム・ダーリエ(半身萎凋病)
ストレプトマイセス・スカビエス(ジャガイモそうか病)
答え
× リン酸肥料の一種である亜リン酸は、苗立枯病・疫病・根腐病・アブラナ科作物根こぶ病などに、防除効果があると報告されている。
リン酸の中でも亜リン酸は、苗立枯病・疫病・根腐病・アブラナ科作物根こぶ病などに、防除効果があると報告されている。これは、病原菌に対しての殺菌効果や、ファイトアレキシン(植物が持つ病害抵抗性)の誘導が関係すると考えられる。ただし、予防効果なので、発病前に施用する必要がある。
答え
× ジャガイモそうか病菌は、土壌が酸性域で発生が抑制されることから、pH5.0程度で土壌管理するのが良い。
ジャガイモそうか病は、放線菌であるStreptomyces scabies(ストレプトマイセス・スカビエス)などが原因となる柔組織病である。発病には土壌pHが大きく影響し、pH6.5以上で多発する。一方、低pHでは発病が抑制されるため、対策としてpH5.0前後にすることが推奨されている。
答え
〇 メロンつる割れ病、キュウリ疫病やトマト萎凋病は、土壌pHが酸性域で多発する。
糸状菌であるFusarium oxysporum(フザリウム・オキシスポラム)が原因となる病害に、キュウリ・メロン・スイカのつる割れ病、トマト・ゴボウの萎凋病、ラッキョウ乾腐病、ナス半枯病がある。これらは、酸性域で多発し、アルカリ性で抑制される。
また、キュウリ疫病は、糸状菌のPhytophthora melonis(フィトフィソラ メロニス)が原因であり、葉の萎凋や立枯症状が起こる。これも土壌pH5.0~6.0(酸性域)で多発、アルカリ性域で少ないとされる。
7.肥料・資材・堆肥
答え
〇 肥料三要素のうち、二つ以上を含むものを複合肥料といい、その代表が化成肥料と配合肥料である。
肥料は、肥料法(旧.肥料取締法)によって、普通肥料と特殊肥料に大別される。(土壌改良資材は肥料とは別もの)
また、普通肥料には、単肥(窒素肥料やリン酸肥料のように1つの成分を含む)や、複合肥料(肥料三要素である窒素・リン酸・カリウムのうち、二つ以上を含むもの)などがある。
さらに、複合肥料は、化成肥料(1粒に2種類以上の要素が含まれるよう化学加工したもの)や、配合肥料(化学加工せずに単肥を混合したもの)などに分類される。
(今回の分類整理)
【普通肥料】
[単肥]
[複合肥料]
・化成肥料(化学加工アリ)
・配合肥料(単肥を合わせただけ)
【特殊肥料】
答え
〇 化成肥料は、肥料原料に化学的操作を加えた複合肥料である。保証成分の合計量によって、15%以上30%未満の普通化成肥料と、30%以上の高度化成肥料とに分けられる。
複合肥料の一種である化成肥料は、肥料1粒に2種類以上の要素(窒素・リン酸・カリウムのいずれか)を含むよう加工したものである。(単なる単肥の混合ではなく、1粒内に2種類以上の要素が含まれるように加工している。)
また、化成肥料の中でも、保証成分の合計量(三要素の割合)が30%未満のものを「普通化成(低度化成)肥料」、30%以上のものを「高度化成肥料」と呼ぶ。
(今回の分類整理)
【普通肥料】
[単肥]
[複合肥料]
・化成肥料
- 普通化成
- 高度化成
・配合肥料
【特殊肥料】
答え
× 配合肥料は、肥料原料を単に物理的に混合して製造した複合肥料である。主成分の合計量、2%以上を保証する。
複合肥料の一種である配合肥料は、化学加工を行わず、単に単肥を物理的に混合したものである。これは肥料法によって、主成分の合計量(保証成分量)が2%以上と定められている。
(今回の分類整理)
【普通肥料】
[単肥]
[複合肥料]
・化成肥料
・配合肥料(保証成分量2%以上)
【特殊肥料】
答え
〇 指定配合肥料は、汚泥肥料等を除く登録された普通肥料のみを、2種類以上配合したものである。
普通肥料を生産・輸入する場合、基本的には銘柄ごとに、農林水産大臣・都道府県知事の登録を受ける必要がある。ただし例外的に、登録を受けている肥料を混合した肥料の場合は、届出のみで生産・輸入することができる。これを、「指定混合肥料」と呼ぶ。
指定混合肥料はさらに、使用する原料や加工方法によって「指定配合肥料」「指定化成肥料」「特殊肥料等入り指定混合肥料」「土壌改良資材入り指定混合肥料」の4種類に分類される。
今回の「指定配合肥料」はこの一種であり、登録された普通肥料のみを2種類以上配合したものである。
(今回の分類整理)
【普通肥料】
[単肥]
[複合肥料]
[指定混合肥料]
・指定配合肥料
・指定化成肥料
・特殊肥料等入り指定混合肥料
・土壌改良資材入り指定混合肥料
【特殊肥料】
答え
× 植物由来の有機質肥料であっても、粉末にしたものは普通肥料として扱われる。
肥料は、肥料法により、普通肥料・特殊肥料の2つに分類される。
普通肥料は、農林水産大臣の登録を受けた者が生産・輸入することができる。肥料の成分には規格があり、有効成分が保証されている。一般的な化学肥料などが含まれる。
対して特殊肥料は、魚かす、米ぬかのような農家の経験と五感によってその品質が識別できる肥料や、堆肥などを指す。
生産や販売は、都道府県知事に届出をすることにより行なうことができる。(ただし、種類は農林水産大臣が指定している。)
動植物由来の有機質肥料は、特殊肥料に含まれる場合があるが、粉末にしたものなどは普通肥料に該当する。(特殊肥料に指定されているもの以外は、すべて普通肥料という扱い方)
答え
〇 魚かす、干魚等を粉末にした有機質肥料は、普通肥料として登録する必要がある。
魚かすや干魚などは特殊肥料に指定されている。ただし、粉末にしたものは普通肥料扱いになる。そのため、農林水産大臣・都道府県知事の登録を受ける必要がある。
答え
× 油かす肥料の窒素肥効は、原料の種類によって差がある。
有機質肥料の一種である「油かす肥料」には、大豆油かす・なたね油かす・米ぬか油かすなどがある。これらの有効態窒素の分解率(窒素肥効)は、種類によって異なる。
肥効が高い方から、大豆油かす>なたね油かす>米ぬか油かす となっている。
答え
× 有機質肥料は、同一成分で施肥量が同じ条件の無機質肥料と比べると、電気伝導度(EC)を高めにくい。
EC(Electrical Conductivity/電気伝導度)は、土壌中の電気の伝わりやすさであり、塩類濃度の指標である。
EC(電気伝導度)は、使用する肥料によって影響の受けやすさが異なる。
・有機質肥料より、無機質肥料の方が、ECを高めやすい
・硫酸塩よりも、塩化物の方が、ECを高めやすい
これは、無機質肥料(化学肥料)の肥効が早いことが影響する。(分解せずにすぐ使える状態の成分になっている→土壌中の養分が急激に増える→ECが高まる)
答え
× 化成肥料は、窒素・リン酸・加里のうち2成分以上を含み、化学反応を伴って製造された複合肥料である。
複合肥料の一種である化成肥料は、肥料1粒に2種類以上の要素(窒素・リン酸・カリウムのいずれか)を含むよう加工したものである。(単なる単肥の混合ではなく、1粒内に2種類以上の要素が含まれるように加工している。)
また、化成肥料の中でも、保証成分の合計量(三要素の割合)が30%未満のものを「普通化成(低度化成)肥料」、30%以上のものを「高度化成肥料」と呼ぶ。
(今回の分類整理)
【普通肥料】
[単肥]
[複合肥料]
・化成肥料
・配合肥料
【特殊肥料】
答え
〇 配合肥料は、化成肥料に比べ製造方法が単純で、銘柄の切り替えが簡単にでき、多銘柄少量生産が可能である。
複合肥料の一種である配合肥料は、化学加工を行わず、単に単肥を物理的に混合したものである。肥料法によって、主成分の合計量(保証成分量)が2%以上と定められている。化学加工を行う化成肥料と比べると、製造方法が単純で、銘柄の切り替えが簡単にできる。そのため、多銘柄少量生産が可能であり、地域や土壌、作物に適した要望に対応できる。
(今回の分類整理)
【普通肥料】
[単肥]
[複合肥料]
・化成肥料(化学加工アリ)
・配合肥料(単肥を合わせただけ)
【特殊肥料】
答え
× 指定配合肥料は、公定規格に定められた普通肥料どうしの配合肥料であれば、登録の必要はないが、都道府県知事か農林水産大臣に届け出をする必要がある。
普通肥料を生産・輸入する場合、基本的には銘柄ごとに、農林水産大臣・都道府県知事の登録を受ける必要がある。ただし例外的に、登録を受けている肥料を混合した肥料の場合は、届出のみで生産・輸入することができる。これを、「指定混合肥料」と呼ぶ。
