第4話 エリザベス一世の話

marcy

メンバー

tomo
pino

1.遅れちゃった

marcy

 次は視点を大きく変えて、
 エリザベス一世の話をします(笑)

tomo

 エリザベス!(笑)

marcy

 イングランド・アイルランドの女王で、
 在籍していた、1558-1603年
 くらいの話です。

 ヨーロッパは、もともと
 やせた土地といわれていて、
 定期的に凶作に苦しめられるという
 歴史を持っています。

 そんな中、コロンブスなどが
 アメリカ大陸を発見し、
 じゃがいもがヨーロッパに
 伝わります。
 そして凶作が起こる環境だから、
 じゃがいもを広めたいわけですよね。

tomo

 うんうん、なるほど。

marcy

 エリザベス一世はそう思い、
 まず上流階級に広めようとしました。
 でも、この広めようとしたパーティで
 調理を担当した人たちが、
 毒の存在を知らず
 葉っぱや茎も使って提供し、
 みんながソラニン中毒になってしまって。

tomo

 あぁ(笑)

marcy

 その結果、
 じゃがいも=毒のイメージが広がり、
 この影響でイギリスでのじゃがいもの普及が
 遅れるということになりました。

pino

 かなしい…(笑)

marcy

 ただ、あまり明確な文献がないので、
 どこまでが史実かが難しいんですけど、
 おもしろネタくらいの感じで
 楽しんでもらえればと思います。

tomo

 この時代のインフルエンサーに
 宣伝してもらおうとしたら、
 大事故になったんですね(笑)

marcy

 逆にイメージダウンに(笑)

tomo

 食べ方までは、
 伝わらなかったんですね。

marcy

 あぁ、そうですね。
 じゃがいもが伝わったというのも、
 アメリカ大陸の原住民に
 譲ってもらったのではなく、
 侵略の中で、銀と一緒にもってきた
 感じだと思います。

 以上、こんなふうに、
 じゃがいもの毒が
 ひとつの国にも影響した
 というエピソードでした。

tomo

 今ではイギリス料理に、
 じゃがいもは欠かせない存在ですよね。
 フィッシュアンドチップスとか。

marcy

 たしかにそうですね。
 はじめの出会いは
 それほどよくなたっかけれど。

tomo

 じゃがいもに付随する
 文化に含まれる知恵までは、
 入ってこなかったんですねぇ。

marcy

 おもしろいですね。
 つまり、道具やシステムだけを輸入しても、
 うまく駆動できないというか。
 その周りに付随しているものも
 セットじゃないと、
 うまくは使えないみたいな。

tomo

 それが料理にもありそうですね。
 じゃがいもの食べ方も含めて。

marcy

 じゃがいもも
 人のために生きてないから、
 使う側もノウハウが必要ですね。


第5話 野生種と毒抜き
1.野生種という視点で見る

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*参考文献を基にしておりますが、厳密な考証は行っておりません。あくまで「趣味のおしゃべり」として、楽しんでいただけると幸いです。

参考文献
ジャガイモのきた道/山本紀夫/岩波新書/2008
ジャガイモの世界史/伊藤章冶/中公新書/2008
ジャガイモの歴史/アンドルー・F・スミス/原書房/2014
へんな毒 すごい毒/田中真知/ちくま文庫/2016
世界史を大きく動かした植物/稲垣栄洋/PHP/2018
海が運んだジャガイモの歴史/田口一夫/梓書房/2016
食中毒統計資料令和4~元年/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報/農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/
有毒植物による食中毒に注意しましょう/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html