指定混合肥料はさらに、使用する原料や加工方法によって「指定配合肥料」「指定化成肥料」「特殊肥料等入り指定混合肥料」「土壌改良資材入り指定混合肥料」の4種類に分類される。
よって公定規格に定められた普通肥料どうしの配合肥料であれば、登録の必要はないが、届け出をする必要がある。
(今回の分類整理)
【普通肥料】
[単肥]
[複合肥料]
[指定混合肥料]
・指定配合肥料
・指定化成肥料
・特殊肥料等入り指定混合肥料
・土壌改良資材入り指定混合肥料
【特殊肥料】
答え
× 被覆肥料の肥料成分の溶出は、被膜内に侵入した水分が原料肥料を溶かし、外部にしみ出るため、温度の影響を受けやすい。
肥料成分の溶出や効果を調節・制御するよう作られた肥料を「緩効性肥料」と呼ぶ。緩効性肥料は、化学合成緩効性窒素肥料と被覆肥料に分類される。
被覆肥料は、原料となる化学肥料の表面を、被膜でコーティングすることで、養分の溶出をコントロールする肥料である。被膜には、樹脂や溶融硫黄、熔リンなどが使われる。
被覆肥料の成分が溶出する仕組みは、被膜内に侵入した水分が原料肥料を溶かし、溶液となって外部にしみ出るため。よって温度による影響を受けやすく、低温では効果が遅く、高温では早くなる傾向にある。
(今回の分類整理)
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
[被覆肥料]
・被覆窒素肥料
・被覆リン酸肥料
・被覆カリウム肥料
・被覆複合肥料
・被覆マグネシウム肥料
答え
× 窒素質肥料には、速効性と緩効性のものがあり、微生物分解により肥効を現すCDU窒素は、緩効性である
CDU窒素(アセトアルデヒド縮合尿素)は、緩効性の窒素肥料の一種である。窒素を28%以上含み、ほとんど水に溶けない。主に微生物によって分解され、肥料効果を現す。(ただし、pHが低い場合は加水分解される。)
対して、IB窒素(イソブチルアルデヒド縮合尿素)は、加水分解によって効果が現れる。
また、窒素肥料は、成分によって速効性と緩効性がある。
石灰窒素や、肥効を調節したCDU窒素などが、緩効性である。
(今回の分類整理)
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
・IB窒素
・CDU窒素
・ホルム窒素
[被覆肥料]
答え
〇 尿素の硝酸化成速度は、一般に、硫安や塩安よりも早く速効的である。
尿素は、速効性の窒素肥料の一種である。
尿素は分子状態でも吸収されるが、多くはアンモニア態窒素・硝酸態窒素へと変化して吸収される。このときの硝酸化成速度は、硫安や塩安よりも早い。ただし、高温条件になるとその変化は遅くなる。
答え
× 石灰窒素から生成されるアンモニア態窒素は、穏やかに硝酸態窒素となることで、緩効的な肥効を示す。
石灰窒素は、緩効性の窒素肥料の一種である。
含まれる窒素はカルシウムシアナミド(シアナミドはCN2H2 で表される化合物)であり、土壌中では加水分解によって尿素へと変化する。その後、微生物の酵素(ウレアーゼ)によってアンモニア態窒素へと変わる。また、シアナミドの一部はジシアンジアミドに変化し、硝酸化成作用を抑制する。そのため、アンモニア態窒素の状態で長く保持され、徐々に硝酸態窒素へと変化する。よって、緩効性である。
答え
× 硫安は、副成分として硫酸根を持った生理的酸性肥料であり、土壌を酸性化する。
硫安は、速効性の窒素肥料の一種である。
他のアンモニア態窒素とは違い、副成分として硫酸根(硫酸イオン)を持っている。硫酸イオンは、ほとんど土壌に吸着されず、カルシウムやマグネシウムなどを伴って流亡する。これによって土壌が酸性化する。(カルシウムにはpHを上昇させる作用があった)
そしてこのように、化学的には中性でも、残った副成分の影響で土壌のpHが下がるものを「生理的酸性肥料」と呼ぶ。
引用/2.肥料の種類と特色/農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/gum10.pdf
肥料には、主成分とともに副成分が含まれる。肥料を施用した場合、この影響により土壌pHが変化するものがある。(生理的反応)
・生理的酸性肥料
化学的には中性であるが、肥料成分が吸収されたあと、酸性の副成分が残るもの
(硫安/硫酸アンモニア、塩安/塩化アンモニア)
・生理的中性肥料
肥料成分が吸収されたあと、酸性やアルカリ性の副成分が残らないもの
(尿素、過リン酸石灰)
・生理的アルカリ性肥料
化学的には中性か酸性であるが、肥料成分が吸収されたあと、アルカリ性の副成分が残るもの
(熔成リン肥、石灰窒素)
答え
〇 過リン酸石灰は、水溶性リン酸を主成分とする速効性肥料で、リン酸吸収係数の大きい土壌では、作物に吸収されにくい形態になりやすい。
過リン酸石灰は、水溶性リン酸を主成分とする速効性肥料である。
水溶性のため、リン酸吸収係数が高い土壌では、アルミニウムと結合し、作物に吸収されにくい形態になる。よって、施用する場合は、堆肥と混ぜたり、石灰によってアルミニウムの活性を弱めたりする。
答え
× 熔成リン肥は、く溶性リン酸を含む肥料で、肥効に持続性がある。
リン酸肥料成分の特徴は、3つに分類される。
・く溶性リン酸(CP)
2%クエン酸に溶解する。作物の根から分泌される有機酸によって、ゆっくり溶解・吸収される。
リン酸マグネシウム・熔成リン肥など
・可溶性リン酸(SP)
ペーテルマンクエン酸アンモニウムに溶解する。
リン酸二カルシウムなど
・水溶性リン酸(WP)
水に溶解する。速効的に吸収される。
過リン酸石灰など
熔成リン肥(熔リン)は、く溶性リン酸を主成分とする。緩効性であり、アルカリ性でもあるので、リン酸吸収係数が高い土壌でも、高い肥効が認められる。
ちなみに、水溶性リン酸と、く溶性リン酸の両方を含む肥料には、苦土重焼リンがある。
答え
× 熔成リン肥(熔リン)は、く溶性リン酸質肥料で、リン酸吸収係数の大きい土壌でも、高い肥効が認められている。苦土重焼リンは、水溶性リン酸と、く溶性リン酸の両方を含む肥料であり、肥効に持続性がある。
熔成リン肥(熔リン)は、く溶性リン酸を主成分とする。緩効性であり、アルカリ性でもあるので、リン酸吸収係数が高い土壌でも、高い肥効が認められる。
対して、苦土重焼リンは、水溶性リン酸と、く溶性リン酸の両方を含む肥料である。まずは速効性の水溶性リンが根から吸収され、その後、緩効性のく溶性リンが効くため、肥効に持続性がある。
答え
× リン酸質肥料には、く溶性、水溶性と可溶性がある。可溶性リン酸は、水溶性リン酸と同様、作物に比較的早く吸収される。
リン酸肥料成分の特徴は、3つに分類される。
・く溶性リン酸(CP)
2%クエン酸に溶解する。作物の根から分泌される有機酸によって、ゆっくり溶解・吸収される。
リン酸マグネシウム・熔成リン肥など
・可溶性リン酸(SP)
ペーテルマンクエン酸アンモニウムに溶解する。
リン酸二カルシウムなど
・水溶性リン酸(WP)
水に溶解する。速効的に吸収される。
過リン酸石灰など
可溶性リン酸は、(水溶性リン酸ほど早くはないが)比較的早く作物に吸収される。
答え
〇 硫安は、副成分として硫酸根を持った生理的酸性肥料であり、土壌を酸性化する。
硫安は、速効性の窒素肥料の一種である。
他のアンモニア態窒素とは違い、副成分として硫酸根(硫酸イオン)を持っている。硫酸イオンは、ほとんど土壌に吸着されず、カルシウムやマグネシウムなどを伴って流亡する。これによって土壌が酸性化する。(カルシウムにはpHを上昇させる作用があった)
そしてこのように、化学的には中性でも、残った副成分の影響で土壌のpHが下がるものを「生理的酸性肥料」と呼ぶ。
引用/2.肥料の種類と特色/農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/gum10.pdf
肥料には、主成分とともに副成分が含まれる。肥料を施用した場合、この影響により土壌pHが変化するものがある。(生理的反応)
・生理的酸性肥料
化学的には中性であるが、肥料成分が吸収されたあと、酸性の副成分が残るもの
(硫安/硫酸アンモニア、塩安/塩化アンモニア)
・生理的中性肥料
肥料成分が吸収されたあと、酸性やアルカリ性の副成分が残らないもの
(尿素、過リン酸石灰)
・生理的アルカリ性肥料
化学的には中性か酸性であるが、肥料成分が吸収されたあと、アルカリ性の副成分が残るもの
(熔成リン肥、石灰窒素)
答え
〇 尿素の硝酸化成速度は、一般に、硫安や塩安よりも早く速効的である。
尿素は、速効性の窒素肥料の一種である。
尿素は分子状態でも吸収されるが、多くはアンモニア態窒素・硝酸態窒素へと変化して吸収される。このときの硝酸化成速度は、硫安や塩安よりも早い。ただし、高温条件になるとその変化は遅くなる。
答え
〇 石灰窒素は、シアナミド態窒素を含むので、農薬としても用いられ、施肥に際しては施用後1~2週間程度経てから播種などを行うようにする。
石灰窒素は、緩効性の窒素肥料の一種である。
含まれる窒素はカルシウムシアナミド(シアナミドはCN2H2 で表される化合物)であり、土壌中では加水分解によって尿素へと変化する。その後、微生物の酵素(ウレアーゼ)によってアンモニア態窒素へと変わる。また、シアナミドの一部はジシアンジアミドに変化し、硝酸化成作用を抑制する。そのため、アンモニア態窒素の状態で長く保持され、徐々に硝酸態窒素へと変化する。よって、緩効性である。
シアナミドが尿素やアンモニアに変化するのには一定期間が必要なので、一般的には、施肥後1週間程度あけてから播種や定植を行う。
また、シアナミドには殺虫・殺菌・除草効果があり、農薬としても登録されている。
答え
× CDU窒素は、低pH土壌では加水分解により肥効を現す。
CDU窒素(アセトアルデヒド縮合尿素)は、緩効性の窒素肥料の一種である。窒素を28%以上含み、ほとんど水に溶けない。主に微生物によって分解され、肥料効果を現す。ただし、pHが低い場合は加水分解される。
答え
〇 苦土重焼リンは、く溶性リン酸と水溶性リン酸の両方を含む生理的中性肥料である。
リン酸肥料成分の特徴は、3つに分類される。
・く溶性リン酸(CP)
2%クエン酸に溶解する。作物の根から分泌される有機酸によって、ゆっくり溶解・吸収される。
リン酸マグネシウム・熔成リン肥など
・可溶性リン酸(SP)
ペーテルマンクエン酸アンモニウムに溶解する。
リン酸二カルシウムなど
・水溶性リン酸(WP)
水に溶解する。速効的に吸収される。
過リン酸石灰など
苦土重焼リンは、水溶性リン酸と、く溶性リン酸の両方を含む肥料である。まずは速効性の水溶性リンが根から吸収され、その後、緩効性のく溶性リンが効くため、肥効に持続性がある。生理的には、中性である。
答え
〇 熔成リン肥は緩効性であり、リン酸吸収係数の大きい酸性土壌でも、高い肥効が認められている。
熔成リン肥(熔リン)は、く溶性リン酸を主成分とする。緩効性であり、アルカリ性でもあるので、リン酸吸収係数が高い土壌でも、高い肥効が認められる。(アルカリ性なのは、副成分にカルシウムを含んでいるため。土壌のリン酸の固定能力は、酸性で上昇する。)
答え
× 熔成リン肥は、副成分として、苦土、石灰およびケイ酸を含んでいる。
熔成リン肥(熔リン)は、く溶性リン酸を主成分とする。緩効性であり、アルカリ性でもあるので、リン酸吸収係数が高い土壌でも、高い肥効が認められる。
副成分として、石灰(カルシウム)・苦土(マグネシウム)・ケイ酸を含んでいる。
答え
〇 過リン酸石灰肥料は、水溶性リン酸を主成分とする速効性肥料である。
リン酸肥料成分の特徴は、3つに分類される。
・く溶性リン酸(CP)
2%クエン酸に溶解する。作物の根から分泌される有機酸によって、ゆっくり溶解・吸収される。
リン酸マグネシウム・熔成リン肥など
・可溶性リン酸(SP)
ペーテルマンクエン酸アンモニウムに溶解する。
リン酸二カルシウムなど
・水溶性リン酸(WP)
水に溶解する。速効的に吸収される。
過リン酸石灰など。
過リン酸石灰は、水溶性リン酸を主成分とする速効性肥料である。水溶性のため、リン酸吸収係数が高い土壌では、アルミニウムと結合し、作物に吸収されにくい形態になる。よって、施用する場合は、堆肥と混ぜたり、石灰によってアルミニウムの活性を弱めたりする。
答え
〇 石灰窒素は、化学合成緩効性窒素肥料である。
肥料成分の溶出や効果を調節・制御するよう作られた肥料を「緩効性肥料」と呼ぶ。緩効性肥料は、化学合成緩効性窒素肥料と被覆肥料に分類される。石灰窒素は、緩効性の窒素肥料の一種である。
(今回の分類整理)
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
・石灰窒素
・IB窒素
・CDU窒素
・ホルム窒素
[被覆肥料]
・被覆窒素肥料
・被覆リン酸肥料
・被覆カリウム肥料
・被覆複合肥料
・被覆マグネシウム肥料
含まれる窒素はカルシウムシアナミド(シアナミドはCN2H2 で表される化合物)であり、土壌中では加水分解によって尿素へと変化する。その後、微生物の酵素(ウレアーゼ)によってアンモニア態窒素へと変わる。また、シアナミドの一部はジシアンジアミドに変化し、硝酸化成作用を抑制する。そのため、アンモニア態窒素の状態で長く保持され、徐々に硝酸態窒素へと変化する。よって、緩効性である。
答え
× ウレアホルムは、微生物分解により窒素を放出する。
ウレアホルム(ホルム窒素/ホルムアルデヒド加工尿素)は、化学合成緩効性窒素肥料の一種である。
(今回の分類整理)
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
・IB窒素
・CDU窒素
・ホルム窒素
[被覆肥料]
ウレアホルムは、窒素を35%以上含み、主に微生物分解によって肥効を現す。単肥としての利用はすくなく、化成肥料の材料として使われる。
答え
× 化学合成緩効性窒素肥料は、肥料の粒の大きさによって分解の速さを調節できる。
肥料成分の溶出や効果を調節・制御するよう作られた肥料を「緩効性肥料」と呼ぶ。緩効性肥料は、化学合成緩効性窒素肥料と被覆肥料に分類される。
(今回の分類整理)
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
・石灰窒素
・IB窒素
・CDU窒素
・ホルム窒素
[被覆肥料]
・被覆窒素肥料
・被覆リン酸肥料
・被覆カリウム肥料
・被覆複合肥料
・被覆マグネシウム肥料
化学合成緩効性窒素肥料は、肥料そのものは水に溶けにくく、微生物による分解を受けにくい性質をもつ。(なので緩効性)
土壌中では、加水分解や微生物分解を受けて有効化する。このときの分解の速さは、肥料の粒の大きさによって調節できる。
答え
× 被覆肥料の被膜剤としては、合成樹脂や、硫黄のような無機系のものがある。
肥料成分の溶出や効果を調節・制御するよう作られた肥料を「緩効性肥料」と呼ぶ。緩効性肥料は、化学合成緩効性窒素肥料と被覆肥料に分類される。
被覆肥料は、原料となる化学肥料の表面を、被膜でコーティングすることで、養分の溶出をコントロールする肥料である。被膜には、樹脂や溶融硫黄、熔リンなどが使われる。
(今回の分類整理)
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
[被覆肥料]
・被覆窒素肥料
・被覆リン酸肥料
・被覆カリウム肥料
・被覆複合肥料
・被覆マグネシウム肥料
答え
× 石灰質肥料は、作物のリン酸吸収に影響を与える。
石灰質肥料にはいくつかの効果がある。
メインの効果
・土壌の酸性を中和する(pHを上げる/アルカリ性寄りにする)
・カルシウムを供給する
サブの効果
・有機物の分解を促進する(とくに水田における稲わら鋤き込みの分解促進)
・土壌の酸性を矯正し、アルミニウムを不可給態にする。同時にリン酸の吸収率を上げる
・土壌の酸性を矯正し、病原菌の多発を抑制する(酸性で多くなるキュウリつる割れ病や、フザリウム菌など)
答え
〇 苦土石灰と化成肥料を同時に施用しても問題はない。
石灰質資材には、次のようなものがある。
生石灰や生石灰は、効き目が早い速効性である。そのため、化成肥料を同時に施用することは避ける。(石灰施用後7~10後に、化成肥料を施用する)
一方、苦土石灰は、やや緩効性のため、化成肥料を同時に施用しても問題はない。
答え
× 炭酸石灰の土壌に対する酸性中和力は、苦土石灰より低い。
石灰質肥料における、土壌に対しての酸性中和力(酸性を改善する能力)は、高い方から「生石灰」「消石灰」「苦土石灰」「炭酸石灰(炭カル)」である。
これには、含まれるアルカリ成分の割合が影響している。
「生石灰」80%
「消石灰」60%
「苦土石灰」55%
「炭酸石灰(炭カル)」50%
答え
× ケイ酸カルシウムの土壌に対する酸性中和力は、炭酸石灰より低い。
ケイ酸カルシウム(別名/鉱さいけい酸質肥料/ケイカル)は、可溶性けい酸、アルカリ分、く溶性苦土を含む肥料である。可溶性けい酸は、30%程度が多い。一般的に、水稲に対する組織強化の効果、畑作物に対しては酸性矯正を目的に使用される。ただし、消石灰や炭酸石灰と比べて、酸性中和力は弱い。(効果が穏やかなので、長続きする)
答え
× 石灰窒素は、窒素の形態がシアナミド態であり、畑土壌ではアンモニア態窒素を経て、ゆっくりと硝酸態窒素に変化する。
石灰窒素は、緩効性の窒素肥料の一種である。含まれる窒素はカルシウムシアナミド(シアナミドはCN₂H₂ で表される化合物)であり、土壌中では加水分解によって尿素へと変化する。その後、微生物の酵素(ウレアーゼ)によってアンモニア態窒素へと変わる。
また、シアナミドの一部はジシアンジアミドに変化し、硝酸化成作用を抑制する。そのため、アンモニア態窒素の状態で長く保持され、徐々に硝酸態窒素へと変化する。よって、緩効性である。
答え
× IB窒素は、主に地温によって肥効が変化するわけではない。
IB窒素は、化学合成緩効性窒素肥料の一種である。
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
・IB窒素
・CDU窒素
・ホルム窒素
[被覆肥料]
窒素を28%以上含み、主に加水分解によって効果が現れる。粒の大きさによって分解スピードを調節でき、大粒ほど緩効性である。地温によって肥効が変化するわけではない。
答え
× CDU窒素は、主に微生物分解により肥効を現すが、土壌pHが低い場合には、加水分解される。
CDU窒素は、化学合成緩効性窒素肥料の一種である。
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
・IB窒素
・CDU窒素
・ホルム窒素
[被覆肥料]
窒素を28%以上含み、ほとんど水に溶けない。主に微生物によって分解され、肥料効果を現す。(ただし、pHが低い場合は加水分解される。詳しい理由は不明)
答え
〇 被覆窒素肥料の窒素原料は、主に尿素であり、その肥効は緩効性である。
尿素は、窒素を43%以上含む速効性の肥料である。ただし、尿素系の肥料には、尿素を反応させて肥効を緩効性にしたものがある。
代表的なものが、IB窒素(イソブチルアルデヒド縮合尿素)・CDU窒素(アセトアルデヒド縮合尿素)・ホルム窒素(ウレアホルム/ホルムアルデヒド加工尿素)である。
【緩効性肥料】
[化学合成緩効性窒素肥料]
・IB窒素
・CDU窒素
・ホルム窒素
[被覆肥料]
答え
〇 バーミキュライト、パーライトとゼオライトは、政令指定資材である。
土壌改良資材とは、土壌の物理性、化学性、生物性などを改善し、地力や生産性を高める目的で施すものである。肥料効果を兼ねるものもあるが、区別して考えられることが多い。また、土壌改良資材の中には、地力増進法で規定されている「政令指定土壌改良資材(12種類)」がある。
【政令指定土壌改良資材】
・泥炭(ピート類)
・バーク堆肥
・腐植酸質資材
・木炭
・けい藻土焼成粒
・ゼオライト
・バーミキュライト
・パーライト
・ベントナイト
・VA菌根菌資材
・ポリエチレンイミン系資材
・ポリビニールアルコール系資材
バーミキュライトは、鉱物である「ひる石」を焼成して膨張させたもの。通気性、透水性、保水力に優れ、保肥力も高い。主に、透水性、通気性の改善に用いられる。
パーライトは、火山岩の一種を砕いて焼成して膨張させたもの。多孔質で軽く、壊れにくい。孔隙に水分が保たれるため、保水性の改善に用いられる。(保肥力はほとんどない)
ゼオライトは、沸石(別名ゼオライト)を含む凝灰岩を、粒状や粉状に加工したもの。保肥力の向上、塩基の補給、火山灰土土壌のリン酸吸収の向上などの効果がある。主には、土壌保肥力の改善として用いられる。
答え
× バーク堆肥と腐植酸質資材は、政令指定資材であり、かつ肥料法の肥料指定も受けている。熔成リン肥は、肥料であり土壌改良資材としても使われるが、政令指定資材ではない。
土壌改良資材とは、土壌の物理性、化学性、生物性などを改善し、地力や生産性を高める目的で施すものである。肥料効果を兼ねるものもあるが、区別して考えられることが多い。また、土壌改良資材の中には、地力増進法で規定されている「政令指定土壌改良資材(12種類)」がある。
一方、肥料法が扱う肥料の中にも、土壌改良資材として扱われるものもある。例えば、熔成リン肥(熔リン)・石灰・堆肥など。
さらに中には、政令指定土壌改良資材(地力増進法)と肥料(肥料法)を兼ねているものもあり、それが「バーク堆肥」と「腐植酸質資材」である。
*肥料取締法は、現在「肥料の品質の確保等に関する法律」(ここでは通称/肥料法で記載)に変更されている。
答え
〇 石灰質資材、堆肥等は、政令指定資材ではない広義の土壌改良資材であるが、肥料法の肥料指定を受けている。
土壌改良資材とは、「土壌の物理性、化学性、生物性などを改善し、地力や生産性を高める目的で施すもの」である。一方肥料は、「植物に栄養を与えたり、植物の栽培のために土壌に化学的変化をもたらすことを目的として施すもの」である。
ただし中には、土壌改良資材・肥料両方の性質を持つものもある。例えば、熔りん・石灰・堆肥など。
また、土壌改良資材の中には、地力増進法が規定する「政令指定土壌改良資材(12種類)」もある。例えば、バーグ堆肥・腐植質資材など。
石灰質資材や堆肥は、肥料であり土壌改良資材であるが、政令指定はされていない。
*肥料取締法は、現在「肥料の品質の確保等に関する法律」(ここでは通称/肥料法で記載)に変更されている。
答え
〇 VA菌根菌以外の微生物資材は、政令指定資材ではない、広義の土壌改良資材である。
地力増進法で規定されている「政令指定土壌改良資材(12種類)」は次の通り。
【政令指定土壌改良資材】
・泥炭(ピート類)
・バーク堆肥
・腐植酸質資材
・木炭
・けい藻土焼成粒
・ゼオライト
・バーミキュライト
・パーライト
・ベントナイト
・VA菌根菌資材
・ポリエチレンイミン系資材
・ポリビニールアルコール系資材
微生物資材とは、微生物の機能を利用して、作物育生や堆肥化を促進する土壌改良資材である。(効果は様々あり、それに対応した微生物が含まれている)
現在、政令指定土壌改良資材として指定されている微生物資材は、「VA菌根菌資材」のみである。VA菌根菌(AM菌とも言う)は、植物の根に感染して菌根をつくるカビの一種。
よって、VA菌根菌以外の微生物資材は、政令指定資材ではない、広義の土壌改良資材となる。
*肥料取締法は、現在「肥料の品質の確保等に関する法律」(ここでは通称/肥料法で記載)に変更されている。
答え パーライト
地力増進法で規定されている「政令指定土壌改良資材(12種類)」は次の通り。
【政令指定土壌改良資材】
・泥炭(ピート類)
・バーク堆肥
・腐植酸質資材
・木炭
・けい藻土焼成粒
・ゼオライト
・バーミキュライト
・パーライト
・ベントナイト
・VA菌根菌資材
・ポリエチレンイミン系資材
・ポリビニールアルコール系資材
パーライトは、火山岩の一種を砕いて焼成して膨張させたもの。多孔質で軽く、壊れにくい。孔隙に水分が保たれるため、保水性の改善に用いられる。(保肥力はほとんどない)
バーミキュライトは、鉱物である「ひる石」を焼成して膨張させたもの。通気性、透水性、保水力に優れ、保肥力も高い。主に、透水性、通気性の改善に用いられる。
バーク堆肥は、樹皮を材料にした堆肥。通気性がよく、多孔質で保水性もよい。ただし肥料効果は期待できない。主に、土壌の膨軟化に利用される。
ポリビニールアルコール系資材は、合成高分子資材の1つ。灌水することで土壌に浸透させ、乾燥してから耕耘することで、団粒が形成される。よって主な用途は、土壌の団粒形成促進である。
答え
〇 堆肥は、主として土壌改善を目的に施用されているが、肥料効果が期待できるものもある。
堆肥とは、有機資材を堆積し、腐熟させたものである。肥料法による定義では「各種有機物(汚泥等を除く) を堆積又は攪拌し、腐熟したもの」と定義される。作物に養分を与える肥料効果や、土壌の改善効果(物理性・化学性・生物性)を期待して施用される。
つまり、肥料であり土壌改良資材でもある。(政令指定はされていない)
*肥料取締法は、現在「肥料の品質の確保等に関する法律」(ここでは通称/肥料法で記載)に変更されている。
答え
× 排水の悪い水田では、地力窒素の発現が遅れる。堆肥の施用量を多くすると、倒伏が増えたり、収量が低下したりする。(堆肥の施用量は多くしない)
堆肥の施用によって、水稲の収量が増加したという試験結果が多い。これは、籾数の増加や、地力窒素の発現、土壌物理性の改善などが要因となる。
ただし、排水不良の水田では、堆肥の効果が表れにくく、収量増加の効果が出にくい。これは、排水が悪いため、有機物の分解が遅れ、窒素の発現が生育後期になるため。
このときに過剰な堆肥を施用したり、窒素成分が多い堆肥を施用し続けると、過繁茂となり、倒伏が増えたり、収量が低下したりする。
答え
〇 堆肥の取り扱い性を高めるためにペレット加工されているものがあり、ブロードキャスターで容易に散布ができる。
堆肥を選択する際、重視される項目として「腐熟度」「取扱い性」「肥料成分の安定性」「土壌物理性改善効果」などが挙げられる。
「取扱い性」を上げるための工夫としては、ペレット加工された堆肥が販売されている。ペレット堆肥とは、家畜糞堆肥などを円柱形に圧縮成型したもの。乾燥させることで、堆積や重量が低減される。また、ブロードキャスター(という機械)で、容易に散布ができる。
答え
〇 十分に発酵した堆肥は、病原菌や雑草種子が死滅しており、安心して利用できる。
有機物をそのまま土壌に施用すると、分解による土壌の還元化、病原菌や雑草の増加、資材に由来する有害物質の影響、窒素飢餓など、様々な悪影響を起こすリスクがある。これを回避するために、微生物の作用を利用して、安全で有効な資材にすることを「堆肥化」と呼ぶ。
堆肥化の目的
・有機物の分解で出る有害な有機酸を、分解して無害化する
・発酵熱により、病原菌や雑草種子を死滅させる
・発酵によって悪臭をなくす
・水分含量を下げて、保存性や取扱い性をよくする
また、堆肥化の過程を経ることを「腐熟」と呼ぶ。腐熟の程度は、堆肥の品質に関わる。腐熟(の中の発酵)が未熟な堆肥では、病原菌や雑草種子が生きている可能性がある。一方、十分に発酵した堆肥は、病原菌や雑草種子が死滅しており、安心して利用できる。
答え
× 堆肥中の病原菌を死滅させるためには、発酵中の堆肥の温度を60~70℃までに高めるようにする。
堆肥化の過程の発酵では、微生物の増殖に伴い熱が発生する。堆積物中の温度は60~70℃に達し、これによって雑草種子や有害な微生物が死滅する。
詳しくみると、深さ30cmの部分で、「60℃以上・連続7日以上」または「65℃以上・48時間」が必要とされる。
答え
× 肥料法でいうと堆肥は、汚泥を除く各種有機物を堆積または攪拌し、腐熟したものである。
堆肥とは、有機資材を堆積し、腐熟させたものである。肥料法による定義では「各種有機物(汚泥等を除く) を堆積又は攪拌し、腐熟したもの」と定義される。
また、肥料は肥料法によって「普通肥料」と「特殊肥料」に大別される。
堆肥や、米ぬか・油かすといった有機物は、基本的に「特殊肥料」に分類される。(届出は必要だか、登録は必要ない。公定規格もない)
ただし、汚泥肥料を腐熟させた汚泥発酵肥料は普通肥料に分類されるため、登録が必要であり、公定規格がある。
【汚泥肥料】汚泥(下水、し尿、工場排水などを浄化した残渣)に含まれる有機物を、分解して増殖した微生物が主体になる肥料。
答え
〇 豚ぷん堆肥中の銅と亜鉛濃度が一定以上のものは、肥料法で表示が義務づけられている。
普通肥料には、公定規格や保証票添付の義務がある。一方、特殊肥料に、公定規格はなく保証票の添付も必要ない。
ただし、特殊肥料のなかでも「堆肥」や「動物排泄物(牛ふん・豚ふん・鶏ふんなど)」には、品質表示基準が定められており、一部の成分に対して表示が必要となっている。
【普通肥料】
公定規格あり・保証票必須
【特殊肥料】
公定規格なし・保証票不要
一部に品質表示基準あり
堆肥や動物排泄物の「品質表示基準」
・窒素
・リン酸
・銅(300mg/1kg以上の場合)
・亜鉛(900mg/1kg以上の場合)
・石灰(150g/1kg以上の場合)
など
よって、豚ぷん堆肥中の銅と亜鉛濃度が一定以上のものは、肥料法で表示が義務づけられている。
答え
× 堆肥をマニュアスプレッダで散布する場合、水分が多いと、固まりやすくなるので、水分含量は50%程度がよい。
堆肥を選択する際、重視される項目として「腐熟度」「取扱い性」「肥料成分の安定性」「土壌物理性改善効果」などが挙げられる。
「取扱い性」の1つとして、「マニュアスプレッダ(という機械)で散布する」が挙げられる。このとき、水分が多く塊になると、圃場に均一に散布できない。また、水分が少ないと粉状になって飛散する。そのため、適度な水分含量(約50%)が望まれる。
答え
× 牛ふん堆肥は、カリウム含量がやや高く、有機物の分解は、やや遅い。
家畜ふん関係の堆肥には、牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥・鶏ふん堆肥などがある。特徴は以下の通り。
・牛ふん堆肥
カリウムがやや多い、分解はやや遅い
・豚ぷん堆肥
リン酸が多い、分解はやや早い
・鶏ふん堆肥
リン酸が多い、分解はやや早い
採卵鶏ふん堆肥は、カルシウムが多い
一般的に、家畜ふん堆肥の肥料成分は、牛、豚、鶏の順に高くなる。(牛<豚<鶏)
そのため、肥料成分が少なく、分解が遅い牛ふん堆肥は、「土づくり的堆肥」(有機物の補給による物理性の改善向上)を目的に使われる。
一方、豚ぷん堆肥や鶏ふん堆肥は、「有機質肥料的堆肥」(肥料分の補給による化学性の改善向上)を目的に使われる。
答え
× 鶏ふん堆肥は、採卵鶏でリン酸とカルシウム含量が高い。有機物の分解は、やや早い。
・鶏ふん堆肥
リン酸が多い、分解はやや早い
採卵鶏ふん堆肥は、カルシウムが多い
採卵鶏(産卵鶏)とは、卵を採る目的で飼育される鶏のこと。ほぼ毎日卵を産むため、カルシウムを与える量が多い。与えたカルシウムの大部分は糞に排泄されるため、採卵鶏ふん堆肥のカルシウムは多い。
ブロイラーは、食用の若鶏。
答え
〇 バーク堆肥は、窒素、リン酸および加里の含量がすべて低く、有機物の分解が遅い。
バーク堆肥は、土壌改良資材の1つである。政令指定資材であり、かつ肥料法の肥料指定も受けている。
樹皮を材料にした堆肥であり、通気性がよく、多孔質で保水性もよい。ただし、窒素・リン酸・カリウムなどは少なく、肥料効果は期待できない。土壌中での分解も遅く、窒素の有機化も少ない。主に、土壌物理性の改善(土壌の膨軟化)に利用される。
答え
× 食品リサイクル堆肥は、窒素含量が高く、リン酸および加里は低い。有機物の分解は、平均的な早さである。
食品関係の堆肥として「食品リサイクル堆肥」がある。野菜くずなど、原料中の10%以上に食品残渣を含む。窒素が多く、リン酸とカリウムは少ない。分解速度は平均的とされる。食品リサイクル法の制定によって増えてきた。
答え
〇 メタン発酵消化液(汚泥肥料を除く)は、有機JAS農産物の生産資材として用いることができる。
メタン発酵消化液とは、メタン発酵の処理過程において残る液体である。
メタン発酵とは、メタン生成菌を利用して、有機性廃棄物からバイオガスを取り出す技術。バイオガスは、発電などに利用されている。
メタン発酵の後に残るメタン発酵消化液は、窒素・リン酸・カリウムなどの肥料成分を含んでいるため、肥料として利用される。
また、有機JAS規格(有機農産物の日本農林規格)においては、汚泥肥料を含まないメタン発酵消化液は、堆肥に分類されており、利用することができる。
答え
〇 メタン発酵消化液を施用する場合、トマト果実に尻腐れ症を生じることがあるので、多量施用に注意する。
メタン発酵消化液の肥料成分は、カリウムが最も多く、次いで窒素となる。リン酸は少ない。また、窒素の約7割は、アンモニア態窒素である。炭素率(C/N比)は4以下が多く、肥効は速効性。
施用効果は作物によって異なるが、多量に施肥した場合、ブロッコリーでは花蕾重量の低下、トマトでは果実の尻腐れ病が発生しやすくなる。アンモニア態窒素が多いため、過剰施用に注意が必要となる。
(トマト尻腐れ症はカルシウム不足が原因となるが、カルシウムの吸収を阻害する要因として、アンモニアが最も力が強いため)
答え
× メタン発酵消化液の肥料成分は、カリウム・窒素が多く、リン酸が少ない。
メタン発酵消化液の肥料成分は、カリウムが最も多く、次いで窒素となる。リン酸は少ない。また、窒素の約7割は、アンモニア態窒素である。炭素率(C/N比)は4以下が多く、肥効は速効性。
答え
〇 メタン発酵消化液は、基肥だけでなく、追肥としても用いられることがある。
メタン発酵消化液は、水稲や露地野菜・畑地において、基肥・追肥として利用されている。(牧草地においては、基肥として利用される。)
8.栽培特性
答え
× ホウレンソウは深根性である。コマツナは浅根性で、乾燥に弱い。
ホウレンソウやコマツナなどは、栄養生長段階(生育途中)で収穫する野菜類である。急速に傷みやすいことから、軟弱野菜と呼ばれる。一般的には、年に数回作付けされ、葉を収穫する。
ホウレンソウは、根が深く伸び、60cm程度まで根群を形成する(深根性)。そのため、作土が深く排水が良い圃場が適する。湿害には弱い。
一方、コマツナは浅根性のため、表土の乾燥は生育に及ぼす影響が大きく、乾燥に弱い。灌水の方法によって、品質が大きく変わる。
答え
× トマトの根は、深根性で吸肥力が強い。キュウリの根は、浅根性である。
トマトは吸肥力が強く、肥料の利用効率が高い作物である。根は、幅1m・深さ1mに達する深根性で、肥料がある場合には、生育初期からよく生長する。
一方キュウリは、浅根性であり、比較的乾燥に弱い。また、水分と酸素の要求量が大きい。
答え
× ハクサイは、深根性である。キャベツは、浅根性であり、土壌の過湿や乾燥に弱い。
ハクサイの根は、細くて弱いが、数が多く広く深く伸長する(深根性)。そのため、根が広く張れて肥沃な土壌でないと、養分が吸収できず、質がよくならない。よって、深耕や有機物の施用が大切となる。また、ハクサイは水分を多く必要とするが、過湿には弱い。
キャベツは、浅根性であり、根は表層近くに分布する。排水不良や地下水位の高い圃場では、生育が悪い。野菜類の中では、最も過湿に弱いとされる。
答え
〇 麦類は、一般に湿害に弱い。コムギよりもオオムギの方が湿害に弱い。
麦類は、土壌中の空気を多く必要とする作物である。そのため、湿害に弱い。コムギよりも、オオムギの方が弱い。また、湿害に最も弱い時期は、節間伸長期から登熟期が最も弱いとされる。
答え
〇 飼料用米の施肥は、食用米よりやや遅めで多めの穂肥や、穂揃い期の追肥がよい。
飼料用米(家畜の飼料として利用する米)は、収量の多さや、玄米たんぱく質が多い栄養価の高いものが求められている。(味ではなく栄養価)
そのため、食用米よりも、やや遅めで多めの穂肥(穂の発育をよくするため、穂の分化が始まる前に施される追肥)や、穂揃い期(穂が80~90%が出たとき)の追肥がよいとされる。
一方で、食用米の場合は、玄米中のたんぱく質含量が高まると食味が低下するため、過度な追肥は避けられる。
答え
× 食味を重視した水稲栽培では、穂揃い期の実肥は避けられる。
食用米は、玄米中のたんぱく質含量が高まると食味が低下する。そのため、たんぱく質含量を高めないような栽培がされる。穂揃い期(穂が80~90%が出たとき)に施用する実肥は、登熟の向上や米粒を重くする効果があり、以前は実施されていたが、食味の面から現在はほとんど施用されない。
答え
× 水稲の窒素吸収は、出穂期までが最も旺盛になる。
イネの発育段階は、発芽から穂の分化までの「栄養成長期」、穂の分化から出穂までの「生殖成長期」、出穂から成熟までの「登熟期」の3つに大きく分けられる。
また、最上部の葉から穂の先端が出ることを出穂(しゅっすい)と呼び、10〜20%が出穂した日を「出穂始期」、40〜50%が出穂した日を「出穂期」、90%以上が出穂した日を「穂揃期」と呼ぶ。
一般的には「出穂期」が、発育段階の転換点として用いられている。(判別のしやすいため)
窒素吸収は、収量に影響するが、出穂期までが最も旺盛になる。
答え
× 水稲においてリン酸は、初期生育に必要とされるので、基肥として施用する。
水稲におけるリン酸は、主に初期成育に必要となる。不足すると、分げつや草丈が抑制される。そのため、基肥(播種や移植の前に施される肥料)として施用する。
穂肥とは、幼穂形成期(出穂22〜24日前頃)に施用する追肥のことで、窒素が利用される。
答え
× 麦類は、水稲に比べて酸性に弱い。中でも、コムギよりオオムギが弱い。
麦類の特徴の1つとして、水稲などに比べて酸性に弱いことが挙げられる。具体的には、コムギはpH6.0付近、オオムギはpH7.0付近を好む(オオムギの方が酸性に対する耐性が弱い)。土壌が酸性化すると根の生長が阻害され、生育不良となる。ちなみに、水稲のpHは5.5~6.5付近が適する。
答え
× 麦類の中で、一般にコムギよりオオムギの方が、湿害に弱い。
麦類は、土壌中の空気を多く必要とする作物である。そのため、湿害に弱い。コムギよりも、オオムギの方が弱い。また、湿害に最も弱い時期は、節間伸長期から登熟期が最も弱いとされる。
答え
× 麦類の生育ステージで、湿害に最も弱い時期は、節間伸長期から登熟期にかけてである。
麦類の生育ステージは、起生期(茎立期)→幼穂形成期→出穂開花期→登熟期→成熟期などに分けられる。節間伸長期は、幼穂形成期の後の、生育が旺盛になる時期を指す。
麦類は、土壌中の空気を多く必要とする作物である。そのため、湿害に弱い。コムギよりも、オオムギの方が弱い。また、湿害に最も弱い時期は、節間伸長期から登熟期が最も弱いとされる。
答え
〇 麦類の収量向上に穂数の確保が大きく影響するが、穂数を増加させる上で起生(茎立)期頃の窒素施肥効果が大きい。
麦類の生育ステージは、起生期(茎立期)→幼穂形成期→出穂開花期→登熟期→成熟期などに分けられる。
養分管理においては、時期によって効果が異なる。起生期(茎立期)の窒素施肥は、穂数を増加させる効果が大きい。幼穂形成期の窒素施肥は、穂の粒数を増やす。出穂期以降は、たんぱく質含量を増やす。
また、ムギ類の収量は穂数が大きく影響するため、収量を確保したい場合は、起生期(茎立期)~幼穂形成期の窒素施肥が重要となる。
答え
× ダイズでは、出芽後に根粒菌が活動を始めるまでの初期生育の確保が重要であるが、基肥窒素量は少量で十分である。
ダイズにおける窒素施肥は、「出芽後の初期成育を確保すること」「根粒菌が活動をはじめるまでのスターター」という意味合いが強いとされる。根粒菌は、空気中の窒素を変換し、ダイズに供給する働きがある。そのため、ダイズの基肥は少量で十分である。むしろ過剰な窒素は根粒菌の活動を抑制する。
答え
× ダイズは開花期以降の窒素供給が収量向上には重要である。ただし、この時期は根粒菌による窒素供給が低下する。
ダイズは、多くの窒素を必要とする作物である。またこの窒素の多くは、施肥からではなく、根粒菌が固定する窒素と、地力窒素による。
ダイズは、開花期以降の窒素吸収量が多い。しかし根粒菌は夏季の干ばつに弱いことから、開花期頃から窒素固定能力が低下する。一方で、地温が上がると地力窒素の発現量は増える。そのため、地力窒素への依存度が高くなる。
よって、開花期以降は根粒菌による窒素供給が低下するので、地力窒素を効かすことが重要となる。
答え
〇 リン酸は、ダイズの根粒菌の着生を促進する効果もあり、生育初期から開花期にかけて吸収させることが重要である。
リン酸は、ダイズの根粒菌の着生を促進する効果がある(根粒菌にとっても、リン酸は必要なため)。また、窒素に比べると吸収量は少ないが、生育や収量にも影響する。そのため、生育初期から開花期にかけて吸収させることが重要となる。
答え
× ダイズの単位面積当たりの養分吸収量は、水稲と比べて多く、窒素が3倍、加里が2倍、石灰が10倍、苦土が3倍程度である。
ダイズは、多量の養分を吸収する作物である。水稲(100kg当たり)と比べると、窒素3倍、加里(カリウム)2倍、石灰(カルシウム)10倍、苦土(マグネシウム)3倍程度多い。窒素が多く必要なのは、ダイズに含まれるたんぱく質量が多いためである。
答え
× レタスは、塩基飽和度120%、石灰飽和度80%、苦土飽和度30%、加里飽和度10%程度で、収量がピークとなる。
塩基飽和度とは、陽イオン交換容量(CEC)に対して、どれだけ交換性塩基(カルシウム・マグネシウム・カリウム)が満たされているかの割合である。(土の胃袋の大きさであるCECに対して、今どれくらいの塩基を食べて満腹かの指標)[交換性塩基総量/CEC×100]
レタスの収量には、塩基飽和度が大きく影響する。ある試験によると、塩基飽和度120%、石灰飽和度80%、苦土飽和度30%、加里飽和度10%程度で、収量がピークとなり、これ以上になると収量が低下するとされる。
答え
〇 レタスは、アンモニア態窒素を好む作物で、他の野菜類が硝酸態窒素を好むのに対して特徴的である。
土壌中の窒素は、有機態窒素と無機態窒素に大別される。
また、無機態窒素には、アンモニア態窒素と硝酸態窒素がある。
畑土壌では、有機物が分解されてアンモニア態窒素ができる。そしてアンモニア態窒素は、硝酸化成菌の働きによって、硝酸態窒素へと変わる。(畑土壌で育つ多くの作物は、硝酸態窒素を好む。
ただし、他の野菜類が硝酸態窒素を好むのに対して、レタスはアンモニア態窒素を好むという特徴がある。(理由不明)
答え
× レタスは、初期生育のリン酸の欠乏と、結球開始期以降の窒素・加里欠乏が、収量の減少に大きく影響する。
レタスは、生育初期の一日当たりの生育量が少ないため、養分吸収量も少ない。一方、外葉形成後期~球肥大期にかけては急激に養分吸収量が増加する。
また、レタスは野菜類の中でもリン酸を多く必要とする作物である。生育に大きな影響を与えるため、生育初期に必要となる。ある試験によると、初期生育のリン酸の欠乏と、結球開始期以降の窒素・加里欠乏が、収量の減少に大きく影響するとしている。
答え
× レタスの適正な土壌pHは、6.5~7.0程度である。
レタスは極めて酸性に弱い作物である。(ホウレンソウに次いで弱い)
適正pHは、6.5~7.0程度である。(多くの野菜類が6.0~6.5を好むのに対して、高い値が好きな印象)
5.0以下になると障害がはっきりと現れ、pHが高くなると腐敗球や微量元素欠乏が発生しやすくなる。
答え
× トマトは塩類濃度障害に対する耐性が強く、電気伝導度(EC)が2.0mS/cm程度と比較的高い値で収量が最も高い。
トマトは、塩類濃度障害に対する耐性が強い。電気伝導度(EC)2.0mS/cm程度の比較的高い値で、収量が最も高いとされる。(多くの野菜は、0.8~1.5程度を好む)
ただし、ECが3.0mS/cm以上になると、生育障害が起こる。
答え
〇 トマトは、第3花房開花期以降の土壌中の無機態窒素含量が10mg/100gを下回らないように追肥し、土壌中の無機態窒素含量の変化を少なくするのがよい。
トマトは、樹勢管理が重要な作物である。第3花房(下から数えて3段目にできる実)の開花までは根を深く張り、ここからが生育の転換点とされる。
一般的には、第3花房の開花までは、灌水を控えたりして栄養生長を抑え、着果のための生殖生長を促進させる。第3花房の着果後は、無機態窒素濃度10mg/100gを保ち、養水分の吸収を高めることが重要とされる。
答え
× トマトは、第3花房開花期までは節水して栄養生長を抑制し、それ以降は養水分の吸収を高めて栄養生長と生殖生長のバランスをとるのがよい。
トマトは、第3花房(下から数えて3段目にできる実)開花期が生育の転換点とされ、ここから追肥などが行われる。この時期までは、栄養生長を抑制し、これ以降は養水分の吸収を高めて、栄養生長と生殖生長のバランスをとるのがよいとされる。
これは、トマトは根群の働きが強いため(肥料の利用効率が高いため)、肥料が多いと初期から猛烈に生育してしまうためである。そして樹勢が強くなりすぎると、乱形果や生理障害が増えてしまう。
答え
× トマトの尻腐れ果は、塩基類の中で、特にアンモニア態窒素の過剰によりカルシウムの吸収が阻害されるため、多発しやすい。
尻腐れ病では、果実の果頂部(植物体についている部分とは反対の部分)が病変する。主な原因は、カルシウム不足である。
カルシウムは、他の塩基類によっても吸収阻害が起こる。この阻害効果は、アンモニウム(イオン)が最も大きく、次いでマグネシウム、カリウムとなる。(トマトの尻腐れ発症試験による)
アンモニウム(イオン)の阻害効果が大きい理由として、カルシウムとの吸収経路が似ていることや、土壌中での溶解性が高いことが考えられる。
そのため、土壌中のアンモニア態窒素が多い場合は、カルシウム欠乏による尻腐れ果は発生しやすい。
答え
× ニンジンは、リン酸の要求量が高いため、リン酸欠乏に注意する。
ニンジンにおけるリン酸は、収量増加とともに、形状を向上させる効果がある。ニンジンはリン酸の要求度が高いので、欠乏に注意が必要である。有効態リン酸20mg/100g未満の土壌では、リン酸施用による効果が大きい。
また、リン酸は品質成分の向上にも効果があり、カロテンやビタミンE含量を増加させるという試験結果もある。
答え
× ニンジンは、窒素が多すぎると直根の肥大が悪くなる。また、発芽力が低下した種子では、岐根の発生が多くなる。
野菜類の中でもニンジンは、発芽率が悪い。乾いた土壌では、さらに発芽率が低下する。また、種子も短命であり、翌年の夏を越すことも発芽率低下につながる。発芽力が低下した種子では、岐根の発生が多くなる。
窒素が過剰になると、葉が過剰に増え、直根の肥大が悪くなり、根色が淡くなる。一方不足すると、葉が小さくなり、直根が太らなくなる。
答え
〇 ニンジンは、野菜の中で発芽率が低く、発芽力の低下した種子を播種した場合には、岐根の原因になる。
野菜類の中でもニンジンは、発芽率が悪い。乾いた土壌では、さらに発芽率が低下する。また、種子も短命であり、翌年の夏を越すことも発芽率低下につながる。発芽力が低下した種子では、岐根の発生が多くなる。。
答え
× ニンジンは、生育前期に土壌水分を多く必要とする。生育前期に土壌水分が不足すると、生育遅延や裂根の発生を招く。
ニンジンは、易効性有効水の範囲では、土壌水分が多いほど生育が促進され、根の肥大が早くなる。
生育初期(6葉期まで)に水分が不足すると、生育の遅延や裂根の発生を招く。ただし多すぎると、根色が淡くなり、収穫期の裂根が増える。
また、生育後期に土壌が乾燥すると、横しま症(表皮が円周方向にくびれて黒変する)が発生する。これらを予防するためには、堆肥を施用して、保水力を高めることが重要である。
答え
× 温州ミカンは、耐乾性が強く、通気性や排水性のよい土壌での栽培に適している。
カンキツ類の特性は、温州ミカンと中晩柑類(デコポン、イヨカン、ハッサクなど)と分けて考えられる。
温州ミカンは、平均気温15~16℃の日照と排水良好な地帯が適する。耐乾性があり、根の酸素要求度が高い。そのため、通気性・排水性ともに良い土壌が適する。(産地になっているのは、神奈川県より西の太平洋側が多い)
答え
× 温州ミカンの果実に取り込まれる窒素は、施肥窒素よりも、地力窒素や樹体貯蔵窒素が多い。
カンキツ類で重要視される養分は、窒素・マグネシウム・マンガン・ホウ素である。
温州ミカンの果実に取り込まれた窒素を測定した試験によると、地力窒素が約46%、樹体貯蔵窒素が約36%、施肥窒素が約17%となっている。リンゴと同様に、地力窒素と樹体貯蔵窒素の割合が非常に高い。
また、温州ミカンは窒素に敏感なため、易分解性有機物などの過剰施用に注意する必要がある。窒素が過剰になると、着色の遅延・浮皮の増加・果肉歩合の低下・糖度の低下などが起こる。
答え
〇 カンキツ栽培においてマンガン過剰障害がみられる場合、窒素多施用による土壌pHの低下が原因になっていることが多い。
カンキツ栽培においてマンガン過剰障害がみられる場合は、土壌の酸性化(pH低下)が原因になることが多い(マンガンは、酸性で溶解度が上昇する)。また、その土壌酸性化は、多肥栽培(窒素多施用など)が原因となる。マンガンが過剰になると、葉が黄化して、茶色の斑点が生じて落葉する。
一方、カンキツ類は、マンガンの欠乏症が発生することの方が多い。この場合は、マンガン自体の不足か、土壌pHが上昇してマンガンの不溶化が起こることが原因となる。
答え
× 中晩柑類は、灌水を行い、果実の肥大を促進させることで、糖度の高い果実が生産できる。
中晩柑類(デコポン、イヨカン、ハッサクなど)は、果実の成熟によって糖度が上昇する傾向が強い。また、商品性の面からも大きいものが好まれるため、果実を肥大させるための十分な灌水が必要とされる。
一方、温州ミカンは、水分ストレスをかけることで、糖度を上昇させることができる。耐乾性も強いため、灌水を制限することで、糖度の高い果実が生産できる。
答え
× リンゴのビターピット症は、カルシウム欠乏である。樹勢が強く、窒素過剰などで発生が多い。
リンゴのカルシウム欠乏として、ビターピット症がある。果実に、暗褐色の少しへこんだ斑点がみられる。これは、若木などの樹勢が強い樹や、窒素などの施肥が多い場合に発生しやすい。果実、葉、枝との間で、カルシウムの競合が起こることが原因とされる。(局所的なカルシウム不足が起こる)
対策としては、窒素の過剰施肥を控えて樹勢を落ち着かせること、カルシウムを供給することなどが重要となる。
答え
× リンゴにおいて夏季に雨が多く、樹勢が強いと、つる割れ果が発生しやすい。
果樹の生理障害は、pHや養分だけではなく、樹勢の強さと関連することが多い。
リンゴのつる割れ果は、果梗基部に発生する裂果現象を言う。(実の柄になっている部分の根本に、亀裂ができる)
これは、8月に雨量が多い・果実肥大が良好である・樹勢が強いなどの条件が揃うと、発生が助長される。
答え
× リンゴの収穫期頃の窒素施肥は、果実肥大で消耗した樹体栄養を回復させる効果がある。
果樹の特徴として、翌年の生産維持を考慮した施肥管理があげられる。本年の果実がなりすぎないように摘果を行うとともに、翌年分のために貯蔵養分が蓄積していくよう施肥する。
例えばリンゴの場合、収穫期から落葉期までは、樹体内に貯蔵養分を蓄積する時期となる。そのため、収穫期かその直後に養分を供給する。(これをお礼肥と呼ぶ)
品質管理のための窒素施肥は、夏に控えることが多い。夏に窒素が過剰になると、枝葉が過繁茂となり果実の品質が悪化する。
答え
〇 リンゴの窒素吸収量のうち、地力窒素の吸収割合は、清耕栽培で約80%、草生栽培で95%以上とされている。
果樹の収量や品質に最も影響を与えるのは、窒素である。また、果樹が吸収する窒素には、施肥窒素と地力窒素があり、その割合は地力窒素が高い。リンゴの場合は、地力窒素の吸収割合が、清耕栽培で約80%、草生栽培で95%以上とされている。
【清耕栽培】果樹園の地表面を、裸地状態で管理して栽培する方法
【草生栽培】果樹園の地表面に草を生やし、それを活かして栽培する方法
9.土壌診断の進め方
答え
〇 一般に、塩基飽和度とpHの関係は、塩基飽和度が高いほどpHも高い値を示す。ただしハウス土壌では、塩基飽和度が高くても、土壌pHが低い場合がある。
塩基飽和度とは、陽イオン交換容量(CEC)に対して、どれだけ交換性塩基(カルシウム・マグネシウム・カリウム)が満たされているかの割合である。(土の胃袋の大きさであるCECに対して、今どれくらいの塩基を食べて満腹かの指標)[交換性塩基総量/CEC×100]
塩基飽和度は土壌pHと関係があり、塩基飽和度が高くなれば、土壌pHも高くなる傾向にある。
通常、土壌のコロイド(粒)は、陽イオン(カルシウム・マグネシウム・カリウムなど)で満たされない部分に水素イオン(H⁺)を吸着していることで、酸性寄りになっている。(塩基飽和度が低い=カルシウムなどの陽イオンが少ない。空いている席に水素イオンが多く入り、酸性が強くなる)
一方、塩基飽和度が高くなると、相対的に水素イオンの割合が減るので、pHは上昇傾向になり、100%に近づくほど中性(pH7付近)となる。
ただし、近年のハウス土壌では、塩基飽和度が高くても、土壌pHが低い場合がある。これは、流亡しにくい硝酸イオンや硫酸イオンが蓄積していることが原因である。(硝酸や硫酸は酸性を示す)
答え
〇 土壌がアルカリ性になると、カルシウムの溶解度が低下するため、交換性カルシウムが十分にあるにも関わらず、カルシウム欠乏症が出ることがある。
(解説保留)
答え
× 石灰/苦土比が2未満で、塩基バランスが不均衡の場合、適正塩基バランス水準になるよう、苦土を無施肥とする。
農業用語における塩基バランスとは、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウムなどの「交換性の陽イオン」の比率をいう。とくにカリウム(加里)、マグネシウム(苦土)、カルシウム(石灰)の3つが重要視される。
塩基バランスは作物の養分吸収や生育に影響しており、バランスが崩れると生理障害が発生しやすくなる。
また、この3つはお互いに拮抗作用があるため、どれかが過剰になると、他のものの吸収が阻害される。
・苦土/加里比(マグネシウム/カリウム比)は、2~6が望ましい
(2以下でマグネシウム欠乏症が発生)
・石灰/苦土比(カルシウム/マグネシウム比)は、4~8が望ましい。
石灰/苦土比の値が低い場合は、苦土を無施肥としてバランスをとる。
答え
〇 塩基飽和度の高いハウス土壌では、通常の水管理では収量が低下しやすい。やや多めに灌水する等水管理が重要なポイントになる。
(解説保留)
答え
〇 土壌調査では、土色により大まかな腐植含量がわかり、黒に近い褐色の土壌であれば、腐植含量は10%以上である。
腐植は、褐色~黒色をしているため、土色によって腐植含量を予想することができる。
1%以下 — 黒味がない
数%程度 — 少し黒味がある
5%程度 — かなり黒味がある
10%以上 — 黒に近い褐色
答え
× 指先の感触で土性の判定(日本農学会法の区分による)ができ、大部分が砂の感じで、わずかに粘土を感じる土壌は、砂壌土である。
日本農学会法によると、土性は「砂土」「砂壌土」「壌土」「埴壌土」「埴土(しょくど)」の5つに分類されている。
【判断の目安】
砂土 「ザラザラとほとんど砂だけの漢字で、粘り気を全く感じない」「塊や棒状にならない」
砂壌土「大部分が砂の感じで、わずかに粘土を感じる」「棒状にはできない」
壌土 「砂と粘土が同じくらいに感じられる」「鉛筆くらいの太さにできる」
埴壌土「わずかに砂を感じるが、大部分は粘土でかなりねばる」「マッチ棒くらいの太さにできる」
埴土 「ほとんど砂を感じないで、ヌルヌルした粘土の感じが強い」「コヨリのように細くできる」
(壌土を中心に考え、それと比べるとわかりやすい)
答え
〇 土色は、腐植の量や鉄化合物の形態で変化し、現地では土色帖によって判断する。
土色(どしょく)は、主に腐植の量や鉄化合物の形態で変化する。また、土壌の化学性、物理性、生物性と関係する情報であり、土壌調査項目のひとつとなる。
土色の判定は、簡易的には新版標準土色帖(農林省農林水産技術会議監修1967)を用いて、目視で比較して行なう。
答え
〇 検土杖は、長さ1mほどの鋼鉄製で、土壌断面の概略と種類等を調べるために用いる。
検土杖(けんどじょう)は、土壌断面の概略と種類などを調べるための、土壌調査用具である。一般的には、長さ約1mの鋼鉄製の丸棒。先端から30cmまでの部分には溝があり、採土部になっている。
答え
〇 有効土層とは、作物の根が自由に貫入できる物理状態の土層を意味し、果樹などでは生育や収量に影響が大きい。
有効土層とは、作物の根が貫入することが可能な範囲を指す。
これは作土層(一般的にヒトが耕した範囲)に加え、その下にある耕盤、その下にある緻密層(硬度29mm未満)が含まれる。
(イメージ)
土壌表面
↓作土層
↓耕盤層
↓緻密層
礫(れき)
有効土層は、根が深く入る作物(例えば果樹)の生育や収量に、大きく影響する。
リンゴだと1mほど、ナシ・クリ・カキも、最低60~70cmは必要とされる。
答え
〇 多くの作物では、土壌硬度が山中式硬度計の読みで20mm前後から根量が急激に減少する。
土壌の硬さは、一般的に土壌を垂直に掘った断面に使用する「山中式土壌硬度計」が用いられる。(値が大きいほど、土が硬いことを表す)
根は、この値が20mm未満でよく発達する。また、20mm前後になると量が急激に減少し、25mm以上になると根の分布が困難になるとされる。
*一般の畑の硬度は、22mm以下が望ましい(細根が発達できる)とされている。
答え
〇 ダイコンの正常な発育・肥大のためには、山中式土壌硬度計の読みで12mm以下が望ましい。
ダイコンは、深くて柔らかい圃場が適する。根が円滑に肥大するには、緻密度が山中式土壌硬度計で12mm以下である必要がある。また、作土層は、25cmあると良品が生産できる。下層に耕盤があったり、石があると、曲がり根や岐根が発生する。
答え
× サツマイモの塊根の肥大は、山中式硬度計の読みで10mm以下であれば、正常に肥大する。
サツマイモの塊根の肥大は、土壌物理性が大きく影響する。緻密度が山中式硬度計で10mm以上になると、肥大が阻害され、変形イモや、皮色の低下したイモができやすい。緻密度は10mm以下、作土深は40cm以上確保することが重要である。
2級の試験対策において、過去問にはあまり登場しないけど、覚えておいた方がいいかもという部分を集めました。
参考
新版 土壌医検定試験既出問題集2018-2020
一般財団法人 日本土壌協会
図解でよくわかる 土・肥料の基本
一般財団法人 日本土壌協会
誠文堂新光社/2021第7刷
土は土である 作物によってよい土とは何か
松中照夫/農文協/2